CD NEWS 09月26日号


新鮮、出来立て保証マーク
毎週日曜発行
   
   mako-rin's CD NEWS     
   
更新日時=09月26日午後05時20分


Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp

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◎☆☆☆☆☆「ピアノ」原田郁子


■01.たのしそう かなしそう
■02.緑道
■03.かじき釣り
■04.教会
■05.なみだ と ほほえむ
■06.流れ星
■07.ワルツ
■08.海からの風
■09.鳥の羽 鳥の影
■10.トゥインクル

 難しいことを、とても平易なやさしい言葉で説明するのは、一度やってみたら分かるけれど、とっても大変なことだと思います。世の中の大事な本質を、いつも僕らが日常生活で使っているやさしい言葉で、簡単に説明してしまう。そんな素晴らしい能力を持っている原田郁子の詞が好きだ。
  
  一曲目の「たのしそう かなしそう」からして、思わずビビッと来る歌詞にうなってしまう。大好きな人といつも一緒にいたい。大好きな人が楽しい時はこちらも楽しい、悲しい時はこちらも悲しい。そんな至極当たり前の気持ちを実に見事に表現しています。そして「君が わたしの未来よ」と言い切ってしまう、直球の気持ちよさ。この一曲を聞くだけでも、このアルバムを手にした価値はあると思います。
  
 「緑道」に出てくる「りんりん らんらん なんか うれしいな」の歌詞も、聞いているこちらまで「りんりん らんらん♪〜〜」となるのだから本当に「なんか うれしいな」的気分になってきます。美しい夕陽をみただけで、もう心いっぱいうれしくなってしまう気持ちに、僕もうれしくなってくる。夕陽を見られた幸せを誰かに伝えたい、という気持ちまで共感してしまう。今の世の中、美しい夕陽すら気付かずに生きている人もいたりして。もったいないな。そういや去年亡くなった愛犬ミルクも夕陽が好きで、散歩道で足を止めてぼんやり二人で見とれていたっけ。今から考えれば、あの時間こそは、とても幸せな最高な一瞬だったんだなあ、と気付くのです。
 
「かじき釣り」は原田の歌詞ではないが(いしいしんじ作詞)、これがまたすっとぼけた味が出ている歌で腹を抱えて笑ってしまった。何を釣りに行ったかは聞いてのお楽しみ。原田の愛嬌のあるヴォーカルが一層いい味を引き出しています。

  (COLUMBIA MUSIC、COCP-50811、3150円)


◎☆☆☆☆「ツバサ」アンダーグラフ


■01.ツバサ
■02.四季
■03.ツバサinstrumental

 有楽町に舞い戻ってきたニッポン放送の番組でのオンエアーがきっかけで話題を呼びオールナイトニッポンレコーズからシングルを出していた「アンダーグラフ」。9月22日にフォーライフミュージックエンターテイメントよりからメジャーデビュー。その楽曲はシングル「ツバサ」。1997年、真戸原直人(Vo.Gt.)、阿佐亮介(Gt. Cho.)を中心に、中原一真(Ba.Cho.)、谷口奈穂子(Dr.Cho.)で結成。その一曲目が「ツバサ」ってなんだか出来すぎの感じもしますが、なかなかイントロからして、「なんかやってくれそう」と期待感を抱かせるのです。つかみはO.K.です。
 
 ツバサを広げて飛び立つ時って、何をも代え難い瞬間ですが、ドラマそのものは飛び立った後にどんどんつくられていくのです。むしろそこからの方が恐ろしく長かったりします。彼らもそのことをよーく知っていて、飛び立つまでの苦労と、飛ぶ瞬間の高揚感と、さらにその未来に待ち伏せている℃似を覚悟して歌に託しています。だからこそ、人生のさまざまな節目にある人たちに対しても励みの楽曲となります。でも、そんなに緊張しなくてもいいよ。飛び立つ瞬間に失速してしまっても、もう一度天に向かってツバサをはためかせればいいのだから。やり直しのきかない人生なんてないのだから。
 
 プロデューサーは、島田昌典、エンジニアはトーレ・ヨハンソン。
 
 (フォーライフ、FLCF-7092、3200円)



◎☆☆☆「EXODUS」宇多田ヒカル


■01.オープニング
■02.デヴィル・インサイド
■03.エキソドス'04
■04.ザ・ワークアウト
■05.イージー・ブリージー
■06.ティッピー・トウ
■07.ホテル・ロビー
■08.アニマート
■09.クロスオーヴァー・インタールード
■10.クレムリン・ダスク
■11.ユー・メイク・ミー・ウォント・トゥー・ビー・ア・マン
■12.ワンダー・バウト
■13.レット・ミー・ギヴ・ユー・マイ・ラヴ
■14.アバウト・ミー

  邦楽としての宇多田ヒカルのこれまでの実績を考えると、最新アルバムというかワールドワイドのアルバムの出来は素晴らしいが、商品として考えると残念ながら星3つを付けるしかない。初めて宇多田のプロモーションCDを聴いた時の驚きは、残念ながら今回の世界デビュー盤には感じなかった。でも、これはあくまでもCD NEWSの目安なのだからあまりファンは気にしないでほしい。ファンの一人としては、彼女のこれからの成功を祈る気持ちでは星4つくらい付けたいのだが……。

 彼女たち宇多田ファミリーは、アルバム制作に当たって、アメリカ市場をかなり意識したためだろうか。あるいは彼女自身がN.Y.育ちで、彼の地の音楽を良く知っているせいだろうか。かなりマニアックな玄人受けする部分と、変にエキゾチックにアジアンテイストを出した部分がアンバランスになってしまい、うまく消化できていないような気がする。どちらかに思い切って振ってしまった方が良かったような気がする。

 ただし、宇多田が邦楽盤ともいえる今回の作品においては、日本市場にある様々な制約を外れた、自由な歌詞があちこちに飛びかっていることを評価したい。アメリカ、ヨーロッパのティーンエイジャーには極めて当たり前の表現かもしれないが、日本の同年代の子らを持つ親としては結構、どっきりとさせる歌詞があったりして、これも宇多田なの? と驚くと同時に、彼女の引き出しの多さに改めて感心してしまいます。

 任天堂の新しいゲーム機のCMソングにも使われている「イージー・ブリージー」はやっぱりリピートして聞いているせいか、かなり頭の中に沈殿してしまう。彼女自身も出演しているCMで話題になっています。なかなか演技力があります。だって、僕まで、この「DS」というマシンを触りたくなってくるのだから。

 さて、いろいろ書いたけれど、このアルバム一回聴いてお蔵入りさせるのはもったいないとも思います。どうか何度も何度も聞き直してほしい。宇多田がやりたいことが聞こえてくるかもしれない。決してこの一枚で終わらないでほしい、というのも願いだ。どんどんアメリカ市場に乗り出してほしい。日本のアジアの歌姫に終わらず、世界の宇多田に育ってほしいと思う。

 (ユニバーサルミュージック、UICL-1046、3000円)

音符印の飾り棚線マーク

Coming Soon


<反省>
◎御無沙汰しておりました、お元気ですか、CD NEWSのmako-rinです。2004年3月以来です。秋というといつも何かしたくなる。そんな時には、ホームページの更新と思っておりました。やらなければいけないと思うと、高校時代の宿題じゃないですが、できっこない。なんだかやりたくなるのをひたすら待つ以外にありません。待っていてもやらなかったこともありましたが、今は別に宿題でもなんでもないだから、こうしてやる気さえ出てくれば、パソコンに迎えるのであります。でも今のところ年に二回のペースか、ちょっと意気消沈してしまいますが、それでも更新するだけ、ちょっと救いようがある、そんなふうに受け止めてくだされば、うれしい。かたぢけない。そんな気分でございます。

◎それにしても暑い日々が続く秋で、もうすぐ9月も終わるのに、まだ真夏の格好から脱出できておりません。暑いからしゃあないのですが、なんだか今年はショートパンツ姿でいる時期が嫌に長く感じてしまうのです。。

◎PowerBookG4、ようやく手に入れましたが、たぶんもうすぐはCPUアップに。熱暴走こそしないけれど、空冷ファンが必要なマシンで少し残念。かなり熱くなるのが難儀な点です。

◎半年ぶりのCD NEWSいかがでしたか。また、ご感想をお寄せください。


<今週気付いたこと>火山灰って車に付着したものは、洗ったくらいでは落ちない。

筆者/copy right=フルタマコト
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