Macintoshは仕事になるか

  すんません。一度にまとめて原稿を2本書いたらすっかり満足してしまって、そのうちに書こうなんて思っていると、なかなか進まないものなんですね。その間にMacintoshは、3台目「color classic」 から4月に入り、ついに4台目が導入されました。そのニューマシン(中古なんですがね)を使って、現在、原稿を叩いております。ちょっと“ぺにゃぺにゃ”のキーボードの感触が心許ないことこの上ないのですが、それは仕方がありません。Power Bookなんだもん。そもそも機能を集約したブック型マシンにあんまり要求して文句を言ってはいけません。でも、その代わりといってはなんですが、Appleの製品は工業製品にもかかわらず、困ったことにデザインが実に良いのです。もうこれは芸術品といってもよいと思います。

 そのために、何度キーボードを打つ手を止めてMacを眺めたことか。そのたびに、目の前ですぐに触れる喜びに浸ってしまい、家頁作りも仕事も中断されるのです。そういう意味では、ビジネス機に徹したマシンはほとんどデザインらしいデザインがない(ように僕には感じる)ため、人間をして、仕事に没頭させうるのだと思います。これもビジネスマシンの宿命なのでしょうか。そして必要な要素なのでしょうか。

  でも、機能に徹した上で、さらに人間にとって潤いを与えるデザインを考え出し、創業以来、一貫してそうした製品を提供し続けているAppleのすごさを今一度考えてみたいのです。僕は その秘密は、Appleには、デザインのなんたるかが良くわかったスタッフが多いこと。常にユーザーを満足させようと、そしてそのデザインセンスを常に磨き続けているからだと思います。某Mac販売店で、よく分解されたMacintoshの中味(メモリとかハードディスクとかが機械らしく納まっているところ)を見せてもらうのですが、中味もMacらしく、実に美しく整備されています。それはボディーだけでなく、ボンネットを開けてエンジンルームをのぞいた時にエンジンにまつわる電気系統が美しく配線され、アルミのシリンダーヘッドがキラリと輝いている車と同じです。Macショップの店主と共にぼ〜っとMacの中味を眺めている光景はちょっと第3者には見せられませんけどねえ。

  デザインも良くて動いていない時も見ているだけでわくわくしてくるパソコンに出会えたのは、本当に幸せだと思っています。でも、あんまり眺め過ぎて仕事にならない、というのが今の正直な僕の悩みなのです。

贅沢な悩みとはよく分かっているのですが、Macで仕事をしようとするとこういう“悩み”も発生してくるのです、実に困ったものですねえ。<4/11/97><つづく>

<次号を読みたい>

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