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斉藤さんちの和義クンといえば、先日、ポンキッキーズの1996年の年間歌のベストテンのなかで、「歩いていこう」が堂々と1位になっていました(本人も出演していたけれどあんまりうれしそうじゃなかった様子がかえって彼らしくておもしろかったですね)。TBS系の「CDTV」のテーマソングにもなっているのがこのニューシングル「郷愁」。ほんわかとしたサウンドの中に過ぎた日々への後ろ髪ひかれる気持ちを歌う。間奏にハーモニカが哀愁ただよいながらしみじみと入っていてなんだか彼が過去にやった明星チャルメララーメンを食べたくなってしまうじゃないですか。カップリングの「進め なまけもの」は全国の気の弱い「なまけもの」諸君をおおいに励ます歌。なんだか力が一向にこもっていないのに変に勇気が湧いてきますね。「最後には 笑え なまけものよ」この肩の力を抜いた、それでいて前向きなんだけど、積極性そのものを否定するスタンス。たぶん時代は徐々にこう変わりつつあるのかもしれませんね。ところでこの歌は赤ペン先生でおなじみの進研ゼミ中学講座のテーマソングとか。ナマケモノと男の子奇妙な中学生生活を描いています。本当に時代は変わってきているんですね。アルバムは2月予定。(ファンハウス、FHDF-1607、930円)
日本テレビ系ドラマ「ストーカー 逃げきれぬ愛」の主題歌。高岡の早紀ちゃんと渡部篤郎の主演。テーマがテーマなのですが、なんだかやだね。人のあとをこっそりつきまとうなんていうやつは。だいたいこわいじゃないの。もうこわくて後ろをキョロキョロ振り返りながら帰ったりしてね。こっちの方が挙動不審と思われちゃうじゃないの。助けてくれい。この坂本龍一によるテーマソングは、女性ヴォーカリスト、SIster Mを起用していています。なかなか印象深いヴォーカルと共に、坂本の楽曲も耳に残るものがあります。このニューシングルは3曲入りですが、本編とアコースティックバージョン、インストルメンタルといった構成。坂本好きには要チェックものです。ところでこのジャケット凝ってますな。このセルロイドみたいなのは一体なんなの? 壁紙みたいなのがあるんですわ。なんかわからないけどおもしろいんですわ。スキャナーで読み取って本当に壁紙に使ったりして、みなさんいったい何に使いますか、ま、お楽しみください。(フォーライフ、FLDG-1007、1000円)
昨年秋、日本コロムビアからファンハウスに移籍した「イエモン」。ファンハウス移籍第一弾のアルバムがこれ。フジテレビ系「新・木曜の怪談」の主題歌になっている「楽園」も収録。英国のREAL WORLD STUDIOS(WILTSHIRE)やAIR STUDIO(LONDON)でかなり長期にわたってレコーディングしてきました。すでに「楽園」でイエモンは完全にブレイクしておりますが、このアルバムはたぶん日本ロック史上に残る一枚となるはず。もうパワー全開(しかも快調に)。吉井和哉の歌詞には相変わらず笑わされたり考えさせられたりで、それはそれでめっぽう楽しい。歌詞が真摯なものであることを確認したうえで、ちょっとアブなくってセクシーでロックそのものですなあ。いいですな。もっとやれい。ちょっと興奮して掛け声かけたくなります。なんかすっごい世界に入っていくようですが、最近の健康ケンコー健康したロックのなかで、このようなちょっとあぶないといったロック本来の"健全な"精神あふれるアルバムが登場したことを心からお喜びいたします。パチパチ。(ファンハウス、FHCF-2355、3000円)
筆者/copy right=フルタマコト cdnewsjp@yahoo.co.jp