|
水戸華之介のアルバムは、相当元気がないと聞けません。風邪の時にヘタに聞くとよけいに熱が出て寝込んでしまいます。パワーがあります。ちょっとしんどいです。でもおもしろいんです。有名な曲が並びます。水戸の歌詞がつくと新たな曲に生まれ変わります。たとえば北島のサブちゃん(北島三郎)でおなじみの「与作」がめっちゃ有名なロックに生まれ変わったり(ネタはバラさないのが礼儀でしょう)、井上"お元気ですか"(ちょっと古いか)陽水の名曲「氷の世界」も大変身。でもこれがなかなかオリジナリティーがあって聞きものですぞ。クレージーキャッツの「ウンジャラゲ」だって12月になるとクリスマスメロディーで流れる「赤鼻のトナカイ」も奇想天外なものに変わっていて聞けば聞くほど、すごいアルバムを手に入れてしまった、と呆然とするのです。それにしても向かうところ敵なしのCDはなかなかあっぱれです。でもくれぐれも体調の良い時にだけ聞いてください。でないと、ほらぼくのように笑いながらくしゃみが出たりして、ちょっと人には見せられない醜態となってしまいますよ。ハークション!(日本コロムビア、COCA-13913、3000円)
「ひむがしの 野にかぎろひの 立つみえて かえりみすれば 月かたぶきぬ」と万葉人、柿本人麿は692年に、奈良県の北東部(現在の奈良県大宇陀町)で歌っています。かぎろひとは、厳寒の夜明け前、東の空を色あざやかな虹のようなグラデーションが一面につつむ太陽光線によるスペクトル現象。人麿の歌のように西の空に月が見えるという瞬間は、実は気象条件が一致しないとなかなか見ることができないそうです。先月(12月)27日は数十年ぶりではっきりと「かぎろひ」が見えた、とテレビでも放映されていました。感動の一瞬だろうと思います。なにしろこの現象を一目見ようと陰暦11月17日といわれる毎年12月下旬に全国から数千人の人が早朝、大宇陀に集まるのです。このパワーもすごいし、それを心良く受け入れ、もてなしてくれる大宇陀町の人情にも感じ入るものがあります。同じ12月27日にリリースされたのがこの「かぎろひシンフォニー」。東祥高は、関西ではNHK(BK)の「ちょっといい旅」のテーマソングや「国宝への旅」の音楽を手がけるなどでおなじみ。シンセサイザーで新しい感覚の日本音楽を次々に送り出しています。またこのアルバムには「万葉うたがたり会」による万葉歌も収録されているのも珍しい。東のつくる曲は、常に自然と向き合うことから始まっていて、大きな存在である自然の中にすっぽりと人を包んでくれる心地良さにあふれています。曲を聞くごとに心が清められるような気持ちとなる不思議なサウンドです。全10曲55分59秒。このCDの問い合わせは大宇陀町観光協会(電話07458ー3ー2251)へ。(Q bric Records、NW-1009、2800円)
ええーと辺見さんちのえみりさんです、昨年11月に発売されたアルバムで、いつか紹介しようとしてつい先延ばしになっていました。「CD NEW」は基本的に新譜ものとしておりますが、発売後数カ月以内は、基本的に新譜として取り扱うことにしております。それから旧譜ものでもリリース内容によってはぜひ、紹介しなくてはならないものは、取り上げておりますのでご了承ください。なんてったって、あの幻の(でも、ぼくは持っている)シリア・ポール(「モコ・ビーバー・オリーブ」というキャンディーズの元祖のような女の子3人組みのうちの「オリーブ」)のアルバム「夢で逢えたら」が春に再発売されるのですから、今からこのアルバムの紹介をお約束しておきます。アルバム「夢で逢えたら」にご意見のある方はcdnewsjp@yahoo.co.jpへメールよろしく。で、ええーと辺見さんちのえみりさんに戻ります。彼女の2枚目のアルバムです。ぼくは辺見親子2代とも好きです。最近ママの方は見かけませんが、お元気でしょうか。このアルバムはシングルヒットした「流れ星」(スピッツの草野正宗の作詞作曲)をはじめ、スピッツのカバー曲として「夢じゃない」「ハニーハニー」「サンシャイン」などがラインアップされ、スピッツファンもマークしておかないといけないCDとなっております。女性ヴォーカルだとちょっと雰囲気は変わるのでまたおもしろいですね。一曲だけですが、えみり自身の作詞した「白い自転車」も収録。白い自転車によって自由を手に入れたようすが描かれています。開放された気分を思いっきり歌っていますが、彼女いったいどんな自由を手に入れたのか、そのあたりはきっと3枚目のアルバムにアンサーソングとして入れてほしいものです。のほほんとした歌がいい味を出しています。(ファンハウス、FHCF-2348、3000円)
筆者/copy right=フルタマコト cdnewsjp@yahoo.co.jp