CD NEWS03月01日号

毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=1998年03月01日午後11時20分


Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp

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◎☆☆☆「恋文」薬師丸ひろ子

    昔、独立したばかりの頃の薬師丸ひろ子のインタビューをしたことがありますが、事務的に仕事をこなそうとひたすら時間ばかり気にしてピリピリしている周囲のスタッフをよそに、ひろ子さんは時間など気にしていないような素振りを見せて取材者のことを気づかいながらとても仕事をやりやすくしてくれました。単に可愛いとかきれいといった表面的なことばかりでなくて、知性が内面からあふれ出てくるとってもしっかりした女優さんだ、という印象があります。そんな薬師丸ひろ子が久しぶりにアルバムを出しました。
  阿久悠の短編小説集「恋文」(文化出版局、1400円)をCD化したアルバムです。さまざまな形の愛が出てきます。それを一つ一つていねいに歌っています。先に発売された「恋文〜哀愁篇」(S.E.N.S.がプロデュースしたちょっと悲しい歌です)も含めた9曲は、阿久悠のとってもしゃれた詞が味わい深いし(阿久悠の詞って何度も何度も読み返すたびに発見があって好きです)、さすが女優だな、と感じたのは、モノローグや映画の一場面を思わせるような台詞のやりとりが実に生き生きしている点です。
    ちょっと高い声を生かし、テクニックに頼らず音楽の時間に習った正統派的な歌い方(薬師丸はそういえばいつもこの歌い方でしたね)に聞きほれてしまいます。薬師丸ひろ子の一番身近なところにいる玉置浩二作曲の「交叉点〜そう、それがそう〜」がさりげなく中ほどにあるほか、S.E.N.S.の勝木ゆかりの曲が3曲。このアルバムのもう一つの魅力はS.E.N.S.のサウンドが楽しめるという点です。もう一つの魅力はCD に封入されたノーツに書かれた阿久悠と薬師丸ひろ子の短文です。疲れた人の心をそっと包み込んでくれ、ちょっといい気分にさせてくれる巻頭の2人の言葉が心に響きます。(FUNHOUSE、FHCF-2409、3059円)

◎☆☆☆「中森明菜スーパーベスト」中森明菜

  この間、遅く帰ってテレビを見たら中森明菜がドラマに出ていました。5年ぶりの連続ドラマの出演だそうです。この「冷たい月」は日本テレビ系で午後10時からやっています。調べたら1月12日からスタートの全10回ということです。夫が起こした「ひき逃げ事故」が原因で幸せな生活が一変、不幸のどん底に落ちた妻が、事故の模様を警察に通報した主婦を逆恨みし、復讐を開始する、というストーリー。滝川晃代脚本、唐木昭浩演出。中森明菜の役どころは、大学病院に勤める優秀な外科医から始まるものの、キャスターの夫がひき逃げ事故を起こし自殺。自らも病院を解雇され、原因を作った主婦に復讐を始めます。
 すごい役どころに挑んでいますが、やっぱり忘れてならないのは歌手中森明菜。このベストアルバムは明菜ファンにはヒット曲がオンパレードされていてかなりお買い得なおすすめものといえます。なにしろデビュー曲「スローモーション」から始まり「ミ・アモーレ」「ダンスはうまく踊れない」も含めて「APPETITE」まで計15曲が詰まっています。
 山口百恵の硬派路線を引き継いで、ちょっときつめの強い女のさりげなく見せるか弱さ、ってところが明菜の歌の魅力でしょう。その微妙な色っぽさも含めて中森明菜という歌手は今のところちょっと他に変わるものがいない(後継も見当たらないようです)絶妙の地位を築いているように感じるのですが。
(UNIVERSAL VICTOR、MVCH-29013、3045円)

◎☆☆☆☆「TOKO〜best selection」古内東子

  CD NEWS2月1日号で取り上げた古内東子のニューアルバム。この時紹介したシングルの「銀座」というタイトルに気になっていて幕張出張(2月18日)のついでに銀座まで実際にリサーチしに行ってきました。HMVを見つけてチェックすると、なんと大々的にスペースを取って古内東子のCDは単独でコーナーが設けられディスプレイしてありました。その大きさは横1メートル幅50センチほど。同じほどのスペースはピチカート・ファイヴも取ってあり、そこには野宮さんが時おり出没するヴィデオまで飾っていました。やっぱり御当地ソングの影響じゃないとは思うのですけれど、このくらいドカンとレコード店が後押ししてくれたら幸せですね。ついでにCD NEWS読者で、銀座に本社のあるサイトーさんと某時計メーカーのカイヌマさんと待ち合わせて銀ブラ(というか社会見学というか)しつつ、周辺をガイドしていただき夜の街に消えました。キタとかミナミとか四条河原町とか木屋町とかこういうところに来ると変に元気になってしまうのはなんでしょうかねえ。その後寝込んでしまったりと、本当に何をしているのやら。
 さて、古内のアルバムは、ベストものの話でございました。これには最新の「銀座」は入っておりません。「誰より好きなのに」「歩き続けよう」「幸せの形」といった古内ファンおなじみの曲はアルバムバージョンが収録されております。やっぱりにらんだ通り素敵なアルバムです。会社勤めしている女性層がこれを聞くとたぶん自分を投影させて聞くことになるのでしょうか。サウンドも洗練されていて、竹内まりやがしばらく新作を出さない(旦那の達郎さんの方は最近頑張ってリリースしています)のですが、たぶん、そのあたりの層をうまくつかんでいるな、と思います。計14曲ですのでコストパフォーマンスも実に優れていると思います。まあ、そういう点がベストものの良さなのですが。(Sony Records 、SRCL-4189、3059円)

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Coming Soon


 <反省>幕張風邪が一段落したかと思ったのも束の間、今度は花粉症の到来です。28日から鼻がグズグズし始めたかと思うと、目がかゆくなり始めて鼻ばかりかんでおります。
 本日は久々の女性ヴォーカル特集となりました。いかがでしたでしょうか。
 「MACWORLD Expo Tokyo 1998」でお会いした方々からメールをいただきました、どうもありがとうございました。

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<今週の一句>銀座で Newtonデモして 大受けに(mako-rin詠める)
メーラーを また一つ増やし 混乱を(またmako-rin詠める) 

筆者/copy right=フルタマコト
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