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シングライクトーキングの佐藤竹善とユニット「SALT & SUGAR」を結成したりと幅広い活動をしてきた塩谷哲の3枚目のソロ・アルバム。ご存じのように塩谷は、Orquesta de la luz (オルケスタデ・ラ・ルス)を1996年3月に独立し、ソロ活動を始めたピアニストです。このアルバムは塩谷お得意のブラジル、ラテン、ジャズなどさまざまなジャンルの香りがいっぱい詰まっていて、それでいてとてもモダーンな作品に仕上がっています。塩谷のアコースティックピアノはもちろん十分に堪能できます。こうしたいろんなジャンルの音の中できらきらと輝くピアノの音にあらためてすごさを感じています。また、最近、パワフルな歌声で人気急上昇中の露崎春女がボーカルで参加し「BRAZILIAN RHYME (Album Mix)」を歌っています。「JACK-IN-THE-BOX」から「A LITTLE LULLABY」まで計11曲は、あっという間に聞き終えてしまって、なんだか自然にリピートボタンに手が伸びているんですね。聞いたあとの爽快感は抜群で、いうことなしです。(FUNHOUSE、FHCF-2394、3059円)
CD NEWSの掟破りになるかもしれませんが、これは2枚組みのアナログレコード(45回転の)です。僕のフェバリット・アーティスト、ピチカート・ファイヴ関連ものですので、ちょっと大目にみていただきたい、と思うのでございますm(_ _)m。収録曲は1枚目のA面が「世界は1分間に45回転で廻っている」(ピチカート・ファイヴ)、B面は「CHARLATAN」(aprill march)、2枚目のA面は「MIGNONETTE」(aprill march)、B面は「私の人生、人生の夏」(ピチカート・ファイヴ)といった具合に双方クロスしながらA面となっています。よく考えればそれぞれ別々で出せば、「世界は1分間に45回転で廻っている/私の人生、人生の夏」(ピチカート・ファイヴ)、「MIGNONETTE/CHARLATAN」(aprill march)ときれいにいくはずなのに、このクロス編成、たぶん小西康陽くんあたりが考えたのでしょうが、おもしろいですねえ。その昔、大滝詠一さんのプロモーション用のレコードの裏面がチャカ・カーンであって、今や貴重盤になっているのを思い出させました。
ところで現在アナログプレーヤー、ちゃんと動くのを持っている家庭は日本国内でいったいどのくらいあるのでしょうか。アナログプレーヤーそのものを家電ショップのオーディオコーナーで見かけなくなって久しいですからかなり少ないでしょうね。わが家には、現役の古いステレオになんとアナログプレーヤーが付いておりまして、いざとなれば動きます。アナログレコードからデジタルのコンパクト・ディスク(CD)移行の過渡期に購入したからです。ずいぶん長いこと活躍しています。さて、このレコード購入を契機に、どうしてもアナログプレーヤーほしい人は、これは電気街に行くしかないと思います。日本コロムビアからは昔懐かしいポータブルプレーヤーもそういえば再発売していました。1万円プラスアルファくらいの値段だったように思います。
しかし、このピチカートのレコード見て気が付いたのですが、プレスしたのはアメリカ。どうも国内ではアナログレコードのプレスはすでに行っていないようなのです。アメリカではこれだけデジタルが普及していてもしっかりアナログでレコード作っているところがあるんですねえ。文明の懐の深さが違うのでしょうか。(日本コロムビア、 COKA-10/11、2039円=注・2枚組みセットアナログレコード)
CD NEWS掟破りついでに「演歌」を一枚紹介します。形態模写では美川憲一や千昌夫を演じたら天下一品のコロッケが演歌歌手の瑞ゆかりとデュエットしているのが、この曲「でもネ かもネ…夢の中」。コロッケの歌い方がなんだか誰かに似ているなあーと思ってクレジットを見ていたら疑問が解けました。作曲のところに「五木ひろし」とあります。そっくりなんだもん。ひょっとして本当は五木ひろしが予定されていたのを急きょコロッケが代役で歌ったのでは思うほど。コロッケの歌はなかなかのものです、さすがに芸で数多くの歌をこなしているだけあって抜群です。特に二人が息を合わせて歌う「でもネ かもネ…」の部分思わずつり込まれて一緒に歌ってしまいました。
でも、こうして演歌のシングルCDを手にして改めて感心したのは、ちゃんとB5版大の歌詞カード封入されていて、楽譜もしっかり付いていて(昔の45回転アナログレコード時代の多くのドーナッツ盤の歌詞カードはほとんどがそうだった)カラオケでいつでも歌えるように心憎いサービスがしている点。これに比べると邦楽ポップなんてデザインに走り過ぎてユーザーのこと(カラオケで歌いたい人もいるのです)なにも考えていないのでは、と思えます。歌詞カード一枚入れるのがどのくらいのコストになるのか知りませんが、このくらいのサービスはやってほしいと思いますねえ。ちなみにこのシングルCD「おくれ花」という瑞ゆかりの単独曲もついてその上、各曲ともしっかりカラオケ付きで計4曲が収まっているのです。カラオケには「でもネ かもネ…夢の中」<音域B〜E♭>のようにしっかり「音域」まで印刷しています。至れり尽せりですね。ふだんはあんまり機会がなくてたまたま手にした演歌シングルですが、うらやましい点がたくさんあるではないですか。レコードメーカーの皆さん御一考をよろしくお願いします。(徳間ジャパン・コミュニケーションズ、TKDA-71190、1020円)
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筆者/copy right=フルタマコト cdnewsjp@yahoo.co.jp