CD NEWS 5月12日号

CD NEWS 5/5/96 by makoto FURUTA

  • 「夢で逢えたら」RATS&STAR

    インターネット版CD NEWSの記念すべき第1弾は、ぼくの大好きな「大滝"早くニューアルバム出してよ"詠一」のアルバムでいきましたが、今回は、大滝のカバーもの。「夢で逢えたら」のオリジナルはいったいどの歌手なのか、ナイアガラ研究者の意見の分かれるところなのです。1974年ころにアン・ルイスのためにこの曲を大滝が作ったのが始まり。ハードロック歌謡曲路線に一歩を踏み出していたアンちゃんは結局この歌を歌わず一時宙ぶらりん状態に。のちに吉田美奈子が彼女の2枚目の「フラッパー」で収録、これがヒットしました。そして往年の深夜放送ファンならよくご存じの「モコ・ビーバー・オリーブ」という女の子3人組み(キャンディーズの先祖という説あり)のうちオリーブことシリア・ポールが、1977年にアルバム「夢で逢えたら」(大滝プロデュース)でカバー。これが縁でのちにようやく大滝の念願のアンちゃんも歌うことになります。めでたし、めでたし。で、今回RATS&STARのカバーとなるのですが、ボーカルの鈴木雅之君も実はナイアガラの秘蔵っ子で前身のシャネルズデビュー前に歌っていたのをご存じでしょうか。78年の「LET'S ONDO AGAIN」という大滝の音頭もの楽曲の集大成アルバムで、竜ヶ崎宇童という名前でダウンタウン・ブギウギ・バンドのパロディー曲「禁煙音頭」という、今聞いても楽しい曲を歌っています。ねずみ年の今年復活した彼らの歌声はブランクを感じさせず、さすが。お笑いもいいけれど、これからもどんどん歌ってほしいなあ。(ソニーレコード、1500円)

  • 「THE BEST OF HUMAN SOUL<B Class Soul>」HUMAN SOUL

    シャネルズって実はソウルものでデビューしたんですね。靴墨塗って歌っていたころを思い出しました。さて、1996年、ソウルの本格的グループが解散いたします。「HUMAN SOUL」。1989年に元NANIWA EXPRESSらのメンバーによって結成されて、1991年にグラマーレコードでデビュー。関西を中心に活動を続けナニワのソウルファンにはおなじみでした。93年にフォーライフレコードに移籍してメジャーデビュー。これからますます、というところでのこの解散実に残念です。どうやらメンバーそれぞれが自信を持って次なるステップを踏み出したいよう。このCDはそんな彼等の足跡を追うのにピッタリ。テナーとファルセットのツインボーカルが美しい「DELIGHT OF LOVE」など初期の頃の作品からインディーズ時代の貴重なもの、そして最近の楽曲など計15曲が73分19秒にまとまっています。人間の声に感動するアルバムを残して去っていく。それぞれのメンバーの今後の動きを期待して見守っていこう。(フォーライフ、3000円)

  • 「little songs」沢田茅乃

    ああ、今回も大滝ものがからんでくるとつい行数をとってしまう。反省、反省。4月21日にシングル「最後の『アンチェインドメロディ』」(朝日放送系「たけしの万物総世紀」のエンディングテーマでデビューしたばかりの沢田のファーストアルバム。遊佐未森、鈴木祥子などのアーティストが好きな人にはおすすめの新人です。おしつけがましくない歌詞、どこかなつかしいような、なじみのある曲。そして何よりも決して退屈でない、ゆったりとした時間の流れの中でじっくりとスピーカーからのボーカルに耳を貸していたい、そんな気分にさせる久々の『聞ける』女性アーティストの登場です。たぶん一度聞いた人の心をすぐにとらえてしまう魅力がこの20歳の女の子にはあるのだろう。(ダブル・オーレコード、2800円)


    次号、Coming SOON


    <反省>いやー、ホンマ大変ですわ。ホームページの作者の皆さんよーやってはります。今回も字ばっかり。慣れないものでもう少し待ってね。何しろパソコンというのは金喰い虫。写真の取り込みってマウスで写真なぞっただけでは画面に入らないのね。ああーなんぎやな。まあ、しばらく待たれい! レコード会社のO.K.が取れ、お金ができたら(さらに写真の取り込み方をちょっくら勉強して)いつでも写真入れますから。

    <今週の格言>けふも無事できたかCD NEWS

    筆者/copy right=フルタマコト

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