毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=1999年01月16日午後00時25分
Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp
◎☆☆☆☆☆「home」川村結花
昨年から時々取り上げては、気になっているアーティストの一人がこの川村結花です。彼女の提供する楽曲はSMAPなどで多くの人におなじみですが、ひどく心揺さぶられるものがあります。曲そのものは大変おとなしめ、いやむしろ地味と言ってもいいかもしれません。なのに、一度聞いたら気になってしかたがありません。この魅力はいったいなんでしょう。
昨年暮れにリリースされたこのシングル「home」も何度もリピートし過ぎてCDはすっかり銀色になってしまった(って元々CDは銀色か)一枚。落ち着いたヴォーカルが魅力かなと思っていましたが、ようやく彼女の生み出す歌詞そのものに大きな魅力があることに気がつきました。
一日中歩き回って、あるいは一日中働き詰めで大変な日常生活に追われて家路にたどる主人公が出てきます。でもそこには非常に心地よいパートナーが待っていてくれます。「home」。『寂しい時、寂しいって言っていいのかな?』『ダメな時、ダメな顔見せていいのかな?』ーーそんななにげない会話でも、言葉の持つ重みをじっくり考えてしまいます。非常に分かりやすい言葉なのに、彼女の問いは胸にズシンと響きます。
日常生活のサイクルがどんどん早くなって、僕らはこういう生活にすっかり慣らされてしまって、少しでもそれを乱すような人がいたら不快に思ったり、憎んだり…、いやはや、いったい何をしているんでしょう。いろんな早さがあることやいろんな生き方があることをお互いに認めあうことを、今一度冷静に考え直さなくてはいけないような気がしてなりません。なんでも早いものや声の大きいものだけを善しとするような風潮でいいのでしょうか。そうしたものに振り回されている生活はそろそろ考え直した方がよい時期なのかもしれません。
川村の描く世界には、非常に優しくて温かい心の持ち主である主人公が出てきます。それを受け止めるもう一人の主人公(たぶん、彼女の分身)が、それにも増して温かい心だからこそ、聞くものをしてしばし感動に包まれウッとくる瞬間をつくり出すのだと思います。
非常に現実的な生活を描いている中で彼女の歌詞には夢があります。みんなそうなってくれよ、という願望なのかもしれません。それもそんなにむずかしくないはずです。ほんのすこし、お互いを思いやる気持ちがあるだけで疲れがたまっていく一方の人生がずいぶん軽くなり、日常のストレスから解放されます。川村の提案はそれほどむずかしいことではないのに、彼女の描く世界が夢のように感じてしまうことのほうが現実社会が大きく歪んでいる証拠なんでしょうね。
『「お帰り」の一言がお互いのお守りでありますように』、って祈るヒロインの気持ちが痛いほど分かります。「声をたてず泣くことに慣れないように」ーー僕らは些細なことと感じるかもしれませんが、少しでもいいから変革していかなくてはならないのかもしれません。
(Epic、ESDBー3889、816円)
◎☆☆☆☆「A Song for XX」浜崎あゆみ
女子高校生の間で圧倒的に人気のある浜崎あゆみの待望のアルバムです。デビュー曲の「poker face」(1998年4月)、セカンド「YOU」(1998年6月)、サード「Trust」(1998年8月)、フォース「For My Dear」(1998年10月)そして先月リリースしたばかりの「Depend on you」まですべてが収録されているから、ちょっと浜崎が気になる人には非常にタイムリーでよい入門アルバムといえそうです。
36ページのライナーノーツ兼歌詞カードの最後のページには「20年前に生まれて、今現在までのいろいろカオをもった、裸のAYUがここに収録されています」と浜崎の自筆で印刷されています。そうか、全部入ってんだ、そう思って聞くと16曲は物語を含んだラブソングになっています。でも本当に20年の浜崎が全部入っているかといえば、それは少し無理があるだろう。今回は提供された詞によるCDとなっていますが、作詞にも挑戦しているので、そのうち浜崎作詞による楽曲も誕生するだろう。そこからが本当のはじまりのような気がします。
じゃあ、これはどんなアルバムかっていうと、浜崎演じる浜崎20年の「あゆみ」って位置付けかな? 顔見せとしては絶好の一枚です。「どんな時にも正直にいたい」が彼女のポリシーなので嘘は書けそうもない。意外な作品が生まれてきそうで期待しています。
ルックスは流行に敏感な女子高校生が認めるだけあって、抜群。瞳パッチリでなにかあまりも整い過ぎていて破たんのない点が気になります。ちょっとどこか愛嬌が…と思ってしまうのは、へそ曲がりのせい。めちゃくちゃ歌がうまくないところが親しみを感じるけれど。
(エイベックス、AVCDー11691、3059円)
◎☆☆☆☆☆「 風が吹いてゆくように」区麗情
区麗情(Ku Reijo)は、1971年東京で生まれの中国系クォーターです。父親のレコードコレクションを中学時代から聞き出して、コニー・フランシスやニール・セダカなど1950年代から60年代アメリカンポップスのファンになったそうです。このあたりずいぶんナイアガラーに通じそうです。ひょっとしてお父さんはナイアガラーかもしれません。
高校に入って引っ込み思案の性格を直そうと始めたヴォイストレーニング(それにしてもずいぶん思いきった直し方ですねえ)で歌に目覚めて1993年にデビューしています。今回が通算7枚目のアルバムで初めてすべて彼女が作詞作曲をこなしました(一部共作あり)。
実にのびやかな声とめりはりある発音で一度聞くとかなりの印象が残ります。全体にアコースティックな曲が集まったようですが、彼女の歌声を十分楽しむならこの方がシンプルでベストなのかもしれません。オーソドックスなメロディーと歌詞が、逆に新鮮なインパクトをリスナーに与えそう。「Family Tree」のような家族や先祖、自然そのものまで広がっていく、というスケールの大きな歌があります。どうしてすべての小さな芽を大切にしなければならないのか、さりげなく彼女は教えてくれます。計10曲の中には聞いているうちにいつのまにか非常に心穏やかになっていくような素敵な楽曲があります。また元気がほしい人にも最適の一枚で温かい日射しの中で、さわやかな一陣の風が吹き込んでくるようです。
(SME、SRCLー4419、3059円)
<反省>今年に入ってアップロードが2週続けて遅れ気味だったので思いきって今回はいつもより一日早くの発行です。やればできるんだ、ちょっとうれしい。
僕がiMacのユーザーであることを知っている人は、非常にうれしそうに「今度新しいiMacが出て、今の発売分(Rev.B)の値段が5万円下がりますね」ときいてきます。そういう時はサービスでいかにも悔しそうに「くっそう」と言えば喜んでいただけるのかも(笑い)しれません。でも残念ながら、僕は、彼らが期待するほどショックを受けていません。以前、相当なお金を出して(結構、清水の舞台ダイビング的覚悟と決断で)購入したMacintoshが、なんと一年もしないうちに半額になったことなどから計算すれば、昨年夏にリリースされたiMacですから値段が下がるのは当然と思っています。計算するとこのくらいの下がり方はむしろリーズナブルです。
ただ問題は、これまでのパソコンのように徐々に下がらずに、ある日突然気が付けば一気に下げるやり方です。時間が経つごとに下がるなら、いつ買えばよいのかなどの目安になるんですがね。今回の値下げもiMac Mailing Listを拝見していると、発表前日に17万8000円で購入されている方がいらっしゃるのですね。大変気の毒です。一夜にして同じ製品が5万円も値下がりするのですから。或る日突然はトワ・エ・モアだけにしてほしいものです。
ただ忘れて欲しくないのは、今回の値下がりや次期マシンのリリースが可能なのは、多くのiMacユーザーが先行投資したからです。この熱心なユーザーがいたからこそ色も一挙に5色に増えて(トランスルーセントの流行を作ったボンダイブルーは姿を消します。稀少価値? ボンダイを入れると6色)広がりを持つのです。おそらくパソコンをこんなにファッショナブルにしたiMacはさらに大きなブームを呼ぶことになるでしょう。
新しいiMacはスペックも新しくなるので、現在店頭にあるRev.BのiMacは在庫一掃という意味合いもあるんでしょう。今パソコンを買おうと思う人にとっては実にお買い得なマシンになります。なにしろ、中古のG3上位機種を除くほとんどのMacintoshより早くて安い価格なんですから、もしCD NEWSERが12万8000円のiMacを運良く見つけたら僕は即ゲットをおすすめします。
まもなく1月17日午前5時46分がやってきます。阪神大震災、合掌。
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<今週の一句>iMac 値下がりしても iMac(mako-rin詠める)
筆者/copy right=フルタマコト
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