CD NEWS01月24日号

毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=1999年01月26日午前00時35分


Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp

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◎☆☆☆☆「RUNNERS HIGH」the pillows

 ブレイク寸前のバンドってなんか得体の知れないパワーを感じます。UKテイストなサウンド、とてもシニカルでマニア受けもしそうな歌詞など、とても面白いところだらけのthe pillowsにもそんな独特の雰囲気を感じます。

 新しいアルバム「RUNNERS HIGH」は、目が血走ったウサギのイラスト(ウサギだろうな?、たぶん)でおなじみ。走った後に起きる爽快な快感、ランナーズ・ハイの状態なんだろうか、それともthe pillowsのサウンドに触れて思わずバンザイなんだろうか。いずれにしろこのウサギの意味するところはまんざら嘘ではない。タイトル曲「RUNNERS HIGH」を聞きながらこのイラストを眺めると大変楽しくなってくる。いつのまにか駆け抜けた先で拍手に迎えられてしまう。もっと駆け抜けていきたい気分なのに。

 10年やってきた中堅バンド。歌詞もサウンドも実に真面目そのもの。それはCDNEWS1999年1月3日号でも紹介したシングル「インスタント・ミュージック」一曲聞けば分かると思います。世界中にあふれてしまったインスタント・ミュージックによって溺れかけている子どもたちを果たして彼らが救い出すことができるのか、これは期待してみるしかない。この楽曲を聞いてしまうと、どういうわけか先になかなか進めない。リピートをかけてしまうから。山中さわおの歌詞のビビッドさ、ギターとのハモり、どれも気持ちよいくらい楽しい。周囲に隣人が居なければ、思いっきり大音量で聞いてみたい。風邪のウイルスも退散するかもしれない。

 ところで歌詞の載ったライナーノーツのイラストのキャラクター、「空(KUU)」は白熊か?、飛び出ているのは尻尾か、どうでもいいけれど大変気になるのです。

 (キング、KICSー710、3059円)


◎☆☆☆☆「I wish」広瀬香美

  広瀬香美のこの時期のシングルといえば、アルペンのCMソングしかありません。予想通りやっぱりその通り。ひと冬に2作のタイアップはなんと3年連続ということです。ミディアムテンポのバラード曲「I wish」は、これから未来に向かって二人で幸せに生きていこうね、っていう冬にしてはアツアツの楽曲。窓の外の雪も二人の熱気で融けてしまいそうです。

 カップリング曲「R.P.Genius」は、これまでの広瀬の雰囲気とは一風異なっています。曲調そのものはアイリッシュ・トラッドに近いとか。ちょっと懐かしい感じがしますね。詞は、コーラス部分が多重録音ながら、凝ったつくりになっていて、一人コンピュータゲームに向かう子どもに(あるいは大人に)、さりげなく呼び掛けています。その声が届くかどうかは分かりませんが、ゲームも現実の人生も行く先々に結構、困難が待ち構えていることを暗示しています。

 バーチャルであろうが現実であろうが、前向きに考える人にとってはいずれも簡単なものではないようです。だからこそ、おもしろいともいえるのですが…。でも白か黒かっていうような単純な選びかたはなかなかできないようです。ゲームだって最近のR.P.G.ものは実に幅広い選択ができるようになっていて少し前のファミコン時代のように右か左なんていうような二者択一的なものは少ないようですよ、香美さん。それを思うと、本物の人生の方こそ選択肢が少なくなってきているように感じます。もっといろんな生き方があるはずなのにね。みんなが間違いのないようにと安全策からか、周りの人と同じような生き方をしようとするあまり、気が付けば多くの人が画一化したものを求めたりするようになりつつあります。一つの基準から異なることがさも悪いことのように教えられている現状は今一度問い直されるべき時だと思います。互いに異なることに価値が見い出し、尊重されていくことの方がこれからはより大切な価値基準になっていくように感じます。ゲームだけでなく将来の生き方をも考えさせられる一曲。

 (ビクター、VIDLー30393、1020円)


◎☆☆☆☆「明日の向こう」After me

 そして最後は、僕の大好きなほのぼのサウンドです。1999年1月1日という大変めでたい日にメジャーデビューしたバンドがAfter meです。

 今月30日にはアルバム「After me」をリリースします。プロデューサーは高浪敬太郎で、彼ならこのエヴァーグリーンな雰囲気を思う存分聞かせてくれるはずです。

 「君に逢いたい」という素直な思いを、ちょっと時間が経過しているものの、勇気を振るってもう一度逢いたいというなんだか、もどかしい、けれどもなんだかとっても甘酸っぱいなつかしい感じを歌います。もう、さっさと逢えばいいのにじれったい…なんて思ってしまうのは、こちらが年をとったせいなのかなぁ。でも、この青春の非常にもどかしい感じがうまく表現されていて共感を持ちます。

 カップリング「always always」はとてもユーモアたっぷりの楽曲で気に入っています。忙しすぎてドアを開けたら倒れ込むような生活。気が付けばすぐに朝がきてまた一日が始まる。この生活を変えてくれるのは君しかいないはず。そのことに気付かず、また同じ生活を続けている生真面目なそれでいてちょっと抜けている好感のもてる主人公、なんとかしてあげてほしい。なんだか続編もありそうな曲で期待して次作を待とう。

 (日本コロムビア、CODAー50025、1050円)


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Coming Soon


 <反省>5色iMacこと、iCandyが国内で一斉に発売になりました。白やグレイ、黒こそがパソコンの色という時代は終焉を告げたようです。家庭内に入ってくるパソコンは本来、こうしてユーザーが好きな色を選べるべきです。ユーザーが望む色がオーダーできてこそ、初めて「パーソナルコンピュータ」と呼べるのです。この当たり前のことをいとも簡単に最初にやってくれたMacintoshは、同じ日(1月24日)誕生から15周年を迎えました。

 使いやすいOS、使っていて気持ちの良いデザイン、持っていることがちょっぴり誇らしいそんなパソコンをこれからもプロダクトし続けてほしい、と思うのはきっと僕だけではないと思います。iMac登場後、Macの導き出す未来に期待を持つ人が一気に増えたことは大変素晴らしいことだと思います。これまでの数やシェアが多ければ正しい、この世の中はなんでもできる、なんていう誤った考えはいいかげんにしてほしいと思います。もしそんな考えに取り憑かれた人は、今一度このiMacを曇りのない目で眺めて、触ってほしいと思います。

 「悪貨は良貨を駆逐する」ということわざがあります。当分、駆逐されることはないにしても、良貨がますますOSやハードに磨きをかけて使いやすいものになっていることを、一度試されてみてはいかがでしょう。Macを生み出すこの会社こそは、この業界で唯一、OSもハードも自らがプロダクトしている会社なのです。OSのすべてが分かる人たちがその良さを100%引き出しているのです。何度も言いますが、数が多いことが良いことではないのです。大事なのは、あなたが実際に触れて感じたこと、それこそがすべてなのです。


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<今週の一句>iMac  色が増えたら iCandy(mako-rin詠める)
iCandy カラフル楽し もう一台(ほしいなあ、とmako-rin詠める)

筆者/copy right=フルタマコト
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