毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時＝１９９８年０１月１８日午後０９時４５分
Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp
◎「８番目の罪」Iceman
先週、西川"T.M.R."貴教と浅倉大介の再発シングルを紹介したら、浅倉の現在活動しているユニットIcemanについてもぜひ書いてって、近くの中学生がリクエストするし、僕も嫌いじゃないので、さっそく紹介します。手元のシングル情報を見ると「８番目の罪」は１１月２１日発売ですので、結構最近のCDと思いますが、どんなもんでしょうか。
いきなりドライブ感の強いイントロで、すぐさま大介サウンドに持っていくところがなかなか強引なのですが、そのうまさは“さすが”です。同じシングルに収録されているインストルメンタルバージョンを聞くと新しい大介サウンドの魅力がよくわかります。息をもつかせないほど畳み掛けるようなテクノサウンドに酔ってしまいそうです。
カップリングは「GALAXY GANG」。これはテクノサイバーと呼んでいる彼等の作りだす世界がかなりのリアリティーを持って迫ってきています。そうバーチャルリアリティーあふれる世界ですが、後半のさりげないコーラス部分で一気に人間の持つ温かみが感じてホッとすると同時に、このシングルがとても気に入りました。浅倉のアレンジにまた一つ奥行きが出た感じで次回作も楽しみです。（Epic/Sony、ESDB-３８０７、１０２０円）
◎「GROW」貴水博之
さて、浅倉君のユニットを紹介すれば、当然１９９２年に浅倉と一緒にユニット「access」を結成し活動していた貴水博之君もチェックしておかねば、手抜かりがあるってもんです。
access解散後、浅倉はまっすぐテクノ街道一筋（これがこの人のよいところ）に走っていますが、貴水は、「access」の元ヴォーカリストらしく、人間の声を最大限に生かしたグルーヴ感あふれる曲づくりに挑戦しています。ソロファースト「SUN」、セカンド「WALL」に続く３枚目のアルバムが「GROW」。なんとなく物語性のあるタイトルですが、その時期の貴水の心を映す鏡のようです。『太陽』の子のようにポジティヴにまっすぐ歩いているかと思えば、突然『壁』にあたってもがき苦しみ、ようやく混迷から抜けだし、『育つ』という感じ。非常に分かりやすいタイトルで、次に来るべき題名もなんだか類推できそうですね。
恋愛に関係する曲が多くて、ラブラブ二人歩きの何が起こっても楽しい時（イケてるモード）から、ブラブラ一人歩きの失恋しまくり（イケてないモード）まで、まあ、実にその時々の状況を正直に歌っているわけで、“貴水版恋の奇跡”っていったところ。タイトル曲「GROW」も、失恋の歌で、なんだかフラレて、ひと皮むけたって雰囲気。近藤マッチ なら「ふられてバンザイ」状態かな。失恋は人を成長させる？ 悲しい歌ながら、前を向いて歩いている姿が好感度アップものです。（FUNHOUSE、FHCFー２４０４、３０５９円）
◎「Mirror Mirror」浅田祐介
男の子は、女の子より鏡を見る時間が少ないからもっと鏡で自分の顔見れば、というような歌ですけれど。あれ、そうかな、僕はわりと見ていますよ。髭が伸びすぎていないかな、鼻毛は大丈夫かナとか結構チェックをしていますが。髭を剃る時だってめっちゃ真剣ににらめっこしながら剃ってます。いつも切ってますけれど。ああ、そういう意味ではないのですねえ。
「鏡に映った顔は泣いててもすでに過去なんだよね」って、浅田は言います。リアルタイムで見ているんだけれど、第三者的に見られるようになったら、浅田の言うようにもう過去の自分を覗いているのかもしれません。現実なんだけれど、どこかバーチャルリアリティーに通じる部分を鏡は持ち備えているように感じます。ワンテンポ遅れているって感じかな。
僕はなんで左右が逆に映るのか今なお理解できないのです。確か中学生の理科の時に習いましたが…。左右逆なら天地も逆でもいいような気もするのですが、そう思いません？ 何もかも逆でないのがなんだか中途半端な気がしますねえ。この居心地悪さと妙に安心させる心地良さが同居している部分が鏡の持つ最大の利点かもしれません。
最近の若い人はみんなおしゃれなのできっと鏡の前の滞在時間は少しは長くなっているんだと思いますが、一般的には、あんまり男性は見ないようですねえ。トイレに入ってじっくり鏡を見ている人はやっぱり若い人の方が多いようですけれど。男性用のコンパクトを今流行のPDAに付けて売れば結構若い人を中心にヒットしたりしてね。「三角縁神獣鏡」の時代から鏡はやっぱり不思議な魅力を持っています。どちらかといえば、女性が歌った方がキュートな曲を浅田が歌っているところが、このシングルのおもしろさでしょう。（FOR LIFE 、FLDF-１６４９、１０２０円)
＜反省＞１月１７日がまたやってきました。関西では阪神大震災の記憶を忘れないよう（忘れようと思ってもあの日は忘れることはできない）心がけている人達が多いのですが、全国的にみるとそうでもなさそうなのが、気になります。それに被災者に対して、国が冷淡なのも被災直後からずっと変わっていません。政権が変わっても、被災者にとっては何も変わらなかったようです。肉親や家、働き場所を奪ったのは天災としても、何もしない、公的援助すらまともにできない現在の状態はもはや人災といえるかもしれません。
１３年ぶりに新曲を出した大滝さん。１９９８年１月１２日の新年の挨拶でなんと、再び『冬眠モード』宣言をされたようです。でも、２１世紀になれば、 DJイーチ・オータキが戻ってきますから、しばらく待ってみましょうか。１２年と比べたらわずか３年ほどだもん。
風邪ひいてしまいました。花粉症もあって年中風邪ひいているようなもんですけれど、頭が痛いわ、鼻水は出るわ、風邪薬効きすぎて眠いわ、目玉乾くわ、原稿の締め切り迫ってくるわ、遊びたいわ、もーたいへん。
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＜今週の一句＞風邪ひいて のどを腫らして 森進のまね（mako-rin詠める）
筆者／copy right=フルタマコト
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