毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=2001年02月01日午前02時00分
Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp
◎☆☆☆☆☆「Tin Pan」Tin Pan
■01. Fujiyama Mama フジヤマ・ママ
■02. Queer Notions クゥイア・ノーションズ
■03. Starlight Strut 星空のストラット
■04. Flying Pick Blues フライング・ピック・ブルース
■05. Bon Temps Rouler ボン・トン・ルーレー
■06. Been Beat ビーン・ビート
■07. Travellin' Mood トラヴェリン・ムード
■08. 76 Tears 76の涙
■09. Soylent Green ソイレント・グリーン
■10. Flowers フラワーズ
■11. Hand Clapping Rhumba 2000 ハンド・クラッピング・ルンバ 2000
■12. Growth グロウス
このアルバムは昨年末にリリースされたものですが、「ティン・ パン」と聞いてゾクゾクした人は、やっぱりかなりの音楽好きでしょうね。しかも懐かしい響きさえありますねえ。そう、細野晴臣、鈴木茂、林立夫、松任谷正隆のTin Pan Alleyの復活です。
正確にはTin Pan Alleyのうち、松任谷正隆(最近、今田耕二とコントやっている人ね。車番組CG TVにも出ています)がいなくて「Tin Pan」として(そうすると、松任谷正隆は一人でAlleyということになるのか。うん? えーとっうことは、 Panが林立夫で、Tinが鈴木茂、この理論が正しければ、イノシシおみちゃ
んこと細野さんはいったいなんなんでしょうね)。キャラメルママという名称もありますし、このあたりしっかりした検証が必要です。
さて、Tin Pan Alleyとしては、1975年の「キャラメル・ママ」(日本クラウン、CDCP-134、1500円)、1977年の「キャラメル・ママ2」(日本クラウン、CDCP-135、1500円)以来の作品ですから23年ぶり。お待たせというにもほどがありますが、これはやっぱり「大歓迎」の幟を揚げなくてはなりません。
当然、例の大きな滝方面の方も、今年はきっとゴソゴソ起き出すに違いありませんから、その前哨戦ともいえそうです。で、やっぱりナイアガラーは、このCD必携盤ですね。
そう、11曲目の「Hand Clapping Rhumba 2000」です。誰もが知っている(たぶん)あの「Niagara Moon」(最高!Sony Records、SRCL-3216、1500円、オリジナルレコードは1975年リリース)に収録されたA面の5曲目(ちゅうてもCDなら皆A面か)「ハンドクラッピング・ルンバ」から実に25年ぶり。もうほとんど感動的な再現です。
ヴォーカルは、忌野清志郎、そしてコーラスは大瀧詠一という感涙の豪華版。じっくり聞くとセリフ出演もEach大瀧がやっています。このあたりの綿密な役割分担がファン泣かせでございます。こちらの方が風呂が出てきたりしているので、ドレッサー(アン・ルイス!)の必然性が感じられます。エンディングもしっかり細野さんのヴォーカルが入っていますし、もう鳥肌立ってしまってしばらく何もできませんでした。
他にも大貫妙子、久保田麻琴、小坂忠、高遠彩子、高野寛、デヴィッド・ドゥーブ、中村一義、矢野顕子、吉田美奈子というこの顔ぶれ。20世紀を締めくくるにふさわしい陣容と、その作品のクオリティーの高さがやっぱりちょっとうれしい。そうそうArt Workは、テイ・トウワですしね。
ちなみにファンの人気曲投票(2001年1月28 日午前零時24分現在)では「Queer Notions」(矢野アッコちゃんのヴォーカル)が19.1%で1位、続く2位が「Hand Clapping Rhumba 2000」と「Bon Temps Rouler」の同着で17.3%となっています。
(Victor Entertainment、RWCL-20009、3045円)
◎☆☆☆☆「コーヒー・ルンバ」井上陽水
■01. コーヒー・ルンバ
■02. 星のフラメンコ
■03. ドミノ
■04. 旅人よ
こっちもルンバです。しかも懐かしいのです。「コーヒー・ルンバ」は甘く耽美的。とってもエキゾチックな曲に子ども心に反射的にアラビアンナイトのイメージと共に「不思議な歌だなあ」と強く印象が残っていたのがこの「コーヒー・ルンバ」です。
原曲はJOSE MANZO PERRONIで、原題は「MOLIENDO CAFE」。日本では洋楽ポップスのカヴァーが大流行していた黄金の1960年代。「アカシアの雨がやむとき」のシングルを1960年4月にリリースして大ヒットを飛ばした西田佐知子(関口宏サンの奥さんね)、ザ・ピーナッツ(「かわいいピーナッツ」という曲がありました。1959年デビュー)の競作で共に1961年に発売しています(中沢清二の訳詞による「コーヒー・ルンバ」として)。ちなみに西田佐知子はこの曲「コーヒー・ルンバ」で1961年の「紅白歌合戦」に出場しています。
今回の井上陽水のカヴァーは、"西田佐知子ヴァージョン"をベースに星勝氏がアレンジしています。井上陽水が非常に気持ちよさそうに、歌っているのがわかるでしょうか。そうそう、この曲に違う訳詞をつけた「クスリ・ルンバ」なる珍品も存在するらしい、うーん聞いてみたい。
陽水本人の弁によれば、「まだコーヒーが媚薬だった時代のフンイキを21世紀にぜひ伝えておきたい」とのことからレコーディングに踏み切ったとか。
「星のフラメンコ」は、西郷"星娘イェ、イェ、イエー"輝彦(辺見エミリのパパね)の1965年の大ヒット曲。浜口庫之助の楽曲が実にポップスしています。橋幸夫の「スイムスイムスイム」、舟木一夫の「太陽にヤァ」というポップス路線志向の楽曲もありましたが、やっぱり西郷のバタ臭さにはかないません。
それにしてもシングル一曲がヒットすれば半年から一年は同じ歌ばかり歌っていても十分商売になるという実にのんびりしたいい時代だったんです。
陽水の歌声もそういう時代背景を意識してか、これまた、非常にゆったりしていていい感じ。テンポのある楽曲に慣れてしまっている僕らの耳には実に新鮮そのものです。
(フォーライフ、FLCF-3835、1223円)
◎☆☆☆☆「Cage」鬼束ちひろ
■01. Cage
■02. Ash on this road
■03. Cage(Inst.)
「Cage」はTBS系「新ウンナンの気分は上々。」エンディング・テーマ。一見静かそうな楽曲ですがが、そう思って聞くと大間違いに気が付きます。聞けば聞くほど心が揺さぶれて、もうなんだか全く落ちつけなくなってくるからです。
かごの中から遠くへ逃がしてください、と神様にお願いするわたし。「もしあなたが本当にいるなら」の条件付きで。リセットも出来ず、心の安寧を求めるものの、そうすればそうするほど、よけいにひたすら落ちつけない無限地獄に入り込んでいく不安もみてとれるようです。
そんな意味でいえば、今流行りの「癒し系」と対極をなす「逆なで系」とでもいえますでしょうか。聞けば聞くほど、頭を掻きむしる、そんな動作のリピートがさっきから続いてレビューを書くのに困っております。
鬼束ちひろは、1980年10月30日生まれの宮崎県出身で血液型はO型。
鬼束のお気に入りアーティストはアメリカのシンガーソングライター達。ジュエル、ポーラ・コール、キャロル・キング、ジョニ・ミッチェル、非常に幅広いし、新旧取り混ぜてのピックアップが楽しい。「あたしがやりたいのはみんなを圧倒する歌」というだけあって、個性的なアーティストが並びます。
「あたしは言葉からじゃないと曲が創れない」とその歌詞にも注目してほしい。その静かな落ち着いた中に隠れた燃えるような闘志がはっきりと見えます。心に突き刺さる歌詞ではないでしょうか。ちなみに4枚目のシングル「眩暈/edge」は9日に発売予定です。
(東芝EMI、TOCT-4277、1020円)
<反省>
◎で、風邪で今週も元気ないっす。寒いです。また短かめでお許しを。
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<今週の一句>かぜひいて 寝込みMac さわれない(字余りmako-rin詠める)
筆者/copy right=フルタマコト
すまぬが そこのあなた ヒマですか? おっ、ちょうど良かった !メールください!
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