CD NEWS01月30日号

毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=2000年01月30日午後03時30分


Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp

CD印の飾り棚線マーク

◎☆☆☆☆☆「GOOD NIGHT TOKYO」コモエスタ八重樫選曲&小西康陽監修

■01. VIiilla 88 /OHTA yukio & His Humming Birds
■02. Play Girl-Main Theme
■03. So Long Baby/The Mojo
■04. Lovers Shake/jackey YOSHIKAWA & His Blue Comets
■05. In The Town/MARI reiko
■06. It Happened On Saturday Night/ISHIKAWA akira
■07. Aquarious/El & Gimgin
■08. Ituka Doko Kade/HIRAYAMA miki
■09. And Now I Know/ITO yukari With The Green Ginger
■10. I Can hear You Calling/D'Swoonners
■11. Crazy Midnight/The Mojo
■12. A Lonely Summer/HIROTA mieko
■13. The World Of Yellow/J.Girls
■14. Mini Mini Girl/KANAI katsuko
■15. Louie Louie/jackey YOSHIKAWA & His Blue Comets
■16. Beyer No.91/LES JEUNES ETOILES
■17. Day Tripper/The Black Panthers
■18. Yuwakuteki Na Gogo/ISHIDA ayumi
■19. Midnight Bossa Nova/Hide & Rosanna
■20. The Dawning Of Love/ISHIKAWA akira

 「コモエスタ八重樫&小西康陽が日本コロムビア音源から1960代の名曲ヴォーカルものを選曲(全20曲)…」というキャッチに惹かれて聞いてみましたが、やっぱりこれはすごい。*********(レディメイド)レーベルの設立時からの小西くんが温めていたアイデアで、創立90周年をまもなく迎える日本コロムビアの豊富なカタログ旧音源からグルーヴィーなコンピレイションアルバムを編纂してみよう、という夢の実現CDとなっています。

 「a collection of japanese club pop music 19565-1972」のサブタイトルがあるように実に懐かしい楽曲がズラリ。発売当時、それほど枚数が出ていないために現在は高額で取り引きされています。このCDと同時に発売されている限定アナログ盤をナイアガラーはぜひチェックしてみてください。この2枚組のアナログそのものが今後はきっと貴重なものになると思います。もっともこのアルバムを手に取ろう、という人自体がかなりのマニアですから、ゲットしたらそれこそとんでもないマニアになってしまう、という構造を考えると限定数という日本コロムビアの読み方は正しいと感じます。

 収録曲が上記のように横文字になっているので分かりにくいかもしれません。当時のタイトルと日本語でもっと分かりやすく紹介すれば、

■01. ヴィラ 88/太田幸雄とハミングバーズ
■02. プレイガールメインテーマ
■03. So Long Baby/The Mojo
■04. ラヴァーズ・ソウル/ジャッキー吉川とブルーコメッツ
■05. サイケな街/万里れい子
■06. 土曜日の夜に何が起こったか/石川 晶
■07. 輝く星座(Aquarious)/El & Gimgin
■08. いつか何処かで/平山三紀
■09. And Now I Know/伊東ゆかり With The Green Ginger
■10. アイ・キャン・ヒア・ユー・コーリング/D'Swoonners
■11. クライジー・ミッドナイト/The Mojo
■12. 渚の天使/弘田三枝子
■13. 黄色の世界/J.ガールズ
■14. ミニミニガール/金井克子
■15. ルイ・ルイ/ジャッキー吉川とブルーコメッツ
■16. バイエル91番/LES JEUNES ETOILES
■17. デイ・トリッパー/The Black Panthers
■18. 誘惑的な午後/いしだあゆみ
■19. 真夜中のボサノバ/ヒデとロザンナ
■20. 恋の朝焼け/石川 晶

 こう書けば、当時が思い出されるという人も多いのでは。プレイガール(沢たまき!、東京12チャンネル!!)や金井克子に夢中だった青年もきっと多いはず。西野バレエ団懐かしいですね。大阪市内にありました。奈美悦子、原田糸子とかね。水戸黄門に出ている忍者の由美かおるってまだ駆け出しでございました。

 僕がこの中で特に胸キュンとなったのは「It Happened On Saturday Night 土曜日の夜に何が起こったか/石川晶」です。この歌はTBSラジオ(今度、分社するんですね、頑張れTBS)の土曜の夜の生放送番組「ヤングタウン東京」のテーマソングでした。僕はこの頃、土曜日の夜となると、大阪・千里のMBSラジオ「歌え!MBSヤングタウン」と東京・赤坂の「ヤングタウン東京」の二つを掛け持ちで聞いていました。なぜなら、両番組の司会の桂三枝が同じギャグやネタでつないでいるのをじっと聞きながらチェックするのがとっても楽しいというマニアックな少年だったからです。ちなみに大阪のヤンタンが土曜日の午後から夕方にかけて大阪府吹田市のMBS千里丘放送センターの第一スタジオで収録。三枝は飛行機で東京へ移動、同じ土曜日の午後10時からの生放送のためにTBSに駆け付けていたのでした。それにしても昔から人使いの荒い会社ですね、吉本興業は。石川晶の低音の声を聞いた途端タイムスリップしていろんなことを思い出してしまいました。河村静也という一青年に戻った桂三枝が現真由美夫人を両番組の中で紹介して一緒に「爪」をデュエットしたこともありましたね。ちなみに大阪の「歌え!MBSヤングタウン」のテーマソングはビーチボーイズの「スループジョンB」でした。「歌え!MBSヤングタウン」の後には、馬場こずえの「深夜営業」(大瀧詠一のテーマソングでおなじみ)もありましたね。おお懐かしい。

 石川晶(1934年11月10日生まれ)のバックでコーラス担当しているのは「アルファ・シンガーズ」とクレジットされていますが、伊集加代子(現・伊集加代)さん率いるシンガーズ・スリー+ヴォーカルショップの混合グループです。モップスの先取りになって石川晶には未発表の「月光仮面の妻だから」というハードロック調の楽曲があるそうですが、この際発表してほしいものです。

 ところで当初収録予定されていた「ストリートサンバ/泉田エミイ with 渡辺貞夫」「太陽は泣いている/いしだあゆみ」あたりもぜひ聞きたいところ。それにしてもこうした傑作が残っているところはさすがに老舗のレコード会社日本コロムビアの素晴らしいところ。倉庫で眠っているこうした貴重な音源たちが、これからも日の目を見ることができるように企画してほしい。

 (CD盤=日本コロムビア、COCP-50216、3059円)
 (アナログ盤=日本コロムビア、COJA-50217〜8、4059円)


◎☆☆☆☆☆「MIDNIGHT TOKYO」コモエスタ八重樫選曲&小西康陽監修

■01. Aquarious /GOTO yoshiko
■02. Black Nag/YASHIRO kazuo Trio
■03. Snake Hip/HINO terumasa Quintet
■04. On Any Sunday/Jake H. Conecepcion & The Sound Limited
■05. No More Than A Drop/Count Buffalo & The Jazz Rock Band
■06. 125 St.7th Ave./SUZUKI hiroshi & His Happy Cats
■07. I'm Comin' Home Baby/HIROTA mieko
■08. Snap-Shot/N.MAEDA=J.INAGAKI & The All-Stars
■09. Cinnamon And Clover/HARADA tadayuki &His Group
■10. Mostra Morena/WATANABE sadao & Brazllian Eight
■11. Windy/Count Buffalo & The Jazz Rock Band
■12. Seven Four/INOMATA takeshi Sound Limited
■13. Candy/Jake H.Concepcion & His Jet Sets
■14. Soul Tripper/IIYOSHI kaoru & The WIP
■15. Tsuiseki/TAMAKI hiroki & Jazz Friends
■16. Peter Gunn/INOMATA takeshi Quintet + 5 Brass
■17. Go Go A Go Go/N.Maeda=J.INAGAKI & The All-Stars
■18. Hakuchuu No Shugeki-Theme/HINO terumasa Quintet
■19. Jazz Rock/April Fool

 えーとこちらのキャッチコピーは、「コモエスタ八重樫&小西康陽が日本コロムビア音源から1960代の名曲INSTものを選曲(全19曲)」。予定では確か全20曲だったのですが、1曲落ちたのはいったい何? こちらもアナログ盤が限定リリースされています。

 1960-1970年代のジャズ、ブラジル、映画音楽などを中心に編纂したインストルメンタル集。日野皓正のジャズファンク、渡辺貞夫のボッサ、前田憲男=稲垣次郎のモッドジャズ。そして数曲スキャットや歌ものも収録されています。こちらの方も「GOOD NIGHT TOKYO」のように日本名タイトルで紹介すれば次のように分かりやすくなります。

■01. アクエリアス /後藤芳子
■02. ブラック・ナグ/八城一夫トリオ
■03. 東宝映画「白昼の襲撃」サウンドトラックよりスネークヒップ/日野皓正クインテット
■04. 栄光のライダー/ジェイク・コンセプションとサウンド・リミテッド
■05. 最後の一滴/Count Buffalo & The Jazz Rock Band
■06. 125通り7番街/鈴木弘とハッピー・キャッツ
■07. アイム・カミン・ホーム・ベイビー/弘田三枝子
■08. スナップ・ショット/前田憲男=稲垣次郎オールスターズ
■09. シナモン・アンド・クローヴ/原田忠幸
■10. Mostra Morena/渡辺貞夫とブラジリアン・エイト
■11. ウィンディ/Count Buffalo & The Jazz Rock Band
■12. Seven Four/猪俣 猛&サウンドリミテッド
■13. キャンディ/ジェイク・コンセプションとジェット・セット
■14. ソウル・トリッパー/飯吉馨とザ・ウィップ
■15. 追跡「ルパン対ホームズ」より/TAMAKI hiroki & Jazz Friends
■16. Peter Gunn/猪俣 猛クインテット+ 5ブラス
■17. Go Go A Go Go/前田憲男=稲垣次郎オールスターズ
■18. 東宝映画「白昼の襲撃」テーマ/日野皓正クインテット
■19. シネ・ロマン・ミュージック「エロス+虐殺」オリジナル・サウンドトラックよりジャズロック/エイプリール・フール

 実は、こちらの方もTBSラジオに縁のある人の楽曲が収録されています。「Black Nagブラック・ナグ/八城一夫トリオ」。モダン・ジャズ・ピアニストの草分けの一人、八城一夫は沢知美とTBS深夜放送「パック・イン・ミュージック」のDJ(火曜日)を担当していました。この「Black Nagブラック・ナグ(黒い荒馬)」というタイトルもこの「パック・イン・ミュージック」で公募して付けられています。昔はラジオ番組が歌のタイトルやA/B面の区別などの募集をよくやったものです。

 こちらのサブタイトルは「a collection of japanese clubjazz music 1966-1982」。5曲目の「No More Than A Drop最後の一滴」や11曲目の「Windyウィンディ」のプレイヤー名に上がっているCount Buffalo(バッファロー=野牛伯爵)とは、屈指のドラマーである石川晶の別名。

 19曲目「Jazz Rock」のエイプリール・フールとは、細野晴臣、松本隆(その後の「はっぴいえんど」に繋がります)が在籍したバンドで、イラストレーター、宇野亜喜良がバックアップしたザ・フローラルというGSが母体の5人組のグループ。プログレッシブなオルガンは柳田博義です。ナイアガラーには既におなじみのはず。

 この「MIDNIGHT TOKYO 」と「GOOD NIGHT TOKYO」の2つのアルバムは『*********(レディメイド)レーベル』でなければ、そして日本コロムビアでなければできなかった企画と敬意を表したいと思います。できればもっと未発掘の音源にもスポットライトを(大変な苦労とは思いますが)、と望みたい。ほかの老舗レコード会社でも同様の企画は可能、と思うのですが…。

 幸い『レディメイド・レーベル』は海外でも評価が高いため、日本のクラブのDJ以外にも日本のジャズ/フュージョン好きのロンドンのDJ、グループサウンズ好きのアメリカガレージロックファンにも行き渡ることでしょう。弘田三枝子を聞きながら「イカす」と騒ぎそうな彼らの姿が今から目に浮かぶようです。
 (CD盤=日本コロムビア、COCP-50219、3059円)
 (アナログ盤=日本コロムビア、COJA-50220〜50221、4059円)

◎☆☆☆☆「恋のブギ・ウギ・トレイン(Groove That Soul Mix)」ANN LEWIS

■01.恋のブギ・ウギ・トレイン
  (Groove That Soul Mix)-Japanese version
■02.WOMAN
  (MASTER OF FUNK Remix)
■03.WOMAN
  (W4M The Beautiful Experience Mix)
■04.BOOGIE WOOGIE LOVE TRAIN
  (Groove That Soul Mix)-English Version
■05.恋のブギ・ウギ・トレイン
  (Groove That Soul Mix)-Japanese Version,Radio Edition
■06.WOMAN
  (W4M The Beautiful Experience Mix)-Back Track
■07.BOOGIE WOOGIE LOVE TRAIN
  (GrooveThatSoulMix)-Back Track

 コモエスタ八重樫&小西康陽のモンドな2枚を紹介したら、とんでもない行数を費やしてしまいました。実はこの「恋のブギ・ウギ・トレイン(Groove That Soul Mix)」もいろいろ書きたかったのですが、要点整理方式でいきましょう。

 1、4、5、7曲目のリミックスは、Satoshi Hidaka From GTS(GTSは、ハウス系プロデューサーズユニット)。というわけでこちらもクラブに縁があります。「恋のブギ・ウギ・トレイン」の日本語詞版(Main、Remix & Radio Edition)、英語歌詞版(Main Remix)、Back Trackの4バージョンを収録されています。

 このシングルがリリースされた1979年といえば8月5日に、アメリカン・ポップスのフレーバーたっぷりのアルバム「PINK PUSSY CAT」が山下達郎のプロデュースで世の中に登場しています。そして、この年の12月20日にリリースされたのが、このシングル「恋のブギ・ウギ・トレイン」。作詞は吉田美奈子で、作曲が山下達郎、プロデュースには山下達郎、という今考えると豪華陣です。1970年代のソウルテイストいっぱいのメロディーとアレンジが当時も話題になりました。

 20年の歳月を経て蘇った「恋のブギ・ウギ・トレイン」は、アン・ルイスのオリジナルのヴォーカル・トラックと、山下達郎や吉田美奈子が参加しているオリジナルのコーラス・トラックを使用しています。

 カップリングには、これもまたアンちゃんのバラード名曲「WOMAN」のリミックスを2バージョン収録。リミキサーにはMasters Of FunkとYamaki。オリジナルのロッカーバラードなサウンドとは違った雰囲気になっているところに御注目を。

 そういえば、ここんところアンちゃん周辺は大変静かになっておりましたから、ちょっとこのあたりでひと暴れしていただきたいな、とファンの一人として思うわけです。そのための起爆剤にこのリミックス盤がなればいいな、と。ついでに「髪に栄養を〜」の方の作者にもこの際ぜひひと暴れしてほしい、ま、かように思う今日この頃のmako-rinでございます。

 (Victor Entertainment、VICL-35104、1260円)


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Coming Soon


<反省>
◎【訂正】先週の北九州放浪記で、フクを食べた場所を「下関」と勘違いした<今週の一句>を紹介しておりますが、フクを食べた場所に限れば正しくは「門司」でございます。でも俳句ですから、気分はすでに下関に飛んでいた、というような解釈もできます。二日酔いだったなんて言い訳はしません。自慢じゃないが、素面でも方向音痴なのでこのくらいの間違いはします。自信を持って逆方向を歩いたことは何回あったことでしょう。でも俳句は文学ですから…、もぅ、ええか、ご、ごめんなさい。下関、門司周辺の皆さんを中心におわびして訂正申し上げます。

◎今年初の日曜更新予定日に間に合った「CD NEWS」をお届けできることを素直に喜びたい。ここんところ2000年に入ってからもバタバタしていて、ずっと日曜日に間に合わず、落ち込んでいたのですが、ようやく日曜日中にアップすることができました。うれしい、感動しております。これで誰からもおとがめを受けることなく楽しい月曜日、火曜日を迎えることができる! 胸張って歩ける。サイコー。

◎友人、知人のMacの不調に相次いで遭遇していますが、共通点として「Macは好きだけれどシステムとかMacそのものの勉強はあんまりしていない」という点がみられます。いざとなれば友だちが診てくれるので大丈夫、という安心感でしょうが、できればもう少しMacのお勉強もしてほしいところ。Macって勉強すればよけいに好きになる不思議なやつなんですよ。たいていはノートン先生が最後にお出ましになって直してくれたり救出してくれるのですが、「直った」という感激が冷めないうちに、ちょっとMacの勉強を始めてみませんか?

◎実は、「MIDNIGHT TOKYO 」と「GOOD NIGHT TOKYO」の2つのアルバムはレディメイド・レーベルの2部作と思われるでしょう。でもレディメイド・レーベルはそんなに甘いもんじゃない、正しくは3部作で、もう一つ「岡崎広志とスターゲイザーズ」(日本コロムビア、COCP-50222、3059円)(アナログ盤は日本コロムビア、COJA-50223〜50224、4059円)というのがあるんですね。分量があまりにも多くなるので、これはまた次の機会に御紹介いたします。

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<今週の一句>だいじょうぶ Duo部品札幌でget と友が言い(mako-rin詠める)

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