毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=1998年04月07日午前00時50分
Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp
◎☆☆☆☆☆「わたしの子供になりなさい」中島みゆき
中島みゆきお姉さまのニューアルバムは、1996年10月リリースの「パラダイス・カフェ」(ポニーキャニオン、PCCAー01000)以来1年半ぶりで通算25枚目となります。
タイトル曲「わたしの子供になりなさい」は意欲作。男にはいろいろつらいことがあります。そんな時は本当は何も言わず黙って抱いていてほしいものです。このあたりの心理さすがみゆきお姉さまはしっかと心得ていらっしゃいます。でもね、本当は男に限らず女だってつらい時は黙って肩を委ね、目からはらはらと心の汗を流していたいのです。人間ですもんね。このあたりはみゆきお姉さまは「男には女より泣きたいことが多いから」と解釈されています。この解釈多少無理があります。でも歌詞ですもん堅いこと言いませんし、男女の区別なんてどうだっていいことだと思います。でも本当のテーマはこのあたりにあるんではなくて、「愛だとか恋だとかむずかしくいわないで、私の子供になりなさい」というすべてを許して受け入れてくれる究極の愛=人間としてのあたたかさですね。体をあたためあうというのは実に尊いことです。男女の関係にすぐに連想しがちですが、体をあたためあうというのは、これはやっぱり人間と人間の原初的で、すべてを受け入れてくれる大きな愛の前提を感じます。いつの間にやら、みゆきお姉さまは、慈悲深いシスターにおなりになっていらっしゃいました。ありがたい歌です。
と一瞬、油断していると2曲目「下町の上、山の手の下」でいきなり『おきゃんな』みゆきお姉さまに戻るのだから、リスナーはびっくりしてしまいます。そうそう、このあたりの七変化は中島みゆきの得意技でございました。いつのまにやら愛を含めた人生の求道者になりつつあるような感じがしますが、中島みゆきは中島みゆきでいつまでもあリ続けてほしいと思います、あり続けてますが念のため。
ペルーの事件を題材にした「4.2.3.」は、この日本という国の危うさを的確に表現している歌だと思います。あの日、僕も宿泊明けのぼんやりした頭が、リアルタイムにペルーから送られてくる映像とスピーカーから流れる銃声で一気に覚まされました。そうあの日、午前5時半からの映像に釘付けになると同時に何か割り切れないものをリポーターたちの伝えてくる音声に強く感じていました。「日本人人質全員無事解放」のために自らを犠牲にして戦い、亡くなっていったペルーの勇気ある人たちや悲しみに暮れるその家族のことを全く無視していたリポーターたち。「慌てた時に 人は正体を顕わすね」とみゆきお姉さまは言います。そうはいうものの、不愉快なものは僕の中にもあるようです。ニュースを伝えていく時に何か基本的なことで欠落しているものが自分の中にもあるのではないか、と今反省をしつつ、非常に憂鬱な気分になって考えています。(ポニーキャニオン、PCCAー01191、3059円)
◎☆☆☆☆☆「大丈夫」SPEAK
ダブル・オーレコードの秘蔵ッ子、SPEAKの歌はいつ聞いても楽しいし、当たり外れのない良さを常に持っている、と思います。どこかせつなくて、おもしろくて、鋭い一人暮らしの女性を見る眼を持っています。僕は男の子だから「うっ」とその鋭さにただ、ただ感心するほかありません。千井塔子(Vocal,Guitor)と山田直子(Bass.Chorus)の女性ユニット。きっと将来ドーンと大きく売れ出すに違いない彼女たちの通算5枚目のシングル。どうかだまされた、と思って近所のレコード店(死語か? でもCD店なんて言い方気色悪い)で試聴してほしい。本当にいいんだから。このシングルにカットされている3曲はさらに粒選りの曲なのだから、どれを聞いたってあなたは明日から彼女らのことが気になるはずです。今回トレードマークの河童がジャケットから消えてちょっと残念だけど、千井のどアップ写真が存在感を示しています。内側は山田のどアップです。
「弱いからこそ人は強いのだ」という点を教えてくれます。そうした心に潜んだ人に対する「優しさ」こそがSPEAKのサウンドの魅力です。
このマキシシングルのタイトル曲「大丈夫」は一人ひとりになってしまう別れの歌で、目一杯悲しいのに「天晴れ」と思うほど清々しい曲に仕上がっています。この何気なさがいいね。2曲目の「これは恋か!?」は、恋に目覚めた女性の気持ちが実に見事に表現されて、ドライブ感ある曲と一致しています。まさに「韋駄天パワーロック」そのものです。そして「無きにしも有らず」。SPEAKファンならお馴染みの曲がロンドンリミックスで再登場。1980年代のブリティッシュ・ポップス的なアレンジ(佐久間正英)がSPEAKの良さを十二分に引き出しています。
(Sony Records、SRCL-4205、1223円)
◎☆☆☆☆☆「TEENAGER」井上陽水
このCD、星あきらさん(あっいけねえ、また星さん引き合いに出してしまった)を含むナイアガラー必聴ものでしょうね。なにしろウォール・オブ・ナイアガラズ・サウンドしていますねえ。もうイーチ・オータキもフィル・スペクターもびっくりの音ですよ。どうしたんでしょうね陽水さん。ひょっとしてナイアガラーだったりしてね。でも、当然陽水さんもフィル・スペクターをリアルタイムで聴いた世代ですからでも、ウォール・オブ・サウンドが出てきてもなんの不思議はないのですが、「幸せの結末」で新しく大滝ファンになった人は戸惑っていることでしょうねえ。こういう分厚い音って本当に耳に心地良いですね。なぜなんでしょうかねえ。
さらに古くからのナイアガラーが「ぐげえっ」と驚くのは3曲目の「HAWAIIAN LOVE SONG(リリウオカラニ女王に捧ぐ)」。これなんてイントロから「ナイアガラムーンがまた輝けば」しているんですよ。ロマンチックな楽曲そのものもあの世界に近くて感激ものです。これは要保存ものですぜ、星さ〜ん(あ、また呼んでしまった)。(For Life Records、FLDF-1653、1020円)
<反省>そうです、あなたのおっしゃる通り、図星です。日曜日勤務で発行が遅れました。申し訳けありません。泊まり明けで睡眠不足となり大変眠いのです。たいていは我慢できますが、残念ながらこれには勝てません。お許しください。
さて、眠い状態ながら、腹は減ります。昼食は会社近くの牛丼店にライスボール食べに行きました。日曜日で結構はずれた時間なのにお客さんでいっぱい。なんと創業感謝記念セールとかで100円引きなのです。いつも通り「並み」でいいのに、損だと思って「大盛り」頼みました。コストパフォーマンスに優れたものを目の前にすると、つい欲が出てしまいます。本当は単に喰い意地が張っているだけですけどね。でもおいしかった、久々のライスボール。支払いで1000円札出したら、レジのお兄さんなぜか打ち間違えて釣り銭を「955000円」とレジスターに表示してしまいました。一緒にいたC-Liveの久保田代表が「すぐ日本橋行って、スパルタカス買いにいきましょう」と叫んだのがうれしかったですね。そう、スパルタカスは当初の値段で買うべきです、だって20周年記念なんだもん。でも結局、太っ腹と思えたお兄さんからは95万円はもらえなかったので購入できませんでした、当たり前か。でも一瞬いい気持ちにしてくれたお兄さんと久保田代表に感謝。
あっ、いかん全部☆5つになっているじゃーありませんか(Byチャーリー浜)、でも本当に今回の3枚はどれをとっても☆が並んでしまうのです。わかっていただけるかなあ。
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筆者/copy right=フルタマコト
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