CD NEWS05月 20日号


毎週日曜発行
   
   mako-rin's CD NEWS     
   
更新日時=2001年06月15日午前04時05分


Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp


 
CD印の飾り棚線マーク  

◎☆☆☆☆「はじけよう」Charcoal Filter


■01. はじけよう
■02. Jumpin' high
■03. リビドー
 

 Charcoal Filterの新しいマキシシングル。「はじけよう」は大塚ベバレジ「マッチ」のCMソング。このなんだか気の抜けた感じの「イエイ」のコーラス、mako-rinは大好きです。一生懸命でないところが特に好感持てます。

 で、何度も聞いているうち、テンポの遅れたこのコーラスは一度カセットテープなどに落として、電力を失いかけた乾電池を動力として聞くとさらに楽しめる、という点も“発見”しました。機材のある人、このなんともいえない間をより楽しんでみたい人はお試しください。あまり大きな意味はないが楽しめます、はい。

 でも普通の聞き方をしてもいいもんです。はじける前にいろいろの段取りがいるのでしょうが、突然、ウルフルズみたいになったりして修正したり、懐かしめのサウンド(非常にシンプル)に載っけてみたりと意欲的。でもやっぱりこのコーラス、良くも悪くもこの印象に残るコーラスが命でしょう。徹底的で力いっぱい抜けていて素晴らしい、と思います。

 Charcoal Filterは、小名川高弘(愛称KONA、担当Guitar、1979年11月30日生まれ、血液型A型)、大塚雄三(愛称OTSUKA、担当Vocal、1979年8月27日生まれ、血液型AB型)、安井佑輝(愛称Bass、YASUI、担当Bass、1980年3月5日生まれ、血液型B型)、高野真太郎(愛称TAKANO、Drums、1979年10月20日生まれ、血液型O型)。最後の高野くん、名前はなんと読むのでしょうか。その昔、私の友人に真太郎と書いて、皆から「マタロウ」と親しまれていた人がいました。ちょっと気になります。

 1996年、高校の同級生であった小名川高弘(Guitar)、大塚雄三(Vocal)、安井佑輝(Bass)、高野真太郎 (Drums)の4人でバンドを結成。高校卒業と同時にライヴ活動に専念し、1999年夏にインディーズ盤「Gimme a light」を発売。1999年11月にマキシシングル「I start again」、続く2000年2月にマキシシングル「Life goes on」を次々に発売し、5月には、大塚ベバレジ「マッチ」のCMソング「Don't miss it」を発売し、注目を集めています。

 (日本コロムビア、COCA-50629、1260円)



◎☆☆☆☆「What would I do」福原裕美子


■01. What would I do
■02. Reality
■03. What would I do (Instrumental)
■04. Reality (Instrumental)


 福原裕美子のニューシングル。フジテレビ系ドラマ「私を旅館に連れてって」主題歌で流れています。印象的なモノクロ画面(出演者のショットを中心に構成したもの)と共に一度聞いたら耳に焼き付く(っていう表現ありましたかな)サウンドで、じっくり聞いてみたいと思い選んだ次第。

 声がちょっと幼いようで時々妙に大人っぽいところがあったりで不思議な感じ。ちょっと甘えたようなところが太田裕美を思い出せます。楽曲「What would I do」は福原の作詞・作曲。ささいなことですぐに「さよなら」を言い出す私を優しく受け止める(あるいはすっかり無視しているというか、あんまり気にしていない様子。もう慣れっこになっているのかも)彼の頼もしく感じる様子を歌います。

 でも、こういうふうに心が通いあっている二人なら様々な危機も乗り越えられそうですね。で、カップリングの「Reality」も別れをテーマにしていますが、こちらはやや深刻。恋愛をテーマに別れる部分から考えるアプローチは新鮮な視点で今後の作品も期待できます。

 1981年10月23日生まれの血液型 B型。プロフィールを見るといきなり「クォーター」って書いてありました。3歳から歌、ピアノを始めています。10歳の頃から好きな楽曲を自分流にアレンジして弾けるようになって、中学時代から作詞・作曲を始めているそうです。

 高校3年間をアメリカで過ごし、毎日ラジオから流れる本場の音楽や友人たちとのバンドやコーラスグループでの活動でいろいろな音楽知識を身に付けています。当時の担当はヴォーカル、ピアノ、キーボードなどです。2000年6月アメリカの高校卒業後、帰国。今はさまざまな楽曲を製作中。

 (avex trax、AVCD-16009、1050円)


◎☆☆☆☆☆「いえ」はじめにきよし


■01. 流れる雲
■02. ポトフ
■03. あした話そう
■04. 新しい生活
■05. 雨あがりの帰りみち
■06. 時計どおり
■07. 雨
■08. 今夜はカレー
■09. spring spring〜誰もいない河原を君とどこまでも
■10. いつまでもいつまでも
 

 はじめにきよし、略して「はじきよ」。なんだか「やすきよ」に似ていてお笑いファンにはうれしい響きです。でも「はじきよ」は一見漫才師みたいにみえますが、これはなんと世間を欺(あざむ)く仮の姿。人々にちょっと油断をさせておいて、これがなかなか御機嫌サウンドを生み出すミュージシャンなのですから、そこのあなた、あなどってはいけません。そう、決して人を見かけで判断してはいけません。

 しかし、まあなんと心が洗われ、ぐっと落ち着きを取り戻すアコースティックなサウンドなんでしょう。心の隅にあった猛々しい気持ちが一瞬にして崩壊します。もうmako-rinはすっかり夢中なのですよ。

 サキタハジメ(1971年大阪生まれ、ギター&のこぎり!)と新谷キヨシ(1964年京都生まれ、ピアニカ、ピアノ、アコーディオン)のコンビ。あっ、漫才師やないですよ。くれぐれも。どうもうっかりコンビって書いてしまうなあ、ユニットなのに。アコースティック・デュオなんて洒落た言い方もできます。でもコンビの方がmako-rinにはしっくり来るんです。偉大なる二人の風貌のなせるわざでしょうか。特に写真見ながらレビュー書いていると…、あかん、全然言い訳になってないわ…。

 で、以前、とあるところで「のこぎり」を手にしたサキタハジメに会ったことがあります。別にサキタハジメが丸太を切っていたわけではなくて、とある会場で「のこぎり」による演奏をしていたのです。そう、サキタはれっきとした「日本のこぎり音楽協会関西支部長(会長は都家歌六)の肩書きを持っているのこぎり奏者なのです。

 そのサウンドと同じくふわっと人を包み込む人柄にすっかりmako-rinも和みました。こういう音楽は関西人は実に得意なのですね。ゴンチチをはじめ(そういえばチチ松村も日本のこぎり音楽協会関西支部会員)関西人は生まれつきのお笑い好きに加えて、意外にこういうあっさりした音楽も好きなのですね。

 このCDは、関西のタワーレコードを中心に徐々にヒットの兆しがみえております。お近くにタワーレコードあればのぞいてみてください。きっとあるはずです。関西では「あした話そう」がNTT西日本の「ケンタくんCM曲として流れております。また、「雨」は、第6回OMS戯曲賞大賞受賞作品土田英生作・演出「その鉄塔に男たちはいるという」イメージソングになっています。

 小粋なフランス映画でも見ているような気分にさせてくれます。例えばジャック・タチの「ぼくの伯父さんの休暇」に収録されていた、と言われても本当にそんな気がしてしまうほどです。

 (ゴヒロウ本舗、GOHK-2001、2500円)


音符印の飾り棚線マーク

Coming Soon


<反省>
◎6月8日午前に悲惨なニュースが飛び込んできました。大阪府池田市の大阪教育大学教育学部付属池田小学校で起きた児童殺傷事件です。大変ショックを受けました。以前、取材で数回、同小や同小に併設されている中学校に訪れたことがあり、まさかこのような事件の場になるとは想像もしておりませんでした。被害にあわれた児童、職員の方々、そのご家族関係者の皆さんに心から哀悼の意とお見舞いを申し上げます。

◎事件の全貌がまだ判明していないので軽々に議論すべきではないと思います。が、犯人のあまりにも身勝手な言い分ばかりが報道を通じて聞こえてくるのが情けなく残念です。悔しいと言いかえてもいいかもしれません。彼のために尊い命を突然に失った子どもたちのことを考えると絶対に許されることではありません。教室という子どもたちにとって一番安全なはずの場所での思いがけない死だったでしょう。とても怖かった、悔しかったことだと思います。もし、私たちの生きている社会の中にこの犯人の暗い部分を育てた何かがあるのなら、早いうちに芽を摘み取っておかなければなりません。そうでないとまたこのようないたたまれない事件が引き起こされるような気がしてなりません。

◎「命はこの地球よりも重い」という言葉をもう一度噛みしめてみたいと思います。最近あまりにも命が粗末に扱われ過ぎる事件ばかり起きています。人が人を簡単に、平気で殺しています。そのニュースをあまりにも無感動に、日常的に私たちは受け入れてしまってはいませんか。多くの人が悲痛な声をあげていることにすっかり慣れっこになってしまって、隣に住んでいるはずの私たちはその声さえも聞き取れなくなっているのでは…。そんな危惧さえ抱きます。私たちが求めている社会は決してこんな社会ではなかったはずです。

◎この事件を見つめ続けようと思います。


<今週の一句>今回は休載

筆者/copy right=フルタマコト
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