CD NEWS06月06日号

毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=1999年06月06日午後10時50分


Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp

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◎☆☆☆☆「Bye-Bye」BLACK BISCUITS

1.Bye-Bye
2.Bye-Bye(ORIGINAL KARAOKE)
3.Secreat Track

 消費者を煽(あお)りながらセールスするCDってなんか嫌だ。「○○万枚突破しないと解散です」とか「チャート上位に入らなければこのCDが最後」だって。そりゃ、酷(こく)ってもんでしょう。なんかそういう売り方しか出来ないスタッフの裏の苦悩は痛いほど分かりますが、寅さんじゃぁないけれど、それをいっちゃあ、お終いだ、と思います。

 多かれ少なかれCDを出すアーティストの方は常にこれが「最後のCDになるかもしれない」と祈るような気持ちでリリースしている、と僕は勝手に思っています。なんだかアーティストにもリスナーにもとても失礼な気が僕にはします(考え過ぎかな?)。その暗黙の生命線みたいなところを(今までは口にしたくてもしなかった。できなかったのではない。やらない、というプライド、自負があったんだと思う)破って、テレビ番組などでおもしろがって、それこそ視聴率大事さもあってか、煽って「このCDがヒットしないとメンバーチェンジになります」なんて言ったら、少なくともファンはレコード店に走るだろう、学校で友だちに「買ってよ」とお願いするだろうって計算できると思います。でも、プロの、少なくともプロを自認する作り手なら、そんなあざとい手は使うべきではないと思います。

  このシングルCD「Bye-Bye」はとっても曲が素敵なんですよ。心からプッシュしたいのですが、なんだかこの母体である日本テレビ系「ウッチャン、ナンチャンのウリナリ!!」では、どういうわけか煽っているの。これが非常に残念。引っ掛かるのです。いいCDって聞けば分かるじゃない。「ちょって照れるが言ってしまおう“自信作”だ、すまぬがさらに言わせてもらえば作品の出来も、ここしばらくの仕事の中でめちゃくちゃいい。だから買ってくれい」アーティストのプロモーションは、これでいいではないのか、と思うきょうこの頃のmako-rinです。

 なぜ、売れなかったら解散するだの、メンバーチャンジだのでファンの心に揺さぶりをかけてくるんでしょう。大多数のアーティストにとって売れなければ解散なんて自明の理なのにねえ。あったり前田のランチクラッカー!! それを商売のキャッチにしていいんだろうか。こんなセールストークで何百万枚売れたところで、本当にうれしいでしょうか。そんな気がします。

 でもね、もう一度書きますが、このシングル、哀愁を帯びたピアノのイントロから始まり、なんだかビビアンのヴォーカルも冴えていいし、元気が出てくる歌詞も、南原(もとい、南々見)や天山のちょっと外れたコーラスも花を添えていて楽しくておすすめではあるのです。また北京語のシークレット・トラックもなかなかキャッチーでお勧めものなんです。唯一悪いのは売り方かなぁ、やっぱり。

 ちなみに、もっとはまりたいというあなたには「LIFE」(BMGジャパン、BVCR-17011、2500円)というアルバムも発売中。でも買う時に店員に「載せられている」って思われるのが癪(しゃく)の種なんだな、これが。

 (BMGジャパン、BVDR-50046、500円)


◎☆☆☆「東京密林」熱風音楽市場魅惑の東京サロン

1.HANAUTA-BAY
2.東京密林
3.真っ赤な好奇心
4.抱きしめられてー熱いロマンス
5.抱いてカーニバル
6.ミッドナイト・トーキョー
7.熱烈に恋して
8.タブー〜まだ愛してる
9.悦楽の花びら
10.ピンクナッツのイヤイヤ・ダメダメ
11.ハイカラ・ブギ
12.上海ダンディー
13.熱風の夏が来た!
14.HANAUTA-BAY〜ON・DO〜

 

 夏です。こういうシーズンになると、夏物が出てきます。嫌いじゃない(むしろ好き、とっても好きな)ので聞きますが、雰囲気とっても一生懸命やっている努力賞的アルバムがこの「東京密林」。なんとかセクシー路線と南国イメージをプラスして大いに夏的イメージをば盛り上げよう、あるいはザ・ピーナッツ的世界を形成しようとしているのですが、なんかちょっと滑っているなぁ、と思うところが散見できて、そこがmako-rinには逆になんとも言えずいいのです。セクシー路線と書きましたが、中学生でも「がっくん」とくる感じなので至って“健康的”な楽曲です。お父さん、お母さん、学校の先生方面は御心配なく。

 音的には、そう、昭和30年代しているんでしょうか、なんかタイトルのセンスといい、思わず頭抱えてしまいます。でも、どう考えても20代のメンバー13人(すごい数が多い)なので、このセンス、スタッフの意向なのかな、と思います。田中耕作(Vo)、加藤圭子(Vo)、吉永真由美(Vo)、永吉恵里美(Vo)、西和(Dr)、金武功(Per)、福島志朗(Gt)、丹羽あさ子(Key)、大澤逸人(Bass)、松田菜々子(Dance)、塚原恒太郎(Trp)、福原隆(Trb)、麻倉尚太(Sax)というメンバー。

 哀愁というかほのぼのというか、なんか味のある「上海ダンディー」は気に入りました。続く「熱風の夏が来た!」も、コーラスがなんか変に真面目で、このアンバランスさがすごくいい。一生懸命崩そうとしているんだけれど、ついつい真面目さが出てしまう、その絶妙さが熱風音楽市場魅惑の東京サロンのいいところかもしれません。ラテンやってしまえば、熱風音楽と頭から信じていない点や、あくまでも日本的解釈を交えて古き良きものから何か新しいものを創ろう、という気持ちに共感を持ちつつも、もう少しいい加減さがあれば、もっと良くなるのに、とちょっと惜しがるmako-rinです。

 go-to recordsの発売元は、飯田"ルイジアナママ"久彦氏が社長に就任したばかりのテイチクレコードです。60年代ポップスファンには飯田氏はとっても懐かしいシンガーですが、これからの舵取りを期待したいと思います。

 (テイチクレコード、TECN-30549、3000円)


◎☆☆☆☆「1999 BLACK LIST」聖飢魔||

1.1999 SECRET OBJECT
2.聖飢魔IIミサ曲第II番「創世紀」
3.地獄の皇太子
4.蝋人形の館 ’99
5.MASQUERADE
6.真昼の月 〜 MOON AT MID DAY 〜
7.サクラちってサクラ咲いて
8.敗れざる者たち(未発表曲)
9.BRAND NEW SONG
10.SAVE YOUR SOUL
〜美しきクリシェに背をむけて〜
11.HOLY BLOOD 〜闘いの血統〜
12.FIRE AFTER FIRE
13.悪魔組曲作品666番 変ニ短調
序曲:心の叫び
14.第一楽章:STORMY NIGHT
15.第二楽章:悪魔の穴
16.第三楽章:KILL THE KING GHIDRAH
17.第四楽章:DEAD SYMPHONY
18.嵐の予感
19.EL.DORADO

 悪魔がいなくなるなんて、もう世も末です。1999年12月、地球征服完了とともに解散する「聖飢魔||」。グハハハハハハハ……のデーモン閣下の雄叫びも聞けるのは、今年限り。悪魔も住みにくい時代になりました。不況のせいか(彼等の)布教のせいか、どっちか知らぬが、ともかくもあんまり世の中良くないのは確かで、デーモン小暮閣下は、その世の中に満足して悪魔の国に還っていくんでしょうか。

 そんなわけでBMGジャパンより5月21日にリリース(発布)されたのは第15大教典(本家極悪集大成盤)「1999 BLACK LIST」は、悪魔ファンにはお楽しみの初回生産限定には、シルバーハードカバーと閻魔札(えんまふだ)が1枚封入です。おまけがいいねえ。さて、聖飢魔||からのメッセージです。


聖飢魔II
1999年12月、
地球征服完了。
とともに
解散。

グハハハハハハハ・・・・
 当初の予定通り我々聖飢魔IIは、本年末をもって悪魔教布教の活動を完了する。また、結成目的をその「悪魔教布教」としていたバンド活動自体も、同時に終止符を打つことになった。現構成員全員揃っての音楽活動は今年限りであり、来年からは、各構成員それぞれが地球上または魔界において別々の道を歩む。結成より17年、地球デビューより14年、一集団として世間を騒がせてきたが、これからも個々に暴れていくので、安心しないでいてくれたまえ。
グハハハハハハハ・・・・

魔暦元年4月凶日
地球征服使節団 聖飢魔II

 



 慣れ親しんだ悪魔がいなくなるのもなんだか寂しいものがあります。悪魔のくせして人間を悲しませるものではないのですよ。それにしてもこの大教典(アルバム)、なかなかボリューム感があって全19曲で3059円とうれしいプライスです。しかも7月に入るとキューン・レコードから元祖極悪集大成盤「1999 BLOOD LIST」(KSC2 291、3059円)もリリースされ、大黒ミサツアーも始まるようです。

 ド派手な化粧から(あっ、元祖ビジュアル系か)、一時はクレージキャッツ、ドリフターズ、ちょっと関西がかって誰がカバやねんロックンロールショー方向のバンドかと思っていましたが、デーモン閣下以外はそれほどお笑い好きではなかったようでコントはあんまり見られなかったのは残念。でも音楽的にはもうハードロック一筋。元祖KISSも(あれは異国の悪魔となるのか?)びっくり。どこまでも音楽的に真面目そのもので好ましい良い子な悪魔でした。さて、まだ早いのですが、2000年からの悪魔征服後の世界における彼等ら5人の活動が楽しみです。ひょっとして地球人の仮の姿で登場するかもしれないし、それはそれで楽しみです。

 ベストものになるとデーモン小暮閣下が至るところで雄叫び上げているのをチェックできます。雄叫びファンにはうれしいCDといえそう。

 (BMGジャパン、BVCR-11010 、1020円)


音符印の飾り棚線マーク

Coming Soon


 <反省>先々週のCD NEWS弘田三枝子の「レオのうた readymade JBL mix」の紹介でパルナスのネタを振ったら、たくさんのレスをいただきました。感謝いたします。ここで正しい歌詞も、作曲者も、歌手も分かりましたので記録します。
「パルナスの歌」
作詞:津島秀雄
作曲:津島秀雄
歌: 中村メイコ、ボニージャックス

ぐっと かみしめてごらん
ママの 暖かい心が お口の中に しみとおるよ〜、パルナス
甘いお菓子の お国のたより おとぎの国の ロシアの
夢のおソリが 運んでくれた
パルナス パルナス
モスクワの味 パルナス パルナス パルナス


そっと かみしめてごらん
  愛の うるわしい心が ふたりのほほに しみとおるよ〜、パルナス
甘いささやき めとめでかわす 初恋のささげる パルナスが
二人を しあわせに むすんでくれた
パルナス パルナス
ゆめのケーキ パルナス パルナス パルナス


ぐっと かみしめてごらん
ママの 暖かい心が お口の中に しみとおるよ〜、パルナス
ボリショ イスチャースチ ベチェ ネベリョーダ
大きな しあわせ パルナスが パパとママと 私たちに
パルナス パルナス
しあわせの味 パルナス パルナス パルナス

 ふーん、3番まであったのですね。しかも中村メイコ、ボニージャックスという豪華な顔ぶれ。疑問だった「・・・・・・・」部分は「お国のたより」でした。三和ちゃん、あなた正解でした。三和ちゃん、かなりのパルナス好きですね。先週、叩き台的に紹介したnao-netさん投稿の分は、ちょっと出だしも違っていたのね。たぶん3番あたりとごっちゃになっていたのでしょうね(3番って流れていたっけ?)。記憶というのは時間が経つと変わってしまうものらしいですね。ぼくもこれがそうなのかと思ってnao-netさん歌詞をしばらく声を出して歌っていましたが、ほんと、我ながらいい加減なものです。いくつかお便りいただいた中でも少々アレンジものがありました。とにもかくにも正しいパルナスの歌詞が分かってほっと一安心です。

 ちなみにこの「パルナスの歌http://www2.famille.ne.jp/~choko-h/memory/palnas.htm」は、伊谷さんが教えてくださいました。ほかにも興味あるサイトも教えていただきました。ありがとうございます。ところでパルナスのお菓子、いっぺん食べてみたいですねえ。実はその昔、花の博覧会という催しが大阪鶴見緑地で行われた時に、取材に行って、そこでピロシキを食べて以来、口にしたことがない。パルナスのケーキはまだ経験なし。うーん、無性に食べてみたくなってきました。

 うーん、いろいろあって、例の「ジャングル大帝レオ」に似たアメリカの某作品の日本の劇団公演ものを観てきました。ちょっとわだかまりを感じながらも、これはこれでいい作品でした。特に子どもたちの演技がとても元気が良くって、可愛らしくて拍手に次ぐ拍手で数えたら計5回もカーテンコールしていました。完璧に大人の演技をくってしまって、でも他の役者も子どもに負けまいと必死。それがまた素敵な舞台になっていました。

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<今週の一句>久々に 歩き回って 熱が出る(mako-rin詠める)
Macさん OS8.6入れ どこが違う(mako-rin苦労してOS入れ詠める。)

筆者/copy right=フルタマコト
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