毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=1998年08月02日午前09時27分
Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp
◎☆☆☆☆「しょうがない人」久宝留理子
1990年のデビュー以来所属していたEPICからビクターに移籍したばかりの久宝留理子のニューシングル。レコード会社が変わっても、一途に生きると表現していいのか、ある面から見ると強気とも取れるようなせりふを口にする女性の歌を、実にパンチの効いた声で歌うところはなんら変わっていません。思いっきり“ツッパテ”いた頃と比べてうまく力が抜けた感じが特にいいなあ、と思いました。肩の荷が降りた、あるいはふっきれたと表現したらいいのでしょうか。作曲はSMAPのヒット曲「夜空ノムコウ」でおなじみの川村結花。それにしても「しょうがない人ね」なんて言われてみたいな。久宝留理子の歌では、浮気っぽい男の数々の嘘にいよいよ、堪忍袋の緒が切れたって雰囲気で、怒り爆発。怒っている久宝の歌はPowerあります。そして、エンディングの落ち着かないランディングは、なんだか続編の歌「しょうがない人2」か「続・しょうがない人」なんていうのができたら、ぜひ聞いてみたい興味がわいてきます。
カップリングの「羽根」は彼女の得意なバラードで、しっとりした雰囲気の中に大人っぽい女性の様子を歌っています。これも別れを予感させる歌ですが、こちらの男性は“とってもいい人”。とてもいい人だから、上手くいきそうと思うのは読みの浅い男であります。とてもいい人だから、私が傷つける…なんて、久宝の描く男性像は実に複雑で難しい。いい加減な奴でも、逆にすごくいい奴でもダメ。このあたりのバランスって本当は非常に難しいのですが彼女はそれを要求しています。
(ビクターエンタテインメント、VIDLー30158、1020円)
◎☆☆☆☆「Walking with You」葉加瀬太郎
とってもポップなヴァイオリンのアルバム。ブラジル、ラテン、クラシック、ソウルいろいろ収録されていますが、どれもとても新鮮で、この暑い温帯モンスーンの国の夏に実にふさわしい涼風をもたらしくれます。葉加瀬のヴァイオリンの音色は、寝苦しい夏の夜にはきっと蚊取線香と共に必需品となることでしょう。
葉加瀬自身のオリジナル曲「Etupirka」(アイヌの言葉で「美しいくちばし」を意味するウミスズメ科の海鳥のこと)から始まる、計11曲の中にはスティーヴィ−・ワンダーの「Another Star」のカバーや、ラテン風のスタンダード「Begin the Beguine」(フレオ・イグレシアスのカバーでヒットしました)もあります。プロデューサーは、KISS OF LIFEのMike Benn。前作「watashi」との違いは、ヴォーカルを随所に取り入れたことでしょう。KISS OF LIFEのAngela Johnらがヴォーカルに参加しています。弾けるほどポップな曲にうなってしまう人も多いのでは。
(EPIC、ESCBー1896、3059円)
◎☆☆☆☆「PARADISE」SOUTHERN ALL STARS
サザンオールスターズのように最新シングルがリリースされるたびに何もしなくてもある一定のセールスを達成できてしまうアーティストってのは素晴らしいことだと思います。でも、どんな歌を作っても売れてしまうってのはある意味で張り合いのないような気もするわけです。そのあたりの矛盾に早くから桑田選手は気づいていたように思います。
僕は音楽の好きな人が楽しんでくれているCD NEWSで、説教じみたことだけは言うまいと思ってずっとやってきたのですが、もし以下の部分が説教くさくなっていたらごめんなさい(僕の文章力が足りないせいです)どうか、許してください。
何もしなくても多くの人が一つの歌を聞いてくれるアーティストってのは、ある意味ですごく大きな責任があるんだな、と僕は思います。今回サザンの「PARADISE」を聞いて実に心強いと思うと同時に、改めて彼らを見直したのは、この星で起こった悲惨な戦争の悲しみを忘れないようにしようと歌ったことです。桑田選手のヴォーカルは相変わらず何を歌っているのか、ネイティブな日本人でもヒアリングが難しいのですが、こっそり歌詞カードをカンニングすれば、この歌が、この国の一年の中で改めて「戦争は繰り返してはならない」と思いを新たにする8月にふさわしい平和の歌になっていることに気が付きます。しかも穏やかなものではなくて、心の底から平和を希求していることに共感しますし、桑田選手、サザンオールスターズの皆が平和についてなんらかの危機感を抱いているのではいかと思います。多くのファンがこの歌を聞いて、改めてこの星の行く末を真剣に考えてくれたらいいなあ、と感じます。
(ビクターエンタテインメント、VIDLー30237、1000円)
<反省>四十肩問題。どでかいサポーターでどうやら解決方向へ。電車や会社の冷房って若い時それほど感じませんでしたが、これがテキメンに動かなくなるのです。最近では地下街まで冷房が効いていてありがたい反面、体力が衰えるとちょっと堪えます。どでかいサポーター、見栄えはかなり悪くって「どうしたの?」って知人に聞かれ、「四十肩」と正直に答えちょっと笑みが浮かんだ知人の顔を見る我が身もつらい。でも、背に腹は変えられないから仕方なくサポーターしています。そういえば、小学校の時、サッカー部の顧問だった宇野先生も確かサポーターしていたなあ、黒色みたいで格好良かったのに、なんで今売っているのはこうも白くってダサいんだろう。
朝早起きして墓参りに行ってきました。蝉しぐれの中で、死者と対峙するひととき。静かな時間を持つことも貴重なんだなあ、と思えて。
なんか腕が動かない時に限って原稿書く機会が多くなったりして、皮肉なものです。でも書かなくっちゃ。
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<今週の一句>食欲を 誘う御飯に 冷ややっこ(mako-rin詠める)
筆者/copy right=フルタマコト
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