毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=2000年8月31日午前10時00分
Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp
◎☆☆☆☆「愛の原理」井手麻理子
■01.愛の原理(ORIGINAL MIX)
■02.SWING
■03.愛の原理(D.O.I. REMIX)
井手麻理子のニューシングルは、日本テレビ系ドラマ「億万長者と結婚する方法」の主題歌。ラテン調で思わず踊り出したくなるリズムの「愛の原理」。失恋からかなり時間がたち、閉ざしていた心を開かせてくれた人に訴えかける歌でしょうか。「なくした愛の欠片(かけら)をあなたに求めている」といきなり言われても男性は「うーむ」としか答えようがないのですが、でも、ちょっとうれしいものですね。
「解けない愛の原理をあなたに求めている」(歌詞:多胡邦夫)というあたり、今度の新しい恋にかけてみようという女性の強い意志が感じられます。鈍感な男性は、そういう女性からのシグナルになかなか気付かないことが多いようですが、ここはもう当って砕けろの精神でいくしかありません。
「誰よりも感じてよ」という女性の切ない願いが早く届けばいいのですが…。歌詞を眺めるとそれほど余裕のないことが分かるのですが、楽曲は非常に淡々としていて、そういう深刻さをうまく消してくれています。ダンサブルなこの歌を歌いながら愛の告白をしてしまう、という高等な戦術もありそうです。
カップリング「SWING」は、男性から女性への歌。闇の中でひとりぼっちの僕に明るいともしびを送ってくれる「キミ」と溶けるように踊りたい、というこちらもバラード曲に包まれながら、切ないほど深刻な願いが込められいます。そんなに悩むよりもさっさと「告白」したら、と外野の僕は思ってしまうのですが…。
(avex tune、AVCT-30022、1050円)
◎☆☆☆☆☆「あの頃は〜大きなノッポの古時計〜」In the Soup
■01.あの頃は〜大きなノッポの古時計〜
■02.星に咲く花<
■03.存在の証明
「あの頃は〜大きなノッポの古時計〜」は、In the Soupの2枚目のマキシシングル。サブタイトルの「大きなノッポの古時計」のサビ部分「今はもう動かない」から始まるこの曲は、幼い頃のいろいろな懐かしい思い出を郷愁と共によみがえらせてくれます。
僕の場合、少年、少年画報、少年ブック、ぼくら、少年サンデー、少年マガジン、少年キング(少年ジャンプが出てきたのはもう少し後)などの少年向き漫画雑誌や、りぼん、なかよし、少女フレンド、マーガレットの少女向け漫画雑誌に囲まれながら、ひたすら暑い夏の一日を、扇風機もなく汗びっしょりになりながらも友達と必死になって読んでいる時のことがよく思い出されます。
神社や学校の敷地の法面の崖とか子どもにとっての絶好の遊び場所で、暗くなるまで一緒に遊んだはるか昔のひとときです。それはとても懐かしい思い出なのですが、同時に悲しい記憶でもあります。それは年のせい、と言われると大変寂しいのですが、いつの間にかその友達は大人になる前に亡くなってしまったからです。そういう友達に限って大人になってからもっと話をしたかったと思ってしまうから難儀なものです。共有した時間について一緒に話したいのですが、もはや叶わぬ夢になってしまいました。その分だけよけいに子どもの頃の思い出が鮮明になってきます。
お盆も過ぎたというのにいろんな事を思い出すのはきっとこの「あの頃は〜大きなノッポの古時計〜」のせいでしょう。TBS系『大好き!東京ゲスト10』エンディング・テーマ、中京テレビ「みんなでがんばる!」(24時間テレビ)イメージソング。中尾のサラッとした歌い方は、温かい祖父の思い出やいつも大きな音で驚かせながら時を知らせる古時計など過ぎ去ったはずなのに、そこにぐっと凝縮された時間を見事に切り取って僕らの前に見せてくれます。
こんなに懐かしくて、楽しく、思わず頬がゆるんでしまう記憶なのに、最後はとても胸が詰まって涙ぐんでしまうのはいったいなぜなんだろうか。
1996年5月、八谷健太郎(ギター)、草場敬普(ベース)、吉田慎一郎(ドラムス)の3人と、演劇活動のかたわら、路上でギター片手に弾き語りをしていた中尾諭介(ギター、ヴォーカル)が合体して「Lo-nin」(後に改称してIn the Soupに)を結成。
グランジ、パンク、ハードロックなどを愛する3人と、吉本興業の漫才の大会で優勝したことのある中尾のファークが渾然一体となって不思議な魅力を放っています。彼らの夢はアメリカのWOOD STOCK出場であるとか、それは見学ではない、というあたりに熱意を感じます。で、きっとこのバンドは受けるかどうかは別にして出てしまうだろう(WOOD STOCKがあれば)ということです。なんだか理由は分からないどうしようもないパワーを持っているから。秋には大阪でコンサートを楽しめそう?
(日本コロムビア、COCA-50350、1260円)
◎☆☆☆☆☆「愛の言葉」beret
■01. 愛の言葉
■02. 愛の言葉(readymade 524 mix)
■03. 愛の言葉(minimum dub ver.)
新しいberetの4枚目のシングルは、「夏の終わりにせつなく染みわたるベレイ流ラヴァ−ス・レゲエ」と来ました。後藤圭子のヴォーカルの上手さといったら、これはもう聞き入ってもらうしかないのですが、インディ−−ズ時代、出身地の北海道旭川市では、セールス・チャートが宇多田ヒカル やGLAYを押さえて1位にランクインしていたほどの実力です。
オリジナルの「愛の言葉」はどこか切なくて、もどかしさがあふれた一曲。愛を言葉にするのはやっぱり大変。うまく伝えることなんて至難の技です。でも、あんまりもどかっしくて、なんだかそのままにしていたら、フッと消えてしまうようなあやうさがうまく表現されています。歌詞は後藤圭子。しみじみしてこの秋、好きな人になんとか告白してしまおう、という人に共感を呼びそう。
で、問題は『オハ・ロック』大ブレークで今や女装も平気で(でも以前からたびたびやっていましたね)テレビに出てくる小西康陽クン(ピチカート・ファイヴ)によるリミックス。「 愛の言葉(readymade 524 mix)」は、もはや原形をとどめないほどの作品で、「夏だ!ベレイだ!レゲエだ!」のキャッチフレーズに見られるような非常に軽いノリになっていて、オリジナル「 愛の言葉」でずいぶんと沈んだ心を一気に浮上させてしまうあたりは、さすがオハ・ロックの大家。夏の終わりに思いっきり鳴く蝉のようにさわやかで軽快そのもの、暑苦しさを感じない。
beretの魅力と小西サウンドの魅力の両方を楽しめる素敵なポップラブソング。気分によって選択ができます。それにしても後藤のヴォーカルいいなあ。ほれぼれします、はい。
(Sony Records、SRCL-4902、1020円)
<反省>
◎長野県上田市で開かれたJ-Macの夏合宿に顔を出してきました。信州なのでさぞや涼しいと期待して行ったら、この夏最高の気温とかで、大津にいるよりもはるかに暑くて思わず「ひぇー」と悲鳴を上げてしまいました(笑)。でもアルプスの見える高原はやっぱり気持ち良くて、いきなり始まった野外バーベキューもそれほど苦にならず楽しんできました。残念なのはビールを止めているので(少しなめてみましたがビールの味でした)、ウーロン茶を中心にコーラなどを攻めてきました。いずれもペプシ製。長野はペプシが頑張っていました。
◎Macintoshファンは誰もが知っている立野康一さんが、発売されたばかりのG4 CUBEを持参。さらにドラクエ7まで付いてきたので、信州の地で初ドラクエしてきました。人を喜ばすことにはどこまでもサービス精神満点の立野さん。28日からは中国行きだそうで、多忙な中で相変わらず好奇心旺盛に世界各国を飛び回っていらっしゃいます。話し始めるともう止まらない。集まった漫画家の先生もその独壇場に聞き惚れるばかりでした。
◎回収騒ぎ食品の先頭に立っている雪印にいよいよ法の手が入りました。原因解明はもとより、法的な責任をも明らかにしてくれることを期待しています。でも納得いかないのは、同じブランド名を付けているのに「こっちの製品はほかの工場で作ったから大丈夫」と売られていることです。同社の体質そのものが問われているのですから、逆にいえば、どこで作ったものであろうと同じブランドなら本当に大丈夫だろうか、と考える方がむしろ素直なのではないでしょうか。そういう意味で関西のスーパーなどで商品を置いていないことの方がきわめて当たり前に思えてきます。「安全宣言」といってもメーカーが一方的に言うだけでは納得できません。ましてやいい加減なチェックしかしていなかった監督官庁のいうことなんて全く信用できません。雪印の事件が一段落したら、こういういい加減なチェックをやっていた役人も同時に処分してもらわなくては納税者として許せません。
◎この夏、非常にたくさんの異物混入など回収騒ぎのあった食品が話題になりましたが、逆にいえば日常的にいろんなものが入ってしまうのが普通、と考える方が精神衛生上いいのではないか、と思ってしまいます。実際は日常的に入っていていつもなら誤魔化しが利いたのに、今回いろんな意味でメディアにクローズアップされたから隠せきれなくなった、というのが真相でしょう。僕なんか関西ではデパートにも入っているくらい有名な某メーカーのケーキを3回買って、3回とも全部クリームの中から毛髪を発見するという実に腹立たしい経験をしているので、食べ物関係に何かあると「やっぱりね」「そうでしょ、そうでしょ」とつい言いたくなるのかもしれません。明らかにいい加減に作っているからこそ問題なのです。営利主義で客の安全なんて二の次、売れたらええんやという食品メーカーばかりがトップメーカーという実に寂しいこの国の食べ物産業の実情です。
◎簡単メールはここ!
!不平不満苦情ごみの収集日の問い合わせ、昨年大晦日に注文したそばの出前の行方などさまざまな疑問は、この簡単メールをお使いになりお知らせ下さい普通のメールはこの下の封筒マークからどうぞ。
<今週の一句>懐かしい 友の姿 夢に見る(mako-rin詠める)
筆者/copy right=フルタマコト
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