CD NEWS08月30日号

毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=1998年08月30日午後10時05分


Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp

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◎☆☆☆☆「楓/スピカ」スピッツ

 スピッツのニューシングルはよほど出来に自信があったのか、「楓」「スピカ」の2曲ともにA面になっています。だから、いくら探したってこのシングルには、B面が存在しないのです。そう、珍しいCDです。それなら、一曲だけ収録したシングルを2枚作って、まとめて売ればいいじゃない、と僕は思うのですが…。もっともA面、B面なんていう言い方そのものが、もう古いのかもしれませんね。そこのあなた、ドーナッツ盤って知ってます?

 「楓」はスピッツお得意のバラード曲。別れの歌ですね。君の声を思い出しながらセンチになっている主人公。こんなふうにセンチになっている僕ってかわいそうとでも思っているんでしょうか、いやですね、こういう奴。でも、そういうなよなよした男の子が「もうたまらなく可愛い」という女性もいるのですから、世の中楽しい。まあ、いいでしょう、人それぞれですもんね、他人が口をはさむのも変です。

 好評発売中のアルバム「フェイクファー」の中からシングルカットされたのが、「楓」。シングルのために書き下ろしたのが、「スピカ」です。

 スピッツの曲は、どれを聞いても同じような気がしますが、そのあたりが草野正宗の恐ろしさです。このあたり、トータルコーディネートというのでしょうか、徹底しています。全体にボワッーとした音の中に一度入ってしまうと、決して不快ではないのです。むしろ気持ち良いくらい。このもやもやとした音に包まれるとなんだか幸せな気分になってくるほどです。「スピカ」もその例外ではなくって、聞いているだけでなんだか心地良くなってくるのです。ところで、昔、スモカっていう歯磨粉あったよね。なんだかすぐ変な連想をしてしまう。

  (ポリドール、PODHー1424、1020円)


◎☆☆☆☆☆「COZY」山下達郎

  大滝詠一の復活に影響されたわけじゃないでしょうが、ポップミュージックの探究者、山下達郎も久々のアルバムをリリースしてくれました。前作「アルチザン」以来なんと7年ぶり。ファンにとっては本当にお待たせの一枚になりました。よくぞ、戻ってきてくれました。タイトルは、「心地よい」という意味ですが、文字どおり達郎サウンドは、忙しい日常生活の中で憩のひとときを与えてくれます。

 「COZY」には、これまでCMソングなどで発表してきた「FRAGILE」(サンヨーCM)や「DONUT SONG」(ミスタードーナッツCM)などもしっかり収録されています。特にこの「DONUT SONG」は、“奇跡の出戻り”と業界でも話題持ちきりのドラムス、上原“ゆかり”裕の参加(ここにもまた大滝旋風の影響が…)から、元々コンピュータ・ミュージックで完成していたものを急きょ変更して生楽器での録音のやり直しとなった作品です。ライブ感あふれていて本当にドーナッツが食べたくなってくる曲です。

 このほか、1996年発表の「DREAMING GIRL」や93年シングルリリースの「MAGIC TOUCH」の1998年バージョンなども入っています。全部で15曲、これは実にお得な一枚です。達郎は音の職人で、納得のいく音が得られないかぎりなかなかCD化されなかったのが、ファンとしては正直にいってうれしくもあり、悲しくもあるのですが、最近の録音デジタルテクノロジーの発達で、達郎の要求に応えてくれるようになっているようです。デジタル技術の発達は、こうした職人にも貢献しています。

 (ワーナー、WPCV-7450、3059円)


◎☆☆☆「たららん」パフィー

  なんだか抜けたタイトルなのはパフィー流、それとも奥田民夫流? でも、この曲の作詞は、パフィー&奥田民夫なのです。パフィーにとって、実話的要素(そんな深刻なものではありませんが)の高い作品になっています。シングルとしては通算7枚目になります。

  互いに大貫亜美、吉村由美がいることでパフィーなのだ、と再確認しているような曲。なんだかキャンディーズの微笑み返し的な雰囲気を思い起こします。アーティスト個人の私生活をちょっと暴露しながらも(サービスか、これは)、しっかり仕事している感じが見受けられます。キャンディーズの場合、その後スマートに去って行ったわけ(ごちゃごちゃと復活したりしましたがね)ですが、パフィーの場合はどうなのかな? タイトルを関西人が見ると、なんか不足でもしているんかいな? それで不満なのかいな、とつい思ってしまうのですが、これはリズム的な要素の強い「たららん」なのです。天才バカボンのパパなら「タリラリラーン」といったところでしょうか。これでいいのだ。

 カップリングの「パフィーのツアーメン」(ツーカーホン関西CMソング)にしてもしゃれを取り入れながらもちょっぴり暴露が内輪受け以上におもしろかったりして、うーむ、これはこれでいいのだ。赤塚先生体大事にして、もっと漫画描いてほしいのだ!! と訳の分からないことを叫ぶ今日この頃のmako-rinなのであった。ううう、夏が終わる。

 (Epic、ESDBー4560、1020円)


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Coming Soon


 <反省>日本時間29日午後3時発売されたAppleのiMac。いよいよ5月の衝撃的な発表以来、ようやくユーザーの手元に届く日がやってきました。とりあえずおめでとう、といっておく。でも不満は爆発しそうだ!! 

 泊まり明けで、午後4時まで会社で勤務にへばりついていた僕は買いに行きたくとも行けなかった。く、く、悔しい。しかし、カミさんを数日前から説得してようやく代わりに買いに行く(ありがたいことです、心から感謝)ことを承諾してくれました。なんの因果か、滋賀県大津市という地域で唯一販売している「島村楽器」へ。おおおおおーい、キットカットやキャンソンキヤノンよ、どうした〜〜〜。天下のMacMastersではないか、アップル(AJ)に何を言われようが、せめて一台くらい輸入して、半額で売るくらいの無茶をしてほしかった。島村楽器大津店は、パルコという若者向けファッション雑誌丸だしのデパートの一画にあるところ。彼女のレポートによれば、午後3時前、iMac目当ての人はなんと10人ほど、「やったこれで手にはいる、楽勝と思ったそうです。午後3時に店員が呼びかけた途端に、紀伊国屋書店やTOWER RECORDSに隠れていた人々が一斉にに姿を現わし、その数は60人ほどに。前から17番目ほどにいた彼女は「ゲッ」と思ったそうです。

Macintoshファンの隠密みたいな行動パターンをまだ知らないようです。パソコン市場の90%以上のシェアを奪われたMacファンは、隠れキリシタンのように普段はMacintoshユーザーというのを人々に知られないよう行動しているのです。リンゴの前すら緊張して通らなければならない苦汁の日々を送っているのです。彼女のすぐ後ろに並ぶ人は、学校の先生風の40歳台の男性。両手にインターネットなどでダウンロードした資料を持ち、そばにいたMacFanとおぼしき若者に「大阪から買いに来た」、「大津なら絶対手に入る」と話していたそうです。おそるべしMacな人。

 どうやら、抽選になりそうなのだが、島村楽器は入荷台数を明らかにしない。抽選の後半、あと一台といったころ、ようやく大津店に入った台数が14台と分かり、カミさんも学校の先生も、若者も疲労の色が濃くなっているのに気が付いた。最後の抽選が始まるころ、この若者の携帯電話が鳴り、大阪にいる弟から「大阪のTーZoneならまだ余ってるで」と現場リポートがあった。3人共に最後の一台はゲットできなかった。

 なんのために並んだのか。なんのための予約だったのか、ころころ方針の変わるアップルや島村楽器のやり方に腹を立てながらも、ほしいので予約せざるをえないこの屈辱。えええーい、Apple Storeに申し込んでやろうか。最悪の状態にあったアップルを決して見捨てなかった一ユーザーに対する仕打ち一体なんだろう。盛り上げるための宣伝のためとはいえ、そのために、ここまでユーザーの一部の心をみじめにさせざるをえなかったことを、決して忘れないでおこうと思う。この記憶は永遠に忘れない。本当は心からアップルの再生をを祝いたいのだが、このもやもやとした思いはなんだろう、スティーブ・ジョブスよ、原田永幸さんよ、こたえておくれ。

 そういうわけで、日曜発行原則、たっぷり時間があったので間に合ってしまった。本当はiMacでこの原稿を打ちたかった。残念なのだ。
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<今週の一句>iMac 買えなくなって 寂しいぞ(mako-rin詠める)
蝉しぐれ 秋風にまけず まだ鳴いてる(またmako-rin残すほどないのに詠める)

筆者/copy right=フルタマコト
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