CD NEWS 09/05/99 by makoto FURUTA
CD NEWS09月05日号

毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=1999年09月06日午前07時45分


Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp

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◎☆☆☆☆「古家 学COLLECTION 1996-1999」古家 学

1.いつか通り過ぎてゆく
2.夢の続きへ
3.ペダル
4.いつも君は泣いていた
5.手さぐりの都会の中で
6.君といた季節
7.柿の木坂で
8.地図のない僕でいたい
9.朝焼けの少年
10.愛だけが苦しすぎて
11.雨のピリオド(1999mix)
12.大丈夫
13.僕が歩く場所(1999mix)
14.スロープ

 秋です。ちょっと残暑がありますが、やっぱり秋です。蝉が夜中に鳴いていても、そう秋なのです(また近所の蝉、コオロギと一緒に共演しています)。電車に乗っていても冷房がんがんで冷えます、でも秋です。

 唐突ではございますが、こういう季節、古家 学のCDをお勧めします。抜群の歌唱力を持ちながらも、なぜかいまいちブレークしない。誰のせいでもないと思いますが、一度聞いてみると、このまま埋もれてしまうのは実に惜しい、ときっと誰もが思うはずです。秋の夜長にじっくりアコースティックナンバーを楽しみたい、という人にはこの一枚が最適なアルバム、とCD NEWSが自信を持って「オシ」ましょう。

 古家 学 (ふるや まなぶ)は、1974年9月24日生まれ。1996年10月にシングル「朝焼けの少年」アルバム「希望の明日」でデビューして以来、これまで6枚のシングルと2枚のアルバムを発表している和歌山県白浜町出身のシンガーソングライター。今年4月1日に再発売されたシングル「雨のピリオド」を引き下げて、この4月から3カ月半、沖縄を皮切りに全国47都道府県で弾き語りキャンペーンを行い、ストリートやCDストアなどで魅力的なヴォーカルを披露してきましたから、御存じの方もいらっしゃるかもしれません。
 
 メロディーラインの美しさと、なんだかとてもなつかしい気分になる音がこの人の持ち味。少年の日の自分に向き合って、本当にその頃の自分に恥ずかしくない生き方をしているか、常に問いかけているところ(「朝焼けの少年」)など共感を呼びます。大人になるにしたがって、そうした夢を忘れていくのはつまらないこと、寂しいことだと思います。僕らはあの少年や少女の日があったからこそ、今があるはずです。たとえ鏡の前に見える姿がりっぱな大人であろうと、ちょっと疲れの出た中年だろうとそんなことは関係ありません。若い時代の真摯な気持ちが変わっていない限り、僕らはいつまでも少年少女のままです。
 
 じっくりと腰を落ち着けて音楽活動に専念してほしい。潜在的な古家 学ファンはきっと多いから、一気にブレークすることがきっとあると思います。

 (日本コロムビア、COCP-50098、3059円)


◎☆☆☆☆☆「アポロ」ポルノグラフィティ

1.アポロ
2.ロマンチスト・エゴイスト

 今一番生きのよいバンド、と僕が思っているのがこのポルノグラフィティ。シャ乱Qの例をあげるまでもなく、身も蓋(ふた)もないバンド名でございまして、そこのところがちょっと気にかかります。でも、タイトル曲「アポロ」は、NASAのアポロ計画を歌の題材にしていて、恋愛に留まらず、なかなかいろんなことを考えさせてくれます。ストーリー性があって、僕らの生きているこの時代とこれから行くべき時代を考えさせてくれます。とはいえ、頭ガチガチの楽曲になっていないところがうれしいです。ドライブ(宇宙旅行だからドライブなんていうのんびりした早さではないと思いますが)感があって、アポロと共にどっかに飛んで行ってしまうような錯覚さえ生まれてきます、僕も一緒にどっかに飛んでいきたい(^^;)\(--#)。

 でも、ちょびっと(舶来雑貨店「ちょびっと屋」の久保ひかるさん、お元気ですか?)だけ気になるのは「僕らの生まれてくるずっとずっと前にはもう/アポロ11号は月に行ったっていうのに」の歌詞。えっ、生まれる前?、へえー、そうなんだ。メンバーの生まれた年は1974年で、ちなみにNASAの月探査計画「アポロ計画」では、1969年に11号が人類に降り立ち「この一歩は小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩だ」みたいなことをルイ・アームストロング船長が月面からつぶやき(どうやら、NASAには事前に台本があったみたいですが)、宇宙中継されて西山千さんの同時通訳で日本語を聞いていたのを、僕はボケーとテレビ中継を見ていたのを覚えています。夏休みでしたね。僕が初めて新聞記事を真剣に読みあさった時期です。ポルノグラフィティのメンバーは1974年生まれだから、知らないんだ、ふーん。

 その月から取ってきた石は、翌年の1970年大阪万国博覧会で、アメリカ館に「月の石」が展示されました。今なら何の違和感もない空気だけで柱という構造物のない白いドーム型のそのパビリオンの前に皆、長蛇の列を作って、もうほとんど“かけら”状態の石を見に行ったのを覚えています。なにしろ、僕は万博リピーターボーイでして、何度も何度もひとりで会場に出かけておりましたから(今から思えば回数券購入しておけば良かったと反省しております)。

 メンバーは、Vocalの"アキヒト"こと岡野 昭仁(1974年10月15日生まれ、広島県因島市出身)、Guitarの"ハルイチ"こと新藤 晴一(1974年9月20日生まれ、広島県因島市出身)、Bassの"シラタマ"こと白玉 雅巳(1974年4月27日生まれ、広島県因島市出身)の3人。

 「このままのスピードで世界がまわったら/アポロ100号はどこまで行けるんだろう?」という歌詞、残念、アポロ計画は17号(1972年)で終了しています。ごめん、揚げ足取りになってしまいました。でも、彼等の想像するようにナンバーリングからいってアポロ100号に相当するロケットが地球を飛び出している数十年後の世界って本当にどうなっているかわくわくします。人類が空を飛びはじめたのは、この100年以内なのに一気に宇宙にまで広がっていくのですから、ここしばらく科学的な発達はめざましいものがあります。スタートレックやスターウォーズの世界はまんざらSFXムービーや絵空事の世界ではないのでしょう。

 そうそう、この「アポロ」は、TBS系「ここがヘンだよ日本人」のエンディングテーマソング。この番組って外国人のすごいパワーがあっておもしろい。日本に対して率直な意見(時には間違いや偏見もあるけれど)をズバズバ言ってくれるので、思わず見てしまいます。すでに廃れた言葉ですが、視聴者参加番組って金がかかりそうですが、やっぱり楽しい。笑うだけのおばさんやちょっとどうかしている学生がうしろに座っているだけの番組とは違うんです。でもなぜビートたけしが出ているのか良く分らない。意味がない出演者と思うのは僕だけ? でもそんなことって宇宙からしたらたいしたことない問題なのかもしれません。

 (SMEレコーズ、SRCL-4618、1020円)


◎☆☆☆「自転車なんだよ 人生は」東京プリン

1.自転車なんだよ 人生は
2.Let's Ride On Bicycle〜夢に向かって〜
3.自転車なんだよ 人生は(オリジナル・カラオケ)
4.Let's Ride On Bicycle〜夢に向かって〜(オリジナル・カラオケ)

 この暑いのにプリンの被りものでひたすら頑張っている「東京プリン」のご両人、好きです。プリンと名が付けば、横山プリンも好きでした。東京プリンのマネージャーになりたいというそこのアナタ!今がチャンスです!!「27歳以下の方なら、誰でも応募資格があります!! 男性・女性問いません!」ということだそうです。詳しくは東京プリンのマネージャー募集を見てね。

 それにしてもこの「自転車なんだよ 人生は」という北島のサブちゃんも歌わなかった題材を選んだのは、やっぱり「競輪”自転車体操イメージソング」のタイアップがあったからか。

 それにしもなんだかノリがいいぞ、変にいいぞ。こうなりゃ競輪ファンだけに聞かせておくのはもったいないとピックアップした次第。「こぐこぐこぐこぐペダル」とか「チリリン チリリン ギーコギコ」なんて、もう漫才的センスが随所に現われていて泣けます。しかもこの曲はなんと後藤次利さんではありませんか。

 エイベックスの中では「えんか」部門のようですが、東京プリンには、これからもずっとこのようなノベリティータイプの歌をやり続けてほしい、と思います。だって日本の音楽土壌って時々、「たい焼き」や「だんご」なんかが突如大ヒットする、予測の付かないブームを秘めているから決してあなどれません。何事も全力投球でこなしている東京プリンですから、きっと「ビンゴ!」って叫ぶ日も近いと思います。

 それにしてもこの英語バージョンの「Let's Ride On Bicycle〜夢に向かって〜」って強烈。直訳が素敵です。ちょっと熱が…。くらくらしてきました。

 さらに「さび部分」だけの限定付きですが、振り付け解説まで付いているなんてところが、ダンシングファンには痒いところに手の届くうれしい配慮ですね。でもいったいどこで踊るんでしょうかねえ。

えんか!! えいべっくす、AVDO-20319、1020円)


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Coming Soon


<反省>
◎【おわびと訂正】08月22日号CD NEWSで間違えてしまいました。ナイアガラMLなどで有名ナイアガラーの丹野さんからこんな御指摘メールをいただきました。

Subject:ちょっとつっこみ
こんばんは、丹野です。
ナイアガラMLではお世話になっています。
ところで、今回のCDNEWSで、

>  あの吉本興業の強力天然“平気”山田花子のデビューシングル。

となっていましたけど、あれ? 前にも出していたんじゃなかったっけ?と思って、調べてみたら、山田花子とキムラ・チャン名義の「虹色橋」がデビューシングルで、その後、「ブス」という曲も出していて、これが3枚目のシングルだそうです。(その3枚が、全部レコード会社が違うのも、何とも。)
 「ブス」は知りませんでしたが、「虹色橋」は、つんくの作曲と言うことで話題となり、つんくも匙を投げるほどの歌唱力と言う噂が流れているのを聞いていますから、多分間違いないです。(これのために CDNOW検索をかけた自分が情けない。)

それでは、失礼いたしました。

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*セイン・カミュをセイント・テールと読む会会長*
丹野 信治
 “ちょっとつっこみ”の丹野さん以外にも吉本興業の内情に詳しい同僚からも同様の御指摘を受けました。すみません。間違えてしまいました。ごめんなさい、おわびして以下のように訂正します。丹野さん、佐々本くん(同僚!)、岸下くん(同僚!)ありがとうございました。
 「山田花子としては過去にCDのリリース歴があり、このユニット『hanako with PUFFY』としては初のCDシングルです」

◎あああ、びっくらこいた。何の前触れもなく突如「G4」が発売されたから。ジョブスがiCEOになってからはAppleは秘密主義になってしまいました。でも、そのおかげで新製品がリリースされた時のインパクトの強さはこれまで以上。で、これって現在の「G3」が、うれしいことに値下がりする前兆ととらえていいかな、って勝手に想像しております。iMac以降、価格がまるで統制経済のように、ガチッと固まって面白みにかけるきらいがありましたが、「G4」の存在が少しは面白くなるきっかけを作ってくれたかのよう。

◎それにしても、G3だけでも十分なスペックなのに、さらにそれを上回るG4がなぜ出てきたか興味のあるところです。アップルにとって、すべてのマシンがある意味で大きな変革の時期にやってきている、ということでしょう。まもなく発表されるMacOS9とその次に控えるMacOSX(Ten)では、これを支えるハードにかなりのスペックが必要になってきます。その部分を担うのがこのG4マシンなのです。そういう意味ではまだそのスペックを十二分に発揮するほど追い付いていないような気がしますが、時代の先取りといえば多くの人に納得してもらえるのではないでしょうか。

◎今でこそネットワーク環境は、オフィスや家庭でごく当たり前のものとなりましたが、Appleのデスクトップマシンは今から7、8年も前に既にイーサーポートが標準装備されていました。こうした先行投資を魅力あるものとして、あるいは未来のビジョンとして当時のユーザーたちが受け入れたからこそ、今のネットワーク社会のある種の基盤を作ったともいえるのです。

◎それにしてもあまりにもスペックは高いのに、そのプライスは現在のG3マシンとほとんど変わらないところにも正直驚いています。Appleのやることはいつも、常識と思っていたことを根底から覆し、気がつけばそれが新しい時代の常識になっているんだから本当に憎めません。今度はいったいどんな提案をしてくれるのか楽しみです。

◎アメリカに在住しているMac私設エバンジェリスト、大谷和利さんからのメールによれば、IBookの発売日が9月26日と正式に新聞の折り込みチラシに明示されたそうです。いよいよ、ですね。

◎あっ!!、一言評論家のまこりん先生。あの〜、先生。「ご気分は? 」、「眠い」--そのまま立ち去ってしまう。「またもやいつものごとく一言で片付けられてしまった」。夏が終わったら「暑い」以外何を言うか楽しみにしていたら、これだもん。よほど話すのが嫌いなんだろうか。


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<今週の一句>電車の 冷房やめて もう秋よ(mako-rin詠める)
G4 の 夢のまにまに G4漂う(字余り。mako-rin詠める。)

筆者/copy right=フルタマコト
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