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RAZZ MA TAZZ(ラズマタズ)の4枚目のアルバム。今年2月 から制作に入っていたというだけあって、かけられた時間を考えてもなかなか愛情のこもった作品になっています。これまでのRAZZ MA TAZZとちょっとイメージが変わっていると感じるかもしれませんが、ファンの多くは、当初困惑しつつも聞き込んでいくにつれ、やっぱりさすがRAZZ MA TAZZだと再認識するでしょう。あるいはRAZZ MA TAZZを聞いていてよかったなあ、と思うかもしれません。タイトルは「対話、問答」などといった意味で、ちょっとお堅い感じがしますが、一旦CDプレイヤーに載せて聞き出すと、時間の流れさえも忘れてしまうほど、ゆったりした気分にさせてくれます。まるでRAZZ MA TAZZのメンバーらと本当に会話をしているかのように感じるかもしれません。曲そのものもほどよく抜けた雰囲気というのでしょうか。なにかゆっくり物事を考えてみたい。思索の秋にふさわしい作品なのかもしれません。
4枚目にして彼らの代表的な作品ができた、と表現していいでしょう。トラックダウンを行ったイギリスでの雰囲気を伝える写真は、歌詞ノーツに何枚かありますが、この写真と音の世界が見事にリンクしていてじっと見とれてしまいます。引きずり込まれていき、その中で一緒に考えているような錯覚にとらわれます。ロンドン郊外の農場やひなびた町の写真(猫もかわいい)とRAZZ MA TAZZのこのアルバムの音がとても気持ち良く溶け合っています。CDを購入した人はこのあたりもぜひチェックしてみてください。 (フォーライフ、FLCF-3694、3059円)
還暦を迎えた若大将、加山雄三の「夜空の星 」や「蒼い星くず」などのオリジナル音源を思いっきり自由に使ってサンプリング。1997年ものとしてアップデートしたのが、このシングル。かすかに聞こえる若大将の声。全面的に、僕の大好きなピコピコサウンドが広がっています。まさに宇宙空間に永遠のスタンダード曲が解き放たれたかのようで楽しい曲に仕上がっています。こうした新しい味付けををかねてからの若大将ファンはどう感じるか興味津々ですが、きっとぶっ飛ぶことでしょう。ぶっ飛びついでにNobuhiroの本名を見て僕もぶっ飛んだわけですね。「池端信宏」。これを見てなーるほどと思ったそこのあなたはかなりの加山雄三ファンですね。 僕もファンです(なんのこっちゃ)、なるほど、これなら思いっきり自由に音源が使えてもおかしくありませんね。
NobuhiroはMacintoshを使って打ち込みによる曲作りを高校時代からやっていて、1992年に喜多嶋修(舞パパですね)に見い出されて音楽活動をはじめ、95年に、アルバム「FLING HIGH」を出しています。が、チョット時代が早かったのでしょう。2年ぶりのこのシングルをきっかけに新たな活躍がのぞめそうなので期待して見守っていましょう。(ファンハウス、 FHDF-1650、1020円)
なんとISISのシングルはDJのせがわきりさんからのリクエストなのです。なんだか本職からリクエストいただいて恐縮ですが、彼女のFM番組「ラジオマガジン・ホワッツ・イン」のテーマソング担当がISISらしくて、半年前にリクエストいただき、ようやく実現したものです。待てば海路の日和ありって、ちょっと時間かかり過ぎですが、きりちゃんどうか、お許しを。きりちゃんは、Performa5220を使ってホームページ「せがわきりの極楽ホームページ」http://www.inter.co.jp/KIRI/を作っていますので、一度訪れてみてください。
さて、ISISのサウンドですが、全体にシンプルで楽しめます。「恋する二人」はサビ部分がさわやかで、どことなく郷愁を感じつつ、恋のせつなさをさりげなく出していて、胸締め付けられる思いがします。山下さんちの“クマ”達郎や大貫“ター坊”妙子のいたSugar Babeのサウンドに非常に似ているんですね。特にカップリングの「雨の日」は。古き良き時代のほのぼのサウンドなんです。そう思って聞き出すと、ヴォーカルの声もなんだか達郎っぽく聞こえてくるじゃありませんか。裏声がなかなか素敵です。
そんなわけで、ISISは、初めて聞いた人にもどことなく懐かしい1970年代の良きサウンドをじっくり教えてくれる久々の清涼剤といえそうです。アルバムリリースを期待しましょう。(EPIC/SONY、ESDB-3775、816円)
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筆者/copy right=フルタマコト cdnewsjp@yahoo.co.jp