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中谷美紀の約1年ぶりのセカンドアルバム。これまでリリースしたシングル「いばらの冠」などを加えた最近のヒット曲の大成といえそう。プロデュースは、中谷のデビュー時から手がけている坂本龍一。つまり、中谷のアルバムであると同時に坂本の作品でもあるわけで、それぞれのファンにとっては、注目の一枚です。2枚組みで一枚目は全8曲のうち、CARPENTERS によって大ヒットした「SUPERSTAR」(作曲はあのレオン・ラッセル)を英語の歌詞そのままでカバーしているのもおもしろい試みです。
中谷ヴォーカルは独特の宇宙があって、聞く人をフリーズさせがちですが、(コマンド+control+電源スイッチによって)元に戻った瞬間、非常に気持ちよいのですね。もう一枚のCDには、その中谷自身が好きなヒーリング・ミュージックを、中谷の希望、企画によって坂本教授が書き下ろした楽曲が収められています。中谷が現在、凝っているアロマテラピーと組み合わせ、「Aromascape」「Aromascapeーno piano mix」という2曲が完成。全部聞くと1時間はかかりますが、とても気持ち良くなります。タイトル「CURE」が示すように偽りのない「癒し」のアルバムに仕上がっています。(フォーライフ、FLCG-3030、3059円)
元プリンセス・プリンセスの今野登茂子のセカンドアルバム。とはいえ、ファースト(1994年4月)は、プリプリ活動中のアルバムだったので、これがソロになって本当に初めてのアルバムという位置付けになります。
非常にバラエティー豊かなアルバムに仕上がっています。なんでも今野は、プリプリに加入する前の17歳くらいの音楽生活に戻ってこのアルバムを作ったとか。1曲目の「大丈夫」は自立した女性への第一歩、勘違い男をいきなりノックアウトさせながら(こういう場合、男は黙ってついていくのがよいようです)「楽しい結末を必ずものにします」という頼もしい宣言のようにも取れる、一人立ちする女性への応援歌のみたい。恋をする高なりをカメラのフィルムの数に例えるなんて、登茂子さんは、まだ、デジタルカメラは持っていないようです。続く「パリだもの」ともに力が抜けながら飄々と人生を楽しんでいく女性の姿が生き生きと表現されていておもしろい作品になっています。
もう一ついい味出ているなあ、と思うのは「お魚釣り」。魚釣りの臨場感ある効果音もおもしろいけれど、けっこう最近のフィッシングブームの魅力はこの歌に詰まっていたりしてね。でもこれ波の音していますから、海釣りなんでしょうね。「水の国」には、琵琶湖というどでかい“池”がありますが…。そしてタイトル曲「Prime of Life」は、説教がましくはなくて、大いに参考になる、そうちょっと大げさないい方をすれば、人生の指針を与えてくれるような前向きな歌。なかなか今野さん達観しているのですね。(ファンハウス、 FHCF-2398、3059円)
マッキーのビデオクリップ、もう見ましたか? あれはおもしろい。かわいい人形(白い毛をしたオラウータン)を持った腹話術師、槇原敬之が人形を操りながら、2人でデュエットしているクリップです。実にうまくできていてほのぼのとして良いのですが、途中から、これはもしかして槇原君の方が実は人形で、かわいい人形と思った方が、正真正銘の腹話術師ではないか、と感じたのです。そう思うと、あの槇原人形、実にうまくできていました。かなり上手に歌います。あの人形きっとただものではないぞ。
それにしても、槇原君のクリクリ頭なんとなくコワイ。レコード会社を変えて心機一転という気持ちはよくわかるのですが、ちょっとあれはやりすぎと思います。客が引いてしまいます。
映像といえば、もう一つ。清涼飲料水のキャンペーンテレビCMにも槇原くんが、雪の中でいきなり歌っているバージョンが現在流れていますが、これもなお一層唐突でコワい。映像の中で槇原君のそばにいる子供もちょっとビビって、引きつっているような気がします。僕の周りにいる女性陣もこのCMが流れ出すと、笑いながら見ています。これって笑いながら見るCMと違うと思うのですが…。でも、槇原サウンドは最近一層シンプルになっていて実に心打ちますなあ。このあたりの楽曲と映像イメージのギャップ、制作者はどのようにとらえているのでしょうか。(SONY Records、SRDL-4399、1020円)
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筆者/copy right=フルタマコト cdnewsjp@yahoo.co.jp