毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=2001年12月31日午後10時10分
Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp
■01. 檸檬〜レモン〜
■02. 遥かな光
■03. 雨のち晴れのち愛のうた
途中間奏のドラムがなんだかJITTERIN' JINN風で大好き。そんなわけで夏場のリリースCDを出してきての紹介です。In the Soupは、この後に出したアルバム「火花浪漫」が結構おもしろかったりするのですが、mako-rinは、直前に出たこの「檸檬〜レモン〜」が好きなので仕方ありません。
梶井基次郎の「檸檬」をつい思い出してしまいます。その昔、京都の丸善に行くたびにどこかに檸檬が書籍の上に仕掛けられていないか、とっても期待しておりましたが、一度も見たことがありません(笑)。確か書籍を見事なくらいにバラバラの色彩に城のように積み上げてその上に袂(たもと)の檸檬を取り出して載せて、そのまま店を出て来たのです。店のなんだか重苦しい空気がこの檸檬爆弾で吹っ飛ぶのを想像している梶井のいたずらになんだかわくわくしたような気がします。
ある意味ではこれは愉快犯ですが、今、同じことをしたらきっとなんらかの罪に問われるはずです。ある意味では現代の方が基次郎が生きていた時代よりも閉塞感が大きいのかもしれません。
で、In the Soupの中尾諭介は、この檸檬爆弾を拾ってきてかじりついてしまいます。当然爆弾ですから口の中で思いっきり酸っぱさが爆発します。分かったふりして生きている、そのくせ人生に流されているだけのダメなおれがここに居て、確かなものが欲しいためにかじりついたのです。その結果は……。
なんだか、とっても変な楽曲ですが、これが不思議に耳に残るんだなあ。
(日本コロムビア、COCA-50638、1260円)
◎☆☆☆☆「VOICE」安藤 希
■01. VOICE
■02. タカラモノ
■03. CANDLE
■04. VOICE(instrumental)
■05. タカラモノ(instrumental)
■06. CANDLE(instrumental)
安藤 希(あんどう のぞみ)の2枚目のマキシシングル。デビューシングル「PLACE」が、本当の自分でいられる居場所(PLACE)を見つけたことをつづったのに続いて、このシングルでは自分が感じている想いを、素直に言葉に表現した、開放的な声「VOICE」をテーマにしています。
自分にとって大事な人、背中を後押ししてくれ人は意外に自分のすぐ目の前にいるのかもしれません。日常生活での多忙さに追われてしまって、本当に大事なことをついつい忘れてしまいがちです。そういう大事なことを19歳という若さでしっかり見つめている安藤 希の視点には頭が下がる思いです。
作詞そのものは夜寝る前に自宅でノートに書き留めています。「机に向ってでないと書けないのです」と話します。ちょっと考え方も物言いも古風に映る安藤 希ですが、実は携帯電話が作詞に大いに役立っているところが現代っ子風ではあります。「思い付いたフレーズなどを携帯のメールで打ち込んでおいて、自宅のパソコンに送っておきます。これを元にして夜まとめます」。大学生になったばかり。「国文学を専攻したのですが、大学で学ぶことはずいぶん作詞に役立っています」という。そう、子どもの頃から安藤 希は国語が得意だったのです。
1999年映画「ガメラ3」でデビュー。2000年夏、初主演の「さくや妖怪伝」(SFXホラーファンタジー時代劇映画)では強くてかっこいい女性剣士の演技で多くのファンを獲得しました。この映画で第55回(2000年)毎日映画コンクール/スポニチグランプリ新人賞を受賞しています。
2002年1月にはホラー映画「富江4」のクランクインします。「2002年も映画と歌を両立させて頑張っていきたい」と話す。ちなみに次はアルバムの予定で、書き溜めた詞がどんどん出てきそうです。「ピアノもやっていたので、これから作曲も勉強して作詞・作曲に挑戦したい」
(日本クラウン、CRCP-100021、1300円)
◎☆☆☆☆「Confession」hiro
■01. Confession
■02. Next Stage
■03. Confession(M-Control Mix)
■04. Confession(instrumental)
■05. Next Stage(instrumental)
SPEED解散後、活動が期待されていたhiroのソロ・ニューシングルです。阪神大震災からの復興を願う淡路島の人々のために今年は一回だけのSPEED復活コンサート(関西テレビでは1月1日午前2時15分から再放送を行う)をしましたが、この4人のつながりってのはやっぱりいいですね。
さて、hiroのソロもSPEEDに負けず結構いいんです。「Confession」は日本語に訳すと、「告白」でしょうか。いつも心の中で思っているんだけれど、好きな人に逢うとどういうわけかなかなか好きといえない、そのもどかしさ。
恋愛の難儀さなのですが、それが嫌という人がいるかと思えば、それが良いという人も。人それぞれといってしまえばそれまでかな。いつまでも口に出せずにしのぶ恋のようにずっと心に思っているだけで終わるというのもなかなか味があっていいものではないでしょうか。
言わないカッコよさもあるような気がするんです。「Confession」はこういう揺れ動く気持ちをうまく表現して、メロディーもきれいでグッと来ます。なんだか一度聞くと胸がキュンとしながらも、あたたかい気持ちになれるという不思議な楽曲です。
「Confession」はグリコ「10種の野菜とアロエのヨーグルト」CMソング。
(エイベックス、AVCD-16012、1050円)
<反省>
◎いよいよ暮れも押し迫り、きょうは12月31日でございますが、まだ10月14日のCD NEWSを執筆しております。テレビはあの赤と白に分かれて歌いまくる合戦をやっております。ちなみに今浜崎あゆみがうたっています。浜崎は「Dearest」で第43回日本レコード大賞(日本作曲家協会主催)に選ばれました。ちなみに最優秀歌唱賞は田川寿美(「海鳴り」)、最優秀新人賞はw―inds.です。
◎もう少しで2002年ですが、どうか新しい年もCD NEWSをよろしくお願いいたします。
<今週の一句>気がつけば 2001年も あと少し
筆者/copy right=フルタマコト
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