毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=1999年11月01日午前10時30分
Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp
◎☆☆☆☆☆「今日はいい天気」あずまひでこ
1.静寂
2.願い
3.子供の心
4.今日はいい天気
5.私の天使
6.私の幸せは
7.愛の詩人
8.眠り
9.花びら一枚
10.忘れないで
11.教えてほしい
12.雨あがり
13.信じる心
1960年代から70年代にかけて全国的に活動したフォークグループ・五つの赤い風船。現在のバンドが全国ツアーなんて名前を付ける前から、とっくの昔に隈(くま)無く全国を行脚、制覇していました。フーセンといえば、少しでもフォークに顔を突っ込んだ人は、知らなきゃモグリのような存在なのでした。
そしてそのフーセンのボーカリストといえば、やっぱり「フー子ちゃん」(旧姓・藤原秀子)でしょう。もちろん西岡たかしのおじさんもおもしろかったけれど、フー子ちゃんこそ、1967年「五つの赤い風船」結成から以降、全国各地で演奏活動し、フォークブームのミドル・オブ・ロードを歩き、多くのファンを魅了してきた存在といえるでしょう。
10枚にも及ぶアルバムをURCで発表した「五つの赤い風船」の時代に、フー子ちゃんは、ソロアルバム「私のブルース」(再発CDとして、東芝EMI、TOCT-10388、1835円)を1枚だけ発表しています。このアルバム、今、聞いても実に斬新なもので、当時はあまりにも“越えた”一枚とあって、このなかなかしゃれた雰囲気を理解してくれる人は少なかったようでした。ステージの上では実にボーイッシュなフー子ちゃんでしたが、彼女の独特の雰囲気と歌声は、「フーセン」の大きな思い出と共に蘇ってきます。 僕も数回リアルタイムでフーセンのステージを見ることができ、なんだか底抜けにおかしいステージとともに、一旦、演奏に入るやピシッと決めるカッコ良さにすっかりまいってしまいました。
1972年、フー子ちゃんは、同じメンバーの東祥高(あずま・よしたか)と結婚、グループは解散してしまいました。フー子ちゃんは家庭に入り、79年に記念コンサートに一度出演したきりで、以降ステージには立たなくなりました。 でも家庭に入っても、音楽は忘れていません。家事の合間にエプロン姿のままピアノに向かい好きな歌を歌ったり、作詞・作曲を自分や家族の楽しみとして続けてきました。
99年秋、二児の母親としてのフー子ちゃんは、長男が中学生となり、長女が結婚したのを一つのきっかけとして、これまで作りためてきた歌をまとめ、子供たちへの贈り物として今回のアルバム「今日はいい天気」を完成させました。
フー子ちゃんのソロ・アルバムは全13曲。すべて彼女の作詞・作曲です。家族のCDともいえるアルバムで、編曲・演奏は夫の東祥高、イラストは長女のあさひさん、 タイトルの題字は長男の祥太郎くん、という豪華メンバーです。
「今日はいい天気」ジャケットcopy right=加国あさひ
実は先日、 取材でフー子ちゃんにお会いしたのですが、全然変わっていないのですね、雰囲気が。このアルバムをどういう人に聞いてもらいたいか、って話になった時、僕は頭の中で「やっぱ、昔のフーセンファンかなぁ」、と漠然と思ってそうたずねたのですが、「思い出にしばられるのはイヤ」っておっしゃったのです。そして続けて、もしファンが聞くとしても「新しい自分を見てほしい、今の私がここにいます」と。もう雷に打たれた気がしましたね。この言葉が本当にその通りだと気付くのはやっぱりCDを聞いてからでしょうね。このアルバムは、非常に内輪のこととして自主製作盤として出したものだから、プライベートレーベルなのですが、たぶん、心あるレコード関係者なら、このCDを聞いて、きっとこのままほっておくことはないと思います。
全編、包まれるような感じがただよっていて、イントロを聞いただけで感性の強い人は涙してしまうかもしれません。実に落ち着ける歌が集まっているわけです。フー子ちゃんは、「家族問題で悩むお母さんの励みになればうれしい」と話していましたが、お母さんばかりでなく、この世に生を受けた人誰もがきっとこのアルバムを聞くことで心洗われるのではないか、と僕は思っています。
僕が好きな歌は、非常に厳かな中に凛(りん)とした空気が伝わってくる「静寂」と、タイトル曲「今日はいい天気」。あさひさんのアルバムジャケットのような青空広がる爽やかな気持ちが実にうれしいですね。晴々とした気持ちにいたるまでには、人生はさまざまな波というか障害があるのだけれど、それらを乗り越えた時の大きな喜びや安息があることを伝えています。「今日はいい天気」はシングルカットすれば、ヒットする可能性が秘められていると思うし、ひょっとしたら、多くの人の愛唱歌にもなるのではないか。
近く2回目のレコーディングに入る見通し。新しいシングルのリリースも予定されています(そんなことしゃべっていたのだから、きっとそうでしょうね)。また、12月25日予定でソロ復活コンサートも大阪で計画されているそうです。従来からの、そしてこのアルバムを機会に新しくファンとなった人にとっても目がはなせないのではないか、というのが正直な思いです。それと僕にとって目がはなせないのは、東家に暮らしているネモちゃんという犬(雄、7歳)が注目に価します。なぜなら、このネモちゃん、歌が歌える(!)ワンちゃんなんですから。フー子ちゃんの歌とピアノを聞いて育ったせいか(ぜいたくな犬です)、この部分でバックコーラスが必要、と思われるのを察知して歌い出すのですから、大変なものです。そのうち、バックコーラス=ネモ、というクレジット入りのCDが出ないかとちょっと期待しています。
さて、ナイアガラーの皆さん、このアルバムは即ゲットものです。レアなものですし、何よりも楽曲が実に素晴らしいからです。Q-bric Recordsレーベルのうちにゲットしましょう。この意味分かりますね? なお、申し込み方法は、あずまひでこのページからです。電話での問い合わせは、事務所のニュートン(電話06・6453・5141)へ。
(Q-bric Records、NW-1011 、3000円)
◎☆☆☆☆「こんな日だったね」小田和正
1.こんな日だったね
2.あなたのすべて
小田和正のニューシングル「こんな日だったね」は、テレビでNISSAN(頑張れ!新生日産)エルグランドのCFソングでオン・ジ・エア中なので、たぶん御存じのはず。それにしても中盤に移った瞬間、いきなりめっちゃ早口になってしまう(小田風一気に歌ってしまう方法を身に付けなくてはつらい)ので、思わず歌詞を見に行きました。よくあれだけ舌が回ります。そういえば急激に思い出したけれど、小田和正って昔、僕が通っていたそろばん塾の先生に顔立ちが似ています。しかも、そろばんの先生も、めっちゃ早口が得意で、読み上げ算なんて、どこで息つぎしているんだろうか、とよけいなこと考えて暗算を妨げるほどの名手でした。
歌の緩急のうまさは小田の大きな特色で、そのセンスの良さはこのシングルにも現われています。もうこのあたりでぐっと来るのではないか、という期待は見事に叶えられます。いいなあ、わかりやすいなあ。愛はいつまでも続く、最後の時がくるまで続くという歌詞の真摯さ。愛を再び誓いあって、もう一度、ともに歩んで行こう、という様子が読みとれます。永遠の愛がテーマになっているのですが、少しの照れもなく、堂々としているところが好きです。
カップリングは「あなたのすべて」。こちらは失恋の真っ最中の歌。目の前から去って行く様子から始まるこの歌は、やっぱりキーポイントは女性の優しさだろうか。そして思いきりの良さ。「なくせるものは なくなればいい」、こうあっさり言われると去り行く男性もちょっと辛いものがありそうな感じです。女性の存在の大きさを感じてしまう一曲。
(BMGファンハウス、FHDL-1108、1020円)
◎☆☆☆☆「Aurora Tour」NiNa
1.Aurora Tour
2.Aurora Tour<Instrumental>
デビュー曲「Happy Tomorrow」(フジテレビ系ドラマ「彼女たちの時代」主題歌)に次ぐ、NiNaのセカンドシングルは「Aurora Tour」。この歌はTBS系「新ウンナンの気分は上々。」のエンディングテーマソングになっています。
NiNaは、スーパーバンドといってもよいメンバーの集まりです。YUKI(JUDY AND MARY)、KATE PIERSON(the B-52's)、佐久間正英(伝説のバンドPLASTICS)、島武実(PLASTICS)、MICK KARN(JAPAN)、STEVEN WOLF(ミューヨークのセッションドラマー)といったメンバーなんですから顔ぶれを見るだけですごいでしょう。これが実際にプレイしてしまうんだから…。
「Aurora Tour」は、YUKIとKATEのダブル・ヴォーカルで、幅の広さを感じさせると同時に、あふれんばかりのエネルギーの強さが、リスナーを直撃するかもしれません。うーん、空腹時の試聴は控えた方が良いかな? JーPOPという枠にとどまらない本当に弾けるほど新鮮(これこそポップスの神髄)で、わくわくする楽しみが4分43秒に濃縮されて詰まっている1曲です。
(Sony Records、SRDL-4669、816円)
<反省>
◎このところ、ずっと遅れ気味だったCD NEWSですが、今週は、メールマガジン版だけは、定時の月曜日更新に間に合いそうで、ほっとしています。WEB版は一日遅れになりましたが、お許しください。今回は自主製作アルバムを取り上げましたが、今後も素敵なサウンドで誰もが入手できるCDなら紹介していく方針です。
◎業界Macな会の木村会長からのお知らせです。
再デビューの業界限定のライブに潜り込みませんか?
ロスインディオスの「男と女のラブゲーム」の女性ソロをとっていた阿部幸美が、シンガーソングライターとして「電車を降りた時から」で再デビュー予定。
これに先がけて業界限定のライブが、来る11月13日(土)午後7時から大阪北新地のライブスポット「ポケット」(駅前第3ビル南側)にて開催されます。本来なら業界オンリーですが、この記事を見た方、男女3ペアーの方のみ15、000円(食事とお酒飲み放題付き2名分)で潜りこめます。御希望の方は、先着順で
mistake@ea.mbn.or.jpメール受付します。
という告知でした。お酒が入るから成人オンリーとなりそうですね。お時間がおありでしたら御参加ください。
◎MacOS9が発売されましたが、もう購入されましたか? いろんな機能が盛り沢山で、まだ全部試していないのですが、今アップルに望むことは、こういうイベントはもっと皆で騒ごうよ、ということです。前回の時は台風が来たって大雨の中で震えながら皆で深夜から並んで実に楽しかったじゃないですか。Macのユーザーがお互い顔を知らなくても心を一つにできるお祭りなんだから、ぜひ次回の「X」では復活させてほしいものです。
◎簡単メールはここ!
!不平不満苦情ごみの収集日の問い合わせ、昨年大晦日に注文したそばの出前の行方などさまざまな疑問は、この簡単メールをお使いになりお知らせ下さい普通のメールはこの下の封筒マークからどうぞ。
<今週の一句>iBook 2色あるけど どっちがいい?(mako-rin詠める)
筆者/copy right=フルタマコト
!メールをください!
cdnewsjp@yahoo.co.jp
前号に戻る
次号に進む
ホームに戻る