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ナントCD NEWSのメールマガジン版では、臨時号外をこのシングルCD一枚の発売のために、CD発売日(11月12日)に合わせてに発行してしまったのです。この記念すべき日になんかしなきゃいかんと思いながら、泊り明け勤務と風邪といった絶好調コンビでボーッとした頭で考えながら帰宅途中のJR車内でこのアイデアを思いつき帰宅後、Macに飛びついたのです。
もちろんこの水の国CD NEWSがナイアガラ公認非公認家頁といった以外に、正当な臨時号外発行理由もちゃんとあるのです。現存の日本のポップス界で、最長不倒の休眠状態にいた大滝が本格的に活動(大滝氏は自らのホームページで今年元旦から復活宣言を行っていました)を始めたこと、さらにナイアガラ・レーベル初のBlue Labelが登場したこと、もう一つおまけに、ナイアガラ・レーベル初のシングルCDとなった点、どう考えてもニュースする価値があるのです。ちなみに古くからのナイアガラファンには周知の事実ですが、日本で初めて(ということは世界で初めてか)CDがリリースされた、栄光の邦盤トップリリースが大滝の作品なのです。まあ、この人はこういう記録ものが大好きですから。今回もなんかきっと仕掛けてくるナと思ったら、記録の連発技でしょう、負けますわ。で、こっちも返し技として、CD NEWSメールマガジン版初の臨時号外で対応したわけです。そういう意味では、あのメールマガジンは、デジタル時代に入ったナイアガラを象徴する新しい形のコレクターズ・アイテムになりますなあ、僕も一通持っているぞ、なんだかうれしい。
「幸せな結末」は、Yellow Label時代の音に大変近い仕上げになっていて、古くからナイアガラサウンドを知る人達を一安心させています。曲調そのものは、大滝が大好きな小林旭のためにつくった「熱き心に」路線。でも実はよ〜く聞いてみると隠し味ともいえる、さまざまな仕掛けがしてあり、陰でニヤッといたずら小僧のように笑っている大滝の顔があらゆるところに見えてきそうです。この手の隠しネタ明かしは、手品、サスペンス映画や本の紹介などのように御法度ものですので書きたくてもこれ以上書けません。どうしても興味ある方は、NIAGARA MAILING LIST(ナイアガラメーリング・リストURL=http://yamibm.sc.niigata-u.ac.jp/~pages/ami-goml.htm)にでも加入して情報収集してみてください(ナイアガラメーリング・リストの中山さんよろしく)。もちろんあの伝説の人、大滝詠一をこの楽曲によって初めてキムタクや松たか子の残像と共に知った若い人達にもこうした隠しネタの存在を知らなくても十分楽しめます。それはナイアガラ・サウンドの魅力が聞けば聞くほど感じられるからです。大滝のレコーディングには、日本のミュージシャンの錚々たる顔触れがごっそり集まり、たっぷり時間をかけて音録りをしています。こうした贅沢なことができるのは大滝ならではのことで、なかなか他のミュージシャンも真似したくてもできないのです。まさに職人芸のような完成された音があるのです。こうした姿勢は彼がソロになり、ナイアガラ・レーベルを始めて以来一貫しているところがすごいと思います。
カップリングは、「Happy Endで始めよう」。タイトルからして、ファンを喜ばせてくれます。ひょっとして某バンドの再々結成があったりしてね。ターンテーブルをCDがかけめぐった途端、あのなつかしいサイダーシリーズを、あるいはウララカを、またあるいは「Da-Doo-Ron-Ron」を思い出すかもしれません。とにかくナイアガラサウンドを深く知る人ほどより楽しめる音の仕掛けとなったノベリティーソングです。さすが 『Wall Sound of Niagara』とフィル・スペクターも何度もびっくり状態 。
大滝詠一が、栄光の「ナイアガラ第3期Blue Label時代」への突入をこのシングルで宣言してしまった以上、当分後にはひけません。これぞナイアガラ秘中の秘ともいえるべきロマンチックで心から楽しめるサウンドを集めたアルバムの発表や、過去にレコーディングしたまま眠っている音を再度見直してなんとか陽の目を浴びるようにしてもらいたい。また、デジタル時代に入ったナイアガラならではの仕掛けを持ったCD-ROMなどをリリースして、改めて業界の牽引力となってほしいと思っています。(Sony Records、SRDL-4500、816円)
筆者/copy right=フルタマコト cdnewsjp@yahoo.co.jp