一度は死んだはずの松田優作がサッポロ缶コーヒーのテレビCMでお茶の間に蘇っています。優作ファンにとってはうれしいことですし、懐かしく思うと共に才能ある俳優が若くして亡くなったことを今さらながらに残念に思います。でも最初にテレビでこのCMを見た時に「なんじゃあい、これは!」と叫んだことは言うまでもありません。映画「探偵物語」のワンシーンのセリフをしゃべっているのですが、CMバックに流れているのが同映画のテーマ曲でもあったこの「BAD CITY」です。
SHOGUNは、ケーシーランキン、芳野藤丸、大谷和夫、ミッキー長岡、エリック・ゼイといったオリジナルメンバーを中心に17年ぶりに復活しました。みんな現役スタジオミュージシャンですから、演奏のテクニックは抜群です。カップリングはこれまた、「探偵物語」のエンディング曲だった「lonely man」ときては、古くからのファン感涙となるわけです。
再結成したからには、今後もバリバリ活動してくれるはずで、さっそく新曲(11月21日に、芳野藤丸がメインヴォーカルの「Starting All Over Again」がリリースされました)を発表するなど精力的な動きをみせています。腕によりをかけた彼等の音を楽しめるのがなによりうれしいですね。(Sony Records、SRDL-4438、1020円)
「furniture」市井由理
市井由理といっても知らない人の方が多いかも。ちょっと前ならEAST END X YURI(イーストエンド・プラス・ユリ)の、もう少し前なら東京パフォーマンス・ドールのメンバーの一人と紹介すれば、ああ、あのヴォーカルと思い出してもらえるだろう。「DA.YO.NE.」でEAST END X YURIが大ブレークした後、静かだなあと思ったら、ソロで復活ですね。EAST END X YURIのイメージが強いのでラップ方面でくるのかと思えば、全くのJーポップスできたわけで、このあたりの変わり身の早さはなかなか。「furniture」は、マキシーシングルで4曲入り。全曲、由理の作詞と意欲的です。この中で、3曲目の「風吹く町で」はなかなか、サウンドもテーマもおもしろいので一聴の価値あり。ただEAST END X YURIでは市井由理との実体との関係はともかく、YURIの個性がヴォーカルにも十分反映され結果、紅白歌合戦(ああ、もうすぐですねえ、中居くんアッコに負けるな)にも出場するほどの大ヒットになり、流行にもなっていたはず。残念ながら、このシングルではサウンドエフェクトなどで処理されてしまって味わえないのが残念。もう少し由理のヴォーカルの魅力を重視してほしいので、次作を期待したい。(NeOSITE DISCS、ESCB-1855、1529円)
「BRILLIANT CUTS」Seven Steps to Heaven
目下、お気に入りのCDとしてずっと流れているのがこの一枚。思わぬ事故で気が滅入っているときに、こういう元気の素になるCDって本当にうれしいですねえ。今年6月に「Brand-New Kiss! 」でデビュー、10月1日には、セカンドシングル「Precious Love」をリリースしたばかりのSeven Steps to Heavenのファーストアルバム。これがなかなか良いできなのです。
ちょっとおおげさな表現かもしれませんが、僕の大好きなピチカートや先週も取り上げたドリカムに初めて接した時のような大きな驚きと新鮮さがこのセブステにはあるのです。しかも共通していえることは何度聞いても飽きないという点です。飽きないといえば、大滝の「幸せな結末」も何度も聞きすぎて擦り減り、2枚目(!)に移ろうとしているところです。
大滝、山下などJーポップスが大好きな人に自信を持って御奨めできる一枚です。機会があればCDショップで試聴してみてください。きっとCDを手にしたまますぐにCasherに走るはずですから、財布を御忘れなく。(FOR LIFE、FLCF-3697、3659円)