CD NEWS11月21日号

毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=1999年11月23日午後04時30分


Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp

CD印の飾り棚線マーク

◎☆☆☆☆☆「PIZZICATO FIVE」PIZZICATO FIVE

1.また恋におちてしまった
 love again
2.ローマ
 ROMA
3.LOUDLAND!
4.眺めのいい部屋
 a room with aview
5.戦争は終わった
 la guerre est finie
6.野いちご
 wild strawberries
7. ダーリン・オブ・ディスコティック
 darlin' of discotheque
8.パーフェクト・ワールド
 a perfect world
9.20th Century Girl
10.連載小説
 serial stories
11.あなたのいない世界で
 a world without you
12.グッバイ・ベイビイ&エイメン
 goodbye baby & amen

 1年ぶりのアルバムのタイトルは「ピチカート・ファイヴ」、そう、人呼んで題名のないアルバム「アンタイトルド」。毎年、年末になると素敵なアルバムを届けてくれるピチカート・ファイヴの季節の便りともいえそうな一枚。年末は年賀状書きと赤白歌合戦とレコード大賞とピチカート・ファイヴの新作が気になるという人には最高の贈り物かもしれない。

 歌詞が普通を装っていて十分毒があったりするところが二重構造になっていておもしろいです。例えば「眺めのいい部屋 a room with a view」。眺めのいい部屋でなんの不自由もなく暮らしている“幸福な”カップルの話なのですが、こんな退屈そうな生活って僕ならちょっと御勘弁を、というところですが、この歌を聞いてひょっとしてあこがれる人もいるかもしれませんねえ。人間の価値観は千差万別ですからなんともいえません。2000年を間近にして、世の中の価値観がますます多様化していくようで興味はありつつも、最近ではおかしくもあり怖くもありってところが正直なmako-rinの気持ちです。

 インストものはなかなか冴えています。さすがに映画と共に育った小西くんだけあって至る所に映像のバックに使えそうな音がいっぱい収録されていて、業界関係者には実に“おいしい”アルバムといえそうです。でもパクリはダメですよ。

 「LOUDLAND!」では、本当に久しぶりに田島“original love”貴男がゲスト・ヴォーカルとして登場していて、昔ッからのピチカート・ファイヴを実に懐かしい気分にさせてくれることでしょう。たぶん、小西康陽くん特有のいたずらだと思いますが、わざと完成品にノイズを入れて楽しんでいるようなところがあって、僕は車の中で聞いていてちょっとイライラしておりました。車のような閉鎖された空間でしかも緊張感強いられているときにこの歌を聞くのは避けたほうが良いかもしれません。

 でも、そういうことをのぞけば(要するにTPOを選ぼうってことかな)このアルバムも、もうピチカート・ファイヴがこれまでにコンスタントにリリースしてきたアルバム同様、あるいはそれ以上に、上質のエンターテインメントに仕上がっていて安心して人に勧められます。歌の楽しさ、音楽の楽しさ、あるいはちょっと大袈裟ににいえば人生の楽しさやほろ苦さが至るところに詰まっていて思わず涙ぐむかもしれませんよ。

 「パーフェクト・ワールド a perfect world」は、ゲスト・ヴォーカルとして、MICOちゃんこと弘田三枝子が参加。何と、ピチカート・ファイヴのシングル盤「パーフェクトワールド」とはひと味違ったソウルフルな新アレンジで歌っています。こういう仕掛けいいですねえ。野宮さんバージョンもうならせますが、MICOバージョンも傑作です。小西くん、早くMICOちゃんのフルアルバム作ってね。

 年末だからそろそろ回顧録のシーズンとなりますが、1999年のピチカート・ファイヴの足跡は彼らのホームページにもっと詳しく掲載されていますが簡単に追うと…。

 <*>春から夏にかけて、リーバイスの広告キャラクターとして雑誌、ビルボードなどに登場。僕はこのキャンペーンで使われた絵葉書を大事に持っています。なんだか野宮さん、小西くんの両名が人形みたいに見える写真なんですが…。 <**>そうそう人形といえば、バービー人形生誕40周年記念で、3月28日、京都・南座で開催されたバースデー・パーティーに出演。すごいね、人形の誕生会に呼ばれるという体験はなかなか貴重ですね。 <***>4月21日には、ミッシェル・ポルナレフのヒット曲「シェリーに口づけ」のカヴァーを含む4曲入りのマキシ・シングル「darlin' of discotheque e.p.」を発売。これはなかなか哀愁というか郷愁があるいいシングルでした。 <****>6月には初のイタリアDJライヴ・ツアーを行い、各地大盛況のうちに終了。イタリアン・ヴォーグ誌など多数のプレス取材を受けるなど、ピチカート・ファイヴ人気が確実に世界中に浸透してきているようです。イタリアの老若男女に愛されているピチカート・ファイヴも素敵です。 <*****>7月にはマキシ・シングル第2弾「nonstop tokyo e.p.」 <******>10月21日には大正製薬『アルフェ・ミニ』CFイメージ・ソング「パーフェクト・ワールド」をリリース。これは野宮さんのヴォーカルがほとんど聞こえないオン・ジ・エアでちょっとがっかりしました。 <*******>11月20日にはこのフル・アルバム「ピチカート・ファイヴ」を発売。同時期に野宮真貴の初の単行本「おしゃれ手帖」(パルコ出版)発売。 <********>12月には約1年ぶりの全国6大都市ツアーを予定。年末大晦日には、東京渋谷の東急文化村シアターコクーンで、カウントダウン・ライブを行う計画。 <*********records,tokyo>1900年代最後の年末までピチカート・ファイヴから目が離せません。

 (日本コロムビア、COCP-50187 、3059円)


◎☆☆☆☆「恋のベスト10」広瀬香美

1.恋のベスト10
2.higher and higher
3.恋のベスト10(カラオケ)

 毎年、この時期になるとスキー用品のCMと共に彼女の声が聞こえてきます。うーむ、今年も冬が来るんだなぁ、と寒さにちょっと震えながら冬到来時期に必ず罹(かか)る風邪の心配をしていると、いつにも増して広瀬香美の歌声がしみ入ります。

 前作「I wish」から数えると約10カ月ぶりのシングルリリースとなるわけです。この間香美ちゃんはどこで何をしていたか、といえば…。昨年ベストアルバムを出して一段落後、春からアメリカ・ロサンジェルスで、ヴォイストレーニング、英会話そしてアレンジの勉強にいそしんでいました。その成果をもってリリースのしたのが、この作品。前述の通り、スキースポーツ用品の「アルペン」CMソングで、間もなくテレビなどでオン・ジ・エアされるはず。さらにじっくり彼女の歌声を聞きたい香美ファンにとってうれしいのは、12月に8枚目のアルバムを、そして1月にはシングル「BEGIN」(これもアルペンCMソング)を続けて出すことです。

 「恋のベスト10」は、この1900年代最後の年にふさわしい歌。新しい年へのカウントダウンをあなたはいったい誰と共に行う予定ですか、NHKのゆく年くる年見ながら、NHKアナと共に迎えるのも悪くはないですが、ここは一つ生身の人と迎えたいもの。新しい日本の夜明けが(…と言っても昨日や明日の夜明けとたいして変わらないはずなんですが)少しばかりロマンティックな気分を誘ってくれるかもしれません(雨や雪だったらごめんね)。

 われらが香美ちゃんの場合、カウントダウンをじっと待っているなんて芸のないことをやっている場合ではない、と警告しています。せっかくの貴重な時間これまでの人生を振り返って、印象に残った二人の恋のベスト10を思い出してしまおう、というテレビのプロデューサー的な思いつきがなかなか“イマ”風でいい感じ。こういう場合やっぱりベスト10から順番にベスト1に上がって発表していくのでしょうね。それにしても最後の最後に何をベスト1に持ってくるか、非常に難しい選択なのですが、さすが香美ちゃん、実にうまいオチを付けています。彼女、彼氏と二人で同じことをしようと企んでいる人、同じオチはダメよ、特に相手が香美ファンなら。

 カップリングの「higher and higher」は、まさに広瀬香美による前向きな人生を送る人皆に届けるクリスマスプレゼント・ソングといっていいかもしれない。何も恐れず、何事もすべてのことがチャンスへの第一歩と思い、貪欲に突き進んでいく。遠慮や謙虚は欠落しているかもしれないけれど、情けや常識なら一応持ち合わせている、こんなポジティヴな子なら、きっとロマンスの神様も微笑んでくれると僕も信じます、ねえ、神様?

 (ビクターエンタテインメント、VIDL-30469、1020円)


◎☆☆☆☆「Gift〜CHAKA Best Collection」CHAKA

1.僕等はもっとすごいはず
2.ハックルベリーフレンズ
3.Friends or Lovers
4.Lemonの勇気
5.誘惑のハンマー
6.あしたてんきになれ
7.Loving Feet〜恋する右足、左足
8.Spring Is Here
9.プロポーズ
10.HEAVEN
11.Wondering up and down〜水のマージナル
12.花のように
13.幸せが迷う森
14.ひまわり娘
15.大きな古時計
16.Call me〜覚えていてほしい

 これはこれは懐かしい、といえばチャカにぶたれそうですが、彼女のベストアルバムが出てしまいました。そこのあなたこれはお買得ですよ、すぐレコード店に走って。こんなに上手い女性ヴォーカリストってそうそういません。その彼女がこれまでに歌ってきた、うっ、なんや、これは。うっ、なんと説明していいものやら、、そ、そ、そうもう上記の曲目を見てもらったら、お分かりいただけると思う(^_^;;汗)のですが、ジャンル分けすることすら無意味な、そう異種格闘技みたいな、そんなアルバムなのです。

 1985年、「PSY・S」[saiz]として松浦雅也とのユニットでユニークな活動をしてきました。実験的な音楽にチャカの透明感あふれる歌声が多くの人の共感を得ました。96年にPSY・Sが解散してソロシンガーとして活動を続けています。97年ソウルアルバムをリリース。デリシャス・ピッグという別アーティスト名でその昔、CD NEWSでも取り上げましたねえ。本来のユニット「Delicious Hip(デリシャス・ヒップ)」の名作「プロポーズ」もしっかり入っております。KANの作詞・作曲でなかなか心温まる歌なのです。

 そして、「チャカと昆虫採集」という名前で出した「ひまわり娘」と「大きな古時計」。実にチャカにぴったりの定番ソングです。1999年2月にセルフプロデュースアルバム「I FOUND LOVE」を発売。このCDの「Call me〜覚えていてほしい」が収録されています。CHAKA本人による初の作詞・作曲の歌です。11月、THE BOOMの宮沢和史プロデュースによる書き下ろし2曲を含むマキシシングル「僕等はもっとすごいはず」をリリース。使われた歌はこのベストアルバムにも収録されています。

 CHAKAはどんなジャンルの歌も実に器用に自分のものに消化して歌いこなしていく歌姫ですから、今後どんな活動をしていくのか、大変興味があります。ひょっとしたら、彼女にはもっと広い活動場所が似合っているのかもしれません。さらなる飛躍を期待しています。

 (SME Records、SRCL-4711、3059 円)


音符印の飾り棚線マーク

Coming Soon


<反省>
◎WEBの日曜日発行も、メールマガジンの月曜発行も無理でしたが、風邪をひきつつ、こうして火曜日になんとか発行できました、相変わらず、お待たせしてごめんなさいm(_ _)mako-rin。

◎リンクページ更新しました。

◎それにしても何と言う幸運か、またまたMacを知人に譲ってもらいました。今度は会社の先輩です。PowerBookDuo 230をグレードアップしたPowerBookDuo 2300。モノクロ画面ですが、これが結構いろいろ細工がしてありまして、オリジナルの2300cより早いのです(Appleさん、どうして最近のMacはアップグレードを一切せずに売りっぱなしなのですか? キーボードのアップグレードもいいけれど、本体CPUのアップグレードを待っているファンは決して少なくないと思いますよ)。

◎おっとPowerBookDuoの話ね、う〜〜〜ん、もうありがたい、辻さん、大切にします。ありがとうございました。…というわけで、なかなか前に進めない。さっさとWEBなどの更新作業やらないといけないのに、PowerBookDuoをドックに繋いで、インストールやら、ハイテクたわしで磨いたりして実に落ち着かない。ごしごし。

◎大阪の街は実に地下街が多いのです。地理に詳しければ、絶対、この時期地下を歩いている方が暖かい。でも僕は毎朝、ひたすら地上を歩いています。なぜなら冷やりとした空気が緊張感あって好きだから。でも風邪をひいて鼻水を垂らして歩いているなんて誰にも言えない。そろそろマスクが必要か、花粉症以来とはいえ、年間でマスクかけている時間の多いことよ。我ながらあきれます。

◎簡単メールはここ!手紙マーク!不平不満苦情ごみの収集日の問い合わせ、昨年大晦日に注文したそばの出前の行方などさまざまな疑問は、この簡単メールをお使いになりお知らせ下さい普通のメールはこの下の封筒マークからどうぞ。

<今週の一句>iMac kozoをゲット 音は(新型に)負けぬ(mako-rin詠める)
iBook バッグ手にキバちゃん 喜べり(なんだかめっちゃ字余りmako-rin詠める。)

筆者/copy right=フルタマコト
!メールをください!
手紙マーク
cdnewsjp@yahoo.co.jp

前号に戻る戻るマーク ホームに戻る 進むマーク次号に進む
ホームに戻る