毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=2003年11月24日午後11時10分
Presented by Makoto Furuta,1991-2003(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp
■01.SMILE
■02.備えあれば憂いなし
■03.FLIGHT!
■04.Flowernia
■05.木蔭の休息
■06.爪と太陽
■07.土の記憶
■08.雀の声 雨あがり
■09.Sunny Side Step
■10.あがりがまち
■11.GUN-GUN
■12.夕暮れ時 豆腐屋が通る
サキタハジメ(ギター&のこぎり)と新谷キヨシ(ピアニカ&ピアノ)の今世紀最大の名コンビ「はじめにきよし」、略してはじきよ。もう聞いてくれはりましたか? 関西が生んだ「お気楽ご気楽鼻歌ハミング風景そうけえミュージック」というCD NEWS独自のジャンル分けなのだが、彼らの演奏を聴くと、ゴンチチなんてとんでもなく正統派に聞こえます。いや、はじきよが異端派という意味ではないですよ。
それだけインパクトが強いのですが、アクは強くない。誰にでもたぶん、好感をもって受け入れられるサウンドです。老若男女や東西南北、世界のどこに持っていっても皆、喜んで聞いてくれるようなそんな気がします。
紛争地帯で彼らの演奏を聴けば、争いを起こしているのが、あるいは馬鹿馬鹿しくなるかもしれません。はじきよの音楽を聴いて地球上がいっぺんに平和になれば、わざわざ日本から自衛隊を派遣していかなくてもいいかもしれません。
はじきよサウンドは、そういう血気盛んな心を「まあまあ、よろしいやないですか」と沈静化してくれる不思議なパワーを秘めています。人類同士が血を流して争うよりも、皆で仲良く、日の出(いずる)国からやってきたこのおもしろい二人組の音楽をじっと聞きましょう。そうすれば、ひょっとすれば、平和への第一歩となるかもしれません。
はじきよを某独裁国へ送り込んだならば、独裁者も涙を流してはじきよサウンドのとりこになり、自らの過ちを悔いるのではないでしょうか。うーん、ダメもとで一度やってみる価値はあるかも。でも、失敗すれば、はじきよの才能がこの世から消え去る危険もあるし、日本に返してくれないとかなり困るし、うーん、ちょっとそれはやめておこうかな。でも、独裁者がこのサウンド聞いたら、彼らの持つ自由さに脅威を感じてしまい危険音楽指定にされてしまうかもしれないなあ。
きっと一つ一つの曲のタイトルには意味があるのだろうが、そんなことはどっちでもいい。はじきよサウンドを同時代にリアルタイムで聞ける喜びを僕はじっくり噛みしめていたいのです。まこりんの好きなのは「GUN-GUN」。はじきよにノーベル平和賞を!
(ベット・タリス、BTHK−001、2600円)
◎☆☆☆☆「Longtime Favorites」竹内まりや
■01.悲しき片想い (YOU DON'T KNOW) (英語 / 日本語)
■02.なみだの16才 (IT HURTS TO BE SIXTEEN) (英語)
■03.ボーイ・ハント (WHERE THE BOYS ARE) (日本語)
■04.そよ風にのって (DANS LE MEME WAGON) (日本語)
■05.夢見る想い (NON HO L'ETA) (イタリア語)
■06.悲しきあしおと (FOOTSTEPS) (英語)
■07.ウォーク・ライト・バック (WALK RIGHT BACK) [Duet with 山下達郎] (英語)
■08.恋する瞳 (L'AMORE HA I TUOI OCCHI) (イタリア語)
■09.ジョニー・エンジェル (JOHNNY ANGEL) (英語)
■10.砂に消えた涙 (UN BUCCO NELLA SABBIA) (日本語)
■11.いそしぎ (THE SHADOW OF YOUR SMILE) (英語)
■12.風のささやき (英語) (THE WINDMILLS OF YOUR MIND) (英語)
■13.恋のひとこと (SOMETHING STUPID) [Duet with 大瀧詠一] (英語)
■14.この世の果てまで (THE END OF THE WORLD) (英語)
どういうわけだか、竹内まりやの新アルバムは60年代サウンド満載なのであります。しかもイギリス、フランス、イタリアです。彼女のルーツミュージックということでまりやファン必聴ものかも。この種の音はクリアなオーディオ機器で聞くよりも、オーソドックスにパソコンの隅に付いたおまけ的スピーカーで聞くほうが「らしい」のであります。
その昔、トランジスターラジオが出始めの頃に耳を傾けたあの音に近いから。もちろんうっかりオーディオをギンギンにそろえてしまった人なら、できるだけクリアでない音に調整して聞けばなんら問題はありません。
さて、竹内まりやファンでなくてもこのアルバムの陰の仕掛け人、山下達郎とその友人、大瀧詠一がデュエットで参加しているのもやっぱり要チェックものです。達郎はともかく大瀧に至っては、めったにお出ましにならないのだから、2003年の活動内容としては特記事項に値します。大瀧詠一・竹内まりやの「恋のひとこと(SOMETHING STUPID)」は、夏に流れたTBCのTVコマーシャル。オリジナルはフランク・シナトラ&ナンシー・シナトラ(1967年)です。
でも、改めて聞いてみると竹内、山下、大瀧の声は60年代にぴったしです。40年も経っていて、今さら60年代もないのでしょうが、若い人にとってもなんだか一曲あたりがやたらに短いけれど、怒涛のように押し寄せてくる一方的なサウンドにドキッとしてしまうのではないでしょうか。
チープな音なんて言うなかれ。こういった一つ一つの音の蓄積が僕たちの今のポップミュージックに受け継がれているわけですから。温故知新、神社仏閣、驚愕天地。ま、ともかくだまされたと思って聞けばいいんじゃないでしょうか。NHKの連ドラも「てるてる家族」(突如ミュージカルに変わってしまう不思議なドラマ)で60年代満載なのです。
うん? まりやのオリジナル曲が聞きたい、うーん、そういうあなたは正直過ぎますねえ。これらのアルバムこそ彼女の本当のルーツがあって、これこそがまさにオリジナルに匹敵するアルバムなんですが……。
(ワーナ−ミュージック、 WPCL-10045、2940円)
<反省>
◎御無沙汰しておりました。またもや、CD NEWSは半年ぶり。前回でも告知しましたように、本業が多忙でなかなか発行できないのが事実です。でも音楽はちゃんと聞いております。思うようにCD NEWSが作れないのがmako-rinも苦痛です。
◎Macに関していえば、本家AppleはiTunesやiPodが快進撃で、日本でも直営店を作って話題を呼んでいますが、これまでMacの売り上げに寄与してきたショップはかなり疲れているようです。Mac一台を売っても、それほど莫大なもうけにはならず、結局周辺機器でなんとかつないでいるのが現実です。ところがそういう事実は横に置いておいて、Appleはもうけを独り占めしようとしているように思えます。老舗のMac専門店が店を閉鎖したり、縮小している事実。Mac関係の雑誌も、Mac LIFEが消えた後、MacFanも隔週刊から月刊になっています。こういうMacを取りまく事象が縮小傾向にあることに不安を感じます。Macが好きだけれど、Appleでも近くのショップでも遠くのコアなMacの店からもMacを買えることが重要なのです。その点に早くAppleに気がついてほしいのですが。
◎舞鶴からのアップロード、うまくいくとは思いますが、メールマガジンもちゃんと発行できるかちょっと心配(笑)
<今週気付いたこと>グリコのCDおまけのチョコで、三木聖子の「まちぶせ」当たりました。こっちがオリジナルなのね。
筆者/copy right=フルタマコト
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