毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=2000年12月06日午後11時30分
Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp
◎☆☆☆☆☆「24/7 -TWENTY FOUR / SEVEN-」DREAMS COME TRUE
■01. 24/7 -TWENTY FOUR / SEVEN-
club DCTgarden vol.1
■02. SONG OF JOY -“king's crab”mix-
■03. MITSUBACHI -king's mambo magnifico mix-
■04. 24/7 - club mix featuring ZEEBRA-
先週紹介した3 VIEWSのアルバム「3 Views Producers」にも参加して素晴らしい歌声を披露していたDREAMS COME TRUEの吉田美和ちゃん。ドリとしての今世紀最後のシングルがこの「24/7 -TWENTY FOUR / SEVEN-」。
なんだかややこしそうなタイトルですが、「24時間7日間」という意味が転じて『いつもいつも』というスラングになっています。TBS系『世界ふしぎ発見!』のエンディングテーマ。作詞は吉田美和、
作曲が中村正人・吉田美和というDCTおなじみの黄金コンビ。
あと1カ月足らずで21世紀。土壇場の20世紀、幕切れのつかの間の時間。その時間はまるでブラックホールの闇夜のようにバックリと漆黒のような世界が口を広げています。バーチャルな世界が広がり、リアリティーというものがますます希薄になっていきます。世紀末と一言で片づけられないほど渾沌としている割には政治の世界を例に出すまでもな、く日常のリアルな世界は変なことばかり。
恋愛もなかなかリアリティーへの第一歩が踏み出せない。24時間7日間いつもじっと思うタイプ、「私を持ってっちゃって!」と言えないタイプ。ひたすら好きで好きで一途なタイプ。でもナイーブで弱気。なかなか『好き』とコクってダイヴできない。この感じ、うーん、こんな時後ろから「ポン」と押してあげたい気になります。
それにしても恋愛に限らず、僕たちはこの世紀末にとっても奇妙な世界の入り口に迷い込んできたみたい。今さら元に戻れないので前に進むしかありません。でも、僕らの先人らが大事にしてきた価値観は確かに古くて通用しないものもありますが、その中には不変のものもあるように思えます。「どのようにしてこの暗闇を歩いていかななければならないか」を考える時、そんな智恵にも助けられて自らの背中を「ポン」と叩いて一歩を踏み出さないといけないのかもしれません。そんな時の勇気づけにこの「24/7 -TWENTY FOUR / SEVEN-」は最適です。
繰り返すリズムはレゲエの雰囲気を持ちながらいつまでも終わりません。何度も繰り返し繰り返し聴いても決して飽きがきません。これはドリの不朽の名作の一つになっていくに違いありません。
カップリングは“club DCTgarden vol.1”と題して、「SONG OF JOY -“king's crab”mix-」「MITSUBACHI -king's mambo magnifico mix-」の2曲。このkingとは、もちろん、キング・マサとも呼ばれる(僕はナカムラッチの呼称が好き)中村正人の手になる御機嫌なリミックス。今までアナログ盤で
の限定リリースしかされていなかった2曲を収録しています。そしてfeaturing ZEEBRAの「24/7」のclub mixも収録。
全部で23分8秒の大作なのにさらに、「24/7」特設Web SiteにアクセスできるCD-EXTRA仕様になっているというぜいたく。このサイトは結構楽しめる御機嫌なものです。ニーヒャによるメール発信やエンタテンメントに優れた“おまけ”となっています。これで1020円なんて本当にバーゲン価格と言ってもいいくらい。J-POPの価格破壊仕様CDです。
(東芝EMI、TOCT-56003、1020円)
◎☆☆☆☆「NORIYUKI MAKIHARA SINGLE COLLECTION 〜Such a Lovely Place 1997〜1999〜」槇原敬之
■01. 素直
■02. 情熱
■03. モンタージュ
■04. 僕のものになればいいのに
■05. 足音
■06. HAPPY DANCE
■07. BLIND
■08. STRIPE!
■09. Merry-go-round
■10. Hungry Spider
■11. この傘をたためば
■12. 秋の気配
■13. ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)
■14. 空と君のあいだに
ようやく復権の兆しが見られて久し振りに槇原サウンドの旧譜版が一斉にレコードショップの棚に並び始めています。例の事件で謹慎処分になりファンも驚くと共に、事件の重大さに即応してあっという間に引き上げられたCD(1999年8月より槇原作品のCD発売停止)。これには本当にびっくりしました。全く姿が消えてしまっているんだもん。まるで槇原サウンドそのものが今まで存在しなかったような気にもなりました。
スポーツ選手ならドーピングして樹立した記録は全部取り消しになります。もちろん入賞して獲得したメダルさえも剥奪されてしまいますから、そういう世界からみると音楽業界はまだまだ温情的な側面があるのかもしれません。
もっとも作品自体がドーピング状態で制作されたかどうかははっきり分かりませんし、あんまり厳密なことを言い出すと、1960年代ロックの少なくない数はそうしたドーピング状態で生まれたものですから、多くが発売禁止になってしまいます。
でも、復権したマッキーのサウンドをこうして改めて聴き返してみると、やっぱり想像以上にとてもいいじゃありませんか。どの曲にもその歌を聴いた時の思い出が蘇ってくるようです。だからこそマッキー本人には、今後、目一杯自重してもらい二度とあのような残念な事件のないように楽曲作りに一生懸命専念してほしい、と思うわけ。
それにしもこの曲目のオーダー、これだけでも値打ちがあるように思えます。ヒット曲はもちろん、アルバム未収録曲「Merry-go-round」や、1997年から1999年にかけてSONY RECORDS、SME RECORDSより
リリースされた全シングル6タイトル(カップリング曲も入っています)11曲に、初のカバーアルバムとして
大ヒットした「Listen To The Music」(1998年10月リリース)から特に人気の高かった3曲(小田和正の「秋の気配」、桑田佳祐の「ミス・ブランニュー・デイ」、中島みゆきの「空と君のあいだに」)をボーナストラックにしているぜいたくな14曲といえます。
(ソニー・ミュージックエンタテインメント、SRCL-4973、3059円)
【DISC1】
■01. 無責任一代男
■02. どうしてこんなにもてるんだろう
■03. 愛してタムレ
■04. ホンダラ行進曲
■05. 無責任数え唄
■06. シビレ節
■07. ハイ それまでョ
■08. こりゃシャクだった
■09. 悲しきわがこころ
■10. これが男の生きる道
■11. ゴマスリ行進曲
■12. 馬鹿は死んでも直らない
■13. めんどうみたョ
■14. だまって俺について来い
■15. あんた誰?
■16. 遺憾に存じます
■17. ウンジャラゲ
■18. 五万節
■19. ドント節
■20. スーダラ節
■21. 実年行進曲(ぶちゃむくれヴァージョン)
【DISC2】
■01. メイキング・オブ・新五万節 take1
■02. メイキング・オブ・新五万節 take2
■03. メイキング・オブ・新五万節 take3
■04. メイキング・オブ・新五万節 take4
■05. 新五万節
■06. 五万節(オリジナルヴァージョン)
今週から年末にかけて20世紀の世界遺産、21世紀に伝えたい音楽として「CD NEWS」は大好きなクレージーキャッツとドリフターズものを紹介していこうと思っています。その第一弾がこの「クレイジーキャッツ スーパー デラックス」。なんといってもナイアガラの巨匠、大瀧詠一師匠が動いて(山が動きました!)作ったのですから、ナイアガラ大瀧詠一公認の“非公認”サイトであるこの水の国CD NEWSが黙って通ることができるわけがありません。
で、【DISC1】は大瀧責任編集のベストヒッツもの。なんと21曲63分18秒(昔の曲は2分台のものが多かった)のヴォリューム。どのくらい大瀧詠一師匠が力を入れているかは、中のライナーノーツに全曲、師匠が解説を書いていることからもうかがえます。師匠、とにかくクレージーキャッツが好きで好きで堪(たま)らないというのがよく分かります。さらにクレイジーキャッツの一連のヒット曲をずっと作曲・編曲してきた萩原哲晶さんに対する師匠の畏敬の念も伝わってきてとても心が温まります。
植木等のヴォーカルの気持ち良いこと。この人の声はほれぼれするくらいいい。とぼけた持ち味なのですが、じっくり見ると男前で、素敵な声。これで3枚目をやっていたんだからちょっと日本の芸能界おかしくない?
サラリーマンや人生の悲哀、喜びが伝わってくる曲の数々。まさに20世紀の世界遺産(無形文化財)に指定されてもいいくらいのヒット集。「無責任一代男」(作詞・青島“青島だァ。元知事”幸男、1962年)にあるように「人生で大事なことは タイミングに C調に 無責任」であるのも現在の世相を眺めていると不変なのだなあ、と感じてちょっと滅入ります。
大瀧師匠のライナーノーツもそれだけですごい価値があると思いますが、さらに充実したディスコグラフィー(これもきっと師匠の手になるものだと推測しますが)が素晴らしい。そして【DISC2】は師匠プロデュース。クレージーキャッツのメンバーが1986年2月21日に集まって録音した最後のスタジオ録音の様子を伝えている貴重なもの。
大瀧師匠、雑談も含めて一部始終をすべて録音していて、途中の会話やネタが膨らむ様子が手に取るようにわかります。テイクもいくつもあり(きっとこの他にもあるのでは)、最終的に「新五万節」が完成するまでの裏舞台が明かされています。ハナ肇、安田伸、桜井センリが亡くなった今、最新のクレージーキャッツの楽曲を偲ぶ一曲といえそうです。
今聴いても新鮮な楽曲である点も21世紀に伝えたい理由でもあります。クレージーキャッツに興味がない人にも「ぜひ聴いてほしい」とプッシュしておきます。お笑い人ととらえる人が多いのかもしれませんが、新五万節に見られるようにジャズマンとしてのアドリブや音楽感がいっぱい詰まったところがひと味違うんだんなあ。
(東芝EMI、TOCT-24486-87、3500円)
<反省>
◎ここんところちょっと夜になると途端に眠くなってきます。もう目を見開いていることができません。ちょっとイスに座っていようものなら、キーボードで頭打ち付けるまで眠り込んでしまって突然、目が覚めてしまいます。
◎で、眠い時にはどうしようもなくてひたすら我慢していると頭が痛くなってきて、ちょっとイスに座ったまま目を閉じると、そのままグワァーと鼾(いびき)かいてしまいそうで怖いのです。トイレで座っていても眠ってしまいそう。もう寝不足状態で困っています。そのくせ起きるのが早い。自分でもなんだ、こりゃ、と思いますが、一体なんなんでしょうねえ、これ。
◎先週はメールマガジン版では紅白出場歌手決定の臨時号外を発行したのですが、楽しんでいただけましたか。ちょっと迫力不足な顔ぶれで不満は残るのですが、藤井隆くんは持ち歌ニ曲で堂々の出演。浅倉大介サウンドを年末に楽しめるなんて、ちょっとうれしい。
◎BSデジタルが始まったものの、リピート番組のようなものをやっている限りでは地上波との区別なくて電波の無駄づかいって感じで、あんまり感心した番組がありませんでした。と言っても、純粋のデジタルチューナで見たのではなくてCATV越しに見ているだけなので本当の双方向性を楽しんだわけではないので、この視点は少し厳しすぎるかもしれません。
◎さらに厳しい言い方を許してもらえれば、地上波放送を行なっている放送局がそのノウハウを生かしてBSデジタル放送をする、というのは一見分かり易い図式なのですが、本当のところはどうかな、って気がします。新しい時代には新しいタイプの放送局が出て様々なことに挑戦してくれればいいと思います。そういう意味では過去の様々なしがらみがない新しい放送局の方が斬新な発想で未来を開拓してくれる、と思うからです。今のところ残念ながら、未来を見せてくれているステーションはないようです。
◎簡単メールはここ!
!不平不満苦情ごみの収集日の問い合わせ、昨年大晦日に注文したそばの出前の行方などさまざまな疑問は、この簡単メールをお使いになりお知らせ下さい普通のメールはこの下の封筒マークからどうぞ。
<今週の一句>今聴いて ウロコもハラリ クレージーもの(字余りmako-rin詠める)
筆者/copy right=フルタマコト
すまぬが そこのあなた ヒマですか? おっ、ちょうど良かった !メールください!
cdnewsjp@yahoo.co.jp
ホームに戻る