CD NEWS12月05日号

毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=1999年12月06日午後10時50分


Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp

CD印の飾り棚線マーク

◎☆☆☆☆☆「ON THE STREET CORNER 3」山下達郎

■01. 愛する君に(DEDICATED TO THE ONE I LOVE)
■02.スタンド・バイ・ミー(STAND BY ME)
■03. グローリア(GLORIA)
■04. エンジェル(ANGEL)
■05.ドリーム・ガール(DREAM GIRL)
■06. 心には春がいっぱい
   (THEIR HEARTS WERE FULL OF SPRING)
■07. ドント・アスク・ミー・トゥー・ビー・ロンリー
(DON'T ASK ME TO BE LONLEY)
■08. ラブ・ユー・ソー(LOVE YOU SO)
■09. ラブ ・TKO(LOVE T.K.O.)
■10. 恋は曲者(WHY DO FOOLS FALL IN LOVE)
■11. ヘヴンリー・ファーザー(HEAVENLY FATHER)
■12. ラブ・キャン・ゴー・ザ・ディスタンス(アルバム・リミックス)
(LOVE CAN GO THE DISTANCE)(ALBUM REMIX)

 ナイアガラーな生き証人というか、とっても懐かしい(といっても現役ですが)クマのニューアルバムです。ナイアガラーばかりでなく山下家ファンの皆さんなら、もうとっくの昔にこのアルバムは購入されているでしょうが、それはそれ。この古今東西、類を見ない唯一無比のワン・マン・ア・カペラというか、多重録音の権化に変身した達郎の、今や確実にライフワークのようになった「ON THE STREET CORNER」もついに回数を重ねてなんと「3」です。

 この「ON THE STREET CORNER」シリーズを知らない人のために敢えて説明すれば、無伴奏コーラス(合唱)だけによる作品ということになるでしょうか。別にスタジオ使用料金が高くて楽器の使用をケチったわけではありません(そらそうでしょう、天下の山下達郎ですもん)。こういうスタイルで楽曲作りをしていた1950年代のアメリカで流行していた黒人コーラス・グループの様式である「ドゥー・ワップ」を取り入れたのです。そうそう、その昔、「シャネルズ」から「Rats & Star」に名前を変えた靴墨ビジュアルグループがいましたが(なんと彼らも由緒正しきナイアガラーなんですが)、彼らが目指していたのもドゥー・ワップです。忘れちゃいけない「キングトーンズ」もね。

 でも彼らはちゃんと人数がいたからこそステージやレコードで披露できたのですが、クマは一人ぽっちです。そこで彼がやったのが一人で多重録音(昔、テープレコーダーでよくやったでしょ、あなたも)することによるドゥー・ワップのワンマン・ア・カペラだったのです。その結果、僕らが最初に達郎の「ドゥー・ワップ」アルバムを手にすることができたのは、1980年のワンマン・ア・カペラ・アルバムON THE STREET CORNER」でした。なんか紹介していても人の暖かみの伝わるいい話だなあ。

 曲目の紹介はあえてやめます。なぜなら、誰よりもロックンロールを愛してやまない達郎自身による解説の収録されたライナーノーツがこのCDには封入されているからです。昔、彼はよく「POP-sicle」に原稿書いてました。それを読むのが一番だと思います。

 タイトルを見ればわかるオールディーズ(でも良き時代)の名曲ぞろいで達郎の新鮮な歌声に新たな息吹が伝わってきます。ナイアガラーにとってうれしいのはたぶん、「恋は曲者(WHY DO FOOLS FALL IN LOVE)」が収録されていることでしょう。ア・カペラばかりでなく彼の手拍子(ハンドクラッピング)が楽しめ素敵ですが、何よりも達郎19歳の時にリリースした自主製作盤(僕はこのレコードの復刻盤を持っていますが)に収録された時と同じアレンジであることでしょう。NTTコミュニケーションズのCMソングとしておなじみだった「LOVE CAN GO THE DISTANCE(ALBUM REMIX)」も収録されています。

 さて、これを機会に過去の「ON THE STREET CORNER 1」(おや? いつの間にか「1」がクレジットに入っていますねぇ。ワーナーミュージック、WPCV−10030、2625円)や「ON THE STREET CORNER 2」(ワーナーミュージック、WPCV−10031、2625円)を全部購入して聞いてやろう、と決意された方はちょっとラッキーです。2000年1月26日発売の「ON THE STREET CORNER 1」(WPCV−10030)、「ON THE STREET CORNER 2」(WPCV−10031)は、なんとリマスター盤(各ニュー・ジャケット、ボーナス・トラック2曲追加収録、対訳新収録)でこれだけでもラッキーなのに、さらにタスキ帯にあるロゴマークを「ON THE STREET CORNER 3」分と共に3枚全てを送った人全員にボーナスCD 「ON THE STREET CORNER 0(ゼロ)」がプレゼントされるからです(詳細は1月26日発売のリマスター盤商品内を参照)。でも「ゼロ」ってひょっとした達郎が高校時代の一人多重録音した作品群かな?

 (ワーナーミュージック、WPCV-10032 、2625円)


【おまけ】

◎☆☆☆☆☆「TATSURO YAMASHITA PRESENTS X'mas Songs」山下達郎&竹内まりや

■01.White Christmas(Irving Berlin)/山下達郎
■02.Jingle Bell Rock(Joe Beal/Jim Boothe)/山下達郎
■03.The Christmas Song(Mel Torme/Robert Wells)/竹内まりや
■04.Have Yourself A Merry Little Christmas(Hugh Martin/Ralph Blane)/山下達郎

 最初に断っておきますが、僕はKFC(ケンタッキーフライドチキン)の回し者ではありません、為念。でも現在、全国のKFC店舗で実施しているプレクリスマスキャンペーンは要チェックものだと思います。何しろMOON RECORDSのCDがしっかりおまけで付いているのですから。僕にはその昔、味の素のプレゼントで当たったアンディー・ウィリアムスのレコード以来ですわ。なんだかうれしい。サンタクロース姿のおじさんの立っている店に行くと「クリスマスCDメニュー」というのがありまして、これを注文するとKFCオリジナルのクリスマスCDがセットになって購入できる仕組み。でも僕にはCDの方がメーンで大変申し訳ないですが、フライドチキンの方がおまけに見えてくるのです。どちらにしろ、リーズナブルの値段でチキンもCDも楽しめるのでちょっとオススメです。キャンペーンは全国のKFCチェーン店で12月22日まで実施中ですが、商品がなくなり次第、終了しますので欲しい人はお早めに。

 ところで、このCDの裏カバージャケット、どこかで見た記憶ありません? 達郎のコスチュームがお似合いです。

 (KFC特製品CD、WQCV-50 、『CD6ピースパック』1450円〔チキン6ピース、CD〕▽『CD10ピースパック』2140円〔チキン10、CD〕▽『CDチキンセット』890円〔チキン2、フライドポテト(S)1、ドリンク(S)1、CD〕▽『CDサンドセット』890円〔サンド1、フライドポテト(S)1、ドリンク(S)1、CD〕

◎☆☆☆☆「Classics One WHITE Christmas time」DEEN

■01. CHRISTMAS TIME 〜 morning light 〜
■02. Christmas time
■03. The Room
■04. CHRISTMAS TIME 〜 twilight breeze 〜
■05. このまま君だけを奪い去りたい 〜 Acoustic version 〜
■06. 永遠をあずけてくれ 〜 Millennium a capella version 〜
■07. CHRISTMAS TIME 〜 evening snow 〜

 今週のCD NEWSは、古くからのCD NEWSERにはお待ちかねの恒例Christmas特集でお送りしております。さて、1カ月ぶりの再登場のDEENのミニアルバムは、DEENにとって初のマキシ・シングルという形式です。Christmasの1日の流れをイメージして追った「 CHRISTMAS TIME」という名前の3つのインスト・ナンバーに挟まれるように新曲「Christmas time」「The Room」、そして「このまま君だけを奪い去りたい」「永遠をあずけてくれ」のアコースティック(Acoustic)やア・カペラ(a capella)の別バージョンが収録されています。

 全4曲7トラック入りの作品となっていますが、新曲の「Christmas time」は郷愁を誘う1曲。雪の降る中、ホームでの君との会話。非常にロマンティックな歌になっていて、後半、一気に盛り上げていきます。実際雪が降る中ではゆっくり会話どころか、唇も震えて話せないほどなのですがこのカップルは互いのことを話しています。「The Room」は一転、失恋の歌。独りぼっちのクリスマス。降り積もる雪。これもまた味わいのあるものです。

 初回限定スペシャル・パッケージはかなり凝ったものになっていてはっきりいって開け方がよくわかりませんでした。メンバ−直筆フォト・メッセージカードと11月3日にリリースしたシングル「MY LOVE」との連動特典ハガキが封入されていました。オープニングとエンディングがバイオリン重奏になっていてクリスマスの雰囲気をぐっと盛り上げてくれそうです。

 またこの中の「Christmas time」は、TBS系「ワンダフル」の12月度エンディング・テーマになっています。クリスマスのカウントダウンをDEENが演出しています。

 (BMGファンハウス、BVCR-19016 、1835円)


◎☆☆☆☆「Merry Merry Sweet Love」BETCHIN'

■01.Merry Merry Sweet Love
■02.Merry Merry Sweet Love(Groove That Soul mix)
■03.Merry Merry Sweet Love(humanbeat)
■04.Girl girl girl Lady Lady Lady(remix)

 久々の富樫明生による楽しいプロデュース。1993年、m.c.A.Tをデビューさせ、「Bomb A Head」を初めとする数々のヒットを出し、現在はDA PUMPを中心とするプロデュースを手がけている富樫くん。ブラック・ミュージック系音楽シーンにRAP・HIP HOPを定着させた大きな功績があるといわれています。その富樫が選択したのは、3人の男性ヴォーカリストによる本格的ブラックヴォーカルグループ「BETCHIN'」。メンバ−は数々のセッションをこなしてきたJinとTommy、A・Tという、いずれもキャリアたっぷりの実力派ヴォーカリストなのでとてもおもしろくなりそう。

 グループ名の「BETCHIN'」は、ベッチンのこと。そう、ビロードとも呼ばれるあのベルベッド(Velvet)のことです。高級感あるけれど、毛皮よりも手が届きそうな生地からヒントを得た名前。HIP HOPをベースとして、3人全員がソロシンガーという、これまでにない形態ですが、結構個性派ぞろいで今後の展開が楽しみです。

 ヴォーカルの持つグルーヴ感が実に楽しいのですが、非常に声質が似通っているので誰が今歌っているのか分からなかったりする、ってところは愛嬌です。「Merry Merry Sweet Love」は、オリジナル曲からGroove That Soul mix(Remixed by GTS)、humanbeat(Mixed by KOJI MORIMOTO)の違いもメリハリあって実におもしろい。究極としては将来、達郎同様ア・カペラも選択の一つであるのではないかと思います。むしろこの3人ならとんでもないものを完成させそうな気がします。

 (avex trax、AVCD-30059、1260 円)


【紅白歌合戦出場者決まる=ちょっと遅いニュース】
「第50回NHK紅白歌合戦」の出場歌手が決定し12月1日、発表されました。例年紅白25組ずつでしたが、50回記念ということで2組増えて27組に。再登場するのは松たか子、八代亜紀、三波春夫ら。初出場は、鈴木あみ、浜崎あゆみ、野猿、Something Elseなど10組。最多出場は、紅組は23回の和田アキ子、白組は36回の北島三郎という毎度おなじみの顔。(以下出演者名。五十音順、かっこ内は出場回数)

<紅組>安室奈美恵(5)▽石川さゆり(22)▽Every Little Thing(3)▽川中 美幸(12)▽Kiroro(2)▽globe(3)▽香西かおり(8)▽伍代 夏子(10)▽小林 幸子(21)▽坂本 冬美(12)▽茂森あゆみ&速水けんたろう(初)▽鈴木 あみ(初)▽SPEED(3)▽天童よしみ(4)▽中村美律子(7)▽長山 洋子(6)▽浜崎あゆみ(初)▽原田 悠里(初)▽Hysteric Blue(初)▽藤 あや子(8)▽MAX(3)▽松 たか子(2)▽松田 聖子(13)▽モーニング娘。(2)▽八代 亜紀(21)▽由紀さおり・安田祥子(8)▽和田アキ子(23)

<白組>▽五木ひろし(29)▽かぐや姫(初)▽加山雄三(14)▽北島 三郎(36)▽GLAY(3)▽郷 ひろみ(20)▽ゴダイゴ(3)▽西城 秀樹(16)▽さだまさし(11)▽Something Else(初)▽19(初)▽SMAP(9)▽ソン・フィルトル(初)▽谷村 新司(13)▽DA PUMP(2)▽TOKIO(6)▽鳥羽 一郎(12)▽細川たかし(25)▽堀内 孝雄(12)▽前川  清(9)▽美川 憲一(16)▽三波春夫(31)▽森  進一(32)▽野猿(初)▽山川  豊(7)▽吉  幾三(14)▽L’Arc〜en〜Ciel(2) 

 突然の解散発表をしたSPEEDなど話題性はしっかり押さえているものの、このほかに目新しいのはスパイダースのメンバーで編成したソン・フィルトルくらい。なんでこの時期、かぐや姫なのかさっぱり理解できないし、海援隊は怒ってこないのか、といらぬ心配をしてしまうではありませんか。いずれにしろ、50回記念にしては全体に華というものがなく今一つ、と厳しく判断しておきましょう。現場の制作者たちの疲労の色がみえます。だって若い人たちが「これは見なきゃ損」と思えるようなアーティストはほとんどいません。そんなアーティストの多くは皆、ミレニアム・カウントダウンコンサートとして首都圏を中心に大都市で独自にライブを繰り広げるからです。NHKが今後も受信料を徴集してこうした大型番組を継続していこうとするなら、やっぱり若い層にアピールしていかなくては嘘だと思います。そうでなくとも税金と受信料という二重の徴集をやっているわけですから、もっと多くの人に納得のいく人選を透明性をもって遂行してもらわければいけません。このままではデジタル放送時代に、ハード面で圧勝してもソフト面で一気に取り残されることになるでしょう(もっともその頃には当然、分割民営して要らぬ職員数とか無駄な機材などを見直すべき時代になっていることと思いますが)。

 じゃあ、今からどうするか、各地のNHKの放送局を総動員させて、有名J-POPアーティストのライブを現場から生中継(追っかけマンやウーマンとして、ぜひ全国の局アナを使ってやってください、久保アナ以上に上手いアナは、各地にたくさんいるから)して随所に折り込むとか、駄目モトで宇多田ヒカルに今一度泣き付くとか、できることはまだいっぱいあるように思えます。今年くらい途中で追加発表とかしてもいいと思うのですが。


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Coming Soon


<反省>
◎先日僕の大好きだった叔父が亡くなり、明日7日が葬儀です。先月は会社の先輩が、天国への階段を一段抜かしで一気に駆け抜けていかれました。ある程度の年齢になると、こうして見送ることばかりになるのを覚悟しなければならないのでしょうが、僕はわかっていてもなかなかそれができません。正直いってとてもつらく、こうしてパソコンに向かって何かしていないと落ち着けません。でもモニターがどうしても曇ってしまって字がよく読めません。

◎外では北風が激しくうなっています。皆さん、寒さが厳しくなりますが、どうか一層御自愛くださいますように。

◎簡単メールはここ!手紙マーク!不平不満苦情ごみの収集日の問い合わせ、昨年大晦日に注文したそばの出前の行方などさまざまな疑問は、この簡単メールをお使いになりお知らせ下さい普通のメールはこの下の封筒マークからどうぞ。

<今週の一句>OS-9 6100G3で 快調よ(mako-rin詠める)
来年も PowerBook 出る楽し(悩めるmako-rin詠める。)

筆者/copy right=フルタマコト
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