毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=1998年12月13日午後11時25分
Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp
◎☆☆☆☆「ベランダの岸辺」のっこ
のっこのニューアルバムです。あのめっちゃくちゃエネルギッシュな、パワーのかたまり的雰囲気はあまり感じらない。でも「のっこ」のアルバムなんです。時々発せられるハイトーンヴォイスは健在なので心配してはいけない。
ええ?!「のっこ」って誰って? そういう疑問を発する人もいるでしょうねえ。声を聞いたら一発で分かるのですが、CD NEWSテキストで読んでいるだけではちょっと難しいですよね。すまぬすまぬ。酸欠ライブを各地で繰り広げていた「REBECCA」の元ヴォーカリストなんですよ。そう、ちょっと前の表記はNOKKOでしたね。そうそう2年前のNHK連続ドラマ「ふたりっ子」のテーマソング担当したときはNOKKOだったもんね。ふーんいつから「のっこ」に?
ともかくのっこのこのアルバムは、ちょっと今まで感じとは違っていますが、実に力がいい具合に抜けていておもしろいんです。音楽的方向性がぐっと身近な存在になっていて親近感がわいてきます。それに合わせてサウンドもなんだかとっても懐かしく感じられます。寒い日々が続いた後の春のようなポカポカした日射しのような暖かみがあって気持ちいい。レベッカ時代やソロになってからのものとは別な魅力がまた加わったといってもいいかな。もちろんあの透き通るようなあの声はそのままで。
プロデューサーの白井良明によれば、目指したものは「たんぽぽロック」(いいねえ、このネーミング)だそうで、このアルバムのジャンル分けのネーミングは「緑黄色ロック」「ハーブロック」「アロマテラポップ」「自然サンバ」とか。この人ネーミング好きみたい。でもそう思って聞くと「なーるへそ」と同感してしまうところがあって…。ネコも縁側で居眠りするような陽気にこのアルバムを聞いているとつかの間の幸せが訪れてくきます。
(BMGジャパン、BVCSー21004、3059円)
◎☆☆☆☆「Dreamcast」湯川専務
今年この人ほど子どもたちの心を揺さぶった人はいないだろう。湯川専務あなたです。戦国時代のゲーム機器にあって、自社新製品である「Dreamcast」を売るためには自ら広告塔になってテレビCMに出る、しかも売れていない現状を素直に認め、ライバル社の製品名まで出してしまう。これはもう、視聴者をしてわくわくしないはずがないではありませんか。ましてやそのあたりに敏感な子どもたちならなおさらです。そのうえ、CDまで出した、となるとこれはもう本物です。
何が本物って? そら決まってるやないの「Dreamcast」にかける意気込みですわ。どこの商品に専務自ら店頭に立って売ろうとするところがありましたか? この不況時代、役員が率先して製品の売り込みをする、これこそが必殺技なのかもしれません。少なくともその意欲と熱意に僕ならコロッとまいってしまいます。そうそう、あんまり売れ過ぎて、初日出荷分は予約についていけなかったみたいですが、このくらいの誤算は仕方ありません。
でもハードの勝利はすべての勝利ではありません。そもそも、テレビゲームの世界は、ハードがいくら素晴らしくてもブレイクは決してしないものです。ハードの素晴らしさだけに飛びつくのは、まさに一部のマニアだけ。一番必要なのは、ゲームソフトそのものの持つおもしろさなのです。ソフトの中でも中核をなし、ハードの売り上げを伸ばす「キラーソフト」をいくつ持っているかが、64、プレステ、ドリキャスの未来を決めるのです。僕もゲームが大好きで、ゲームこそ映画以上のエンタテインメントを提供する(あるいは映画をも凌駕する)世界だと信じていますので、「Dreamcast」の成功を願うとともに、64、プレステのさらなる奮闘を期待したいのです。ゲーム業界がおもしろくなれば、きっと僕たちのエンタテインメントも変化していくはずです。
さて、肝心の音楽の方です。これがなかなかよくできています。なにしろ作詞に秋元康、作曲に後藤次利といったヒットメーカーを配しています。それにあの芸人顔負けの演技派、湯川専務がヴォーカルなのですから怖いものはありません。タイトル曲はかなりダンサブルなナンバーで、きっと本人も踊りながら歌ったに違いありません。カップリング「噂のドリームキャスト」が演歌になっているのは曲の中に仕組んだネタに忠実に合わせているからでしょう。でも意外に湯川専務歌がうまいのでおどろいてしまいます。何をやらせても器用な人はいるもんです。
ヒットする徴候さえ出ています。僕はうまくヒットして来年の紅白歌合戦(今年はもう無理やねえ)でも出たらええねん、と密かに期待しています。だって、紅白はいつもその年の話題の人や歌を選ぶでしょう。産休明けの歌手を選ぶセンスがあるなら、子どもたちの熱い視線を一身に受けたこのバイタリティーあふれる中年のおじさんを選ばない手はありません。1企業の人だから、っていうのは逃げでしかありません。結構、1企業の人がNHKには堂々と出演しているからです。
(日本コロムビア、CODAー50021、1050円)
◎☆☆☆☆「Terra Firma」S.E.N.S. of Y
久しぶりのS.E.N.S.のアルバムは、薬師丸ひろ子を迎えてスペシャルユニット「S.E.N.S.of Y」としてのものです。TBS系21世紀プロジェクト「故宮大長征」に出演した薬師丸が中国皇帝の宝物が移動してきた道のりに感動し、その感動をS.E.N.S.とともに表現したい、という気持ちがこのアルバムの成り立ちになっています。
S.E.N.S.は薬師丸の持つ透き通った歌声に注目、一つの楽器として曲を作りました。S.E.N.S.にこのアジアもの、特に中国ものを関わらせたら、まさに鬼に金棒です。今にも風景が、歴史が動きだしそうな音を作ってくれました。S.E.N.S.の素晴らしさは、僕らのD.N.A.の中に潜んでいるアジアの人間としての記憶を音で呼び起こしてくれるところだと思います。初めて聞くサウンドなのに、この心動かされる思いこそ彼らの最も得意とするところなのです。
雄大なスケールの中国に負けない音の広がり、そしてきめ細かいメロディーによって生み出される心の琴線に触れる音を見つけた瞬間、S.E.N.S.のサウンドを聞いて実にありがたい気持ちになってきます。そして、薬師丸の天使のような声の響く「Opura-Upulai-Lai」、思わず手を合わせるのは、年をとったせいでしょうか? うーむ、ありがたい。
この番組のテーマ曲「Terra Firma」はS.E.N.S.ならではの時空を超えた優しさにあふれる曲。エンディングには薬師丸の作詞・歌による「金色の麦畑」も収録(シングルも発売されている)
(ファンハウス、FHCF-2448、2800円)
<反省>ホームページのフロントページに毎年の恒例で星あきらさんの手になる大瀧師匠のクリスマスイラストを飾りました。星さんいつもありがとうございます。
MacOS 8.5のアップデータ「8.5.1」は年内にローカライズ版が出そうです。こればっかりは、世界一斉にというわけにはいかなかったようです。いろんな所で報告されているバグが解決されていることを願っています。
寒いっすね。またもや風邪ひいたみたい。気をつけているけれど、どうも少しの気温の変化に体がついていけないみたいです。みなさんもどうか気をつけてください。
年末を迎えてやるべきことが多くて、その割に怠惰でなかなかできない、でもそろそろやりはじめないと泣きをみそうな気がしてきました。
とある大手レコードショップであるCDを注文したのですが、輸入版ということでかなり割高感がします。安い時に買えば良かったといつも後悔しながら、でも泣く泣く注文しました。(だって、今度は廃盤になる可能性が高かったから)、でも出るはため息ばかり。ふぅー。
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<今週の一句>年末に やること多し 寝坊して(mako-rin詠める)
筆者/copy right=フルタマコト
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