CD NEWS12月21日号

毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=1997年12月26日午前00時30分


Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp

  • 「短くも美しく燃え」MOONRIDERS


     素晴しき不良中年音楽団「MOONRIDERS」のみなさん。今年は結成20周年とかでいつになく頑張っていらっしゃいました。その頑張りが、きっと結果的に急に過去をフラッシュバックさせたのでしょう。彼等の大好きな(?)“レコード会社移籍”のイメージがチラツキ、気が付けば「また、やってもた」状態に。これは仕方ないことかもしれません。でも東芝EMIからファンハウスに移ってきてようやく落ち着いてきたかなって感じた頃を狙って(狙ったわけじゃないでしょうけどね)、精力的に活動してきたファンハウスを出ることに。何も申し上げません。不良中年音楽団に何をいっても仕方ありません。ちなみに次のレコード会社で通算8社目となります。
     でも、物は考えよう。ファンにとってはその都度、置き土産的なベストアルバムが購入できるわけですから、うれしいではありませんか。ま、よけいな出費と中には怒る人もいるのは分かりますが、このアルバムなんて違いますよ。よけいな出費というより、貴重な音源が並んでいますからむしろコレクターズアイテムものなのですね。1995年から1996年の2年間に8枚(本当に精力的な仕事ぶりだったのが分かるでしょう)のアルバム、シングルから選んだ16曲。このうち「B.Y.G.HIGH SCHOOL B1」「海の家」「冷えたビールがないなんて」「 La Cafe de la Plage」「9月の海はクラゲの海E.P.」「HAPPY /BLUE'95」「ムーンライダーズの夜」「ニットキャップマン」「Bizarre Music For You」の9曲がアルバム未収録もしくは別バージョン曲となっているわけで、どうです、気になる人はレコード店に走ってみてください。全員のアンケート内容は読んでいるだけでもおもしろい。そういえば、MOONRIDERS全員が「高校生モード」に切り替えたり、1995年6月21日に発生した函館ハイジャック事件ではメンバーの武川雅寛が巻き込まれたり…、なんと話題の多かった時期か。どこのレコード会社に変わってもファンは誠実に不良中年音楽団を追っかけてお皿を聞き続けていますから、ご安心を。鈴木慶一望むところの「今世紀中にMOONRIDERSとしてヒット曲を出したい」との夢が実現する日(ファンとしては実に残念な事態ですが…<笑い>)が早く訪れんことを。(FUNHOUSE 、FHCF-2406、3059円)

  • 「THE FANTASTIC PLASTIC MACHINE」 FANTASTIC PLASTIC MACHINE

      FANTASTIC PLASTIC MACHINEの日本デビューアルバム、ということらしい。いきなりMacintoshの「English_Text-to-Speech」を利用したような声でマシンが出迎え曲とマッチして始まる。これは可愛い。この部分だけで非常に気に入りましたねえ、以前もこういう仕掛けの曲ってあったんですけど、やっぱり曲としても完成していないとダメです。あとはフレンチ的味付けのされた「ピチカートくささ」がフルに充満した、ピチカート以上に破壊的、実験的、おもしろ志向的で楽しい一枚。
     参加アーティストもえーと、あれまあ、野宮真貴ちゃんはいるわ、古いピチカートファンならお馴染みの寺本りえ子さん( TVジーザス)はいるわ、砂原良徳サンも。あとはジャントル・ピープル、リチャード・キャメロン、ライラ・フランス、清水靖晃といった具合。どうなってんの、と感じたら、すぐに試聴することをおすすめしたい。で、ちょっと聞いて気に入ったら、車に持ち込んで何度も聞くのが正しい聞き方かもしれない。野宮真貴ちゃんの歌う「愛しのミスター・セールスマン」って確か数カ月前に、テレビのCMで使われていたはず。ピチカートの新曲かと思っていたら、これだったんですね。CDケースのデザインが洗練されていて、そのキュートなイラストに負けない知的なセンスがうかがわれます。ちょっとしたアイデアで、同じCDケースもダサかったり、カッコ良かったりするんですね。流行ものにうるさい人は必ずチェックを。(日本コロムビア、COCA-14511、3059円)


  • 「MOTHER」Puffy


      二人のソロアルバム「solosolo」のリリース、「ROM! PUFFY! ROM!」(6800円)とかいうなんかよく分からないスクリーンセーバーだの、ゲームだの、 Tシャツ入りの限定生産CDーROMを先日出したり、今が旬の吉村由美、大貫亜美のご両人。フジテレビ系ドラマ「イヴ」の主題歌がこの「MOTHER」。作詞、作曲は奥田民生。民生ちゃんの歌は聞けば聞くほど分からない。言語明瞭、意味不明で、テレビの主題歌、歌うはPuffyとくるから落語の三題噺みたいなもの。
     これならカップリングのトータス松本の「ネホリーナハホリーナ」の方がまだ少しは、意味がわかるような(ああ、嘘ついてました、これも正直よく分かりませんなあ)雰囲気になります。でもよく歌詞だけ読むと飛び上がってしまいますよ、きっと。こちらの曲はテレビ朝日系「PAPAPAPA PUFFY」のテーマソング。二人の初のレギューラーとなったこの番組、由美亜美がノッテいない時(明らかにテンション落ちている)がはっきり分かるのでおもしろい。けっこう気分が正直に現われる二人なのです。いずれの曲も奥田がプロデュース。カラオケがしっかり2曲とも付いていて格安感あり。そういえば奥田民生の曲も時々分からないという共通点がありましたねえ。
     セカンドアルバムのためのレコーディングが現在進行中。春リリースというから、今からお小遣いためておけば大丈夫間に合いそう。それまでレギューラー番組続いていてほしい。(EPIC/SONY Records、ESDB-3817、1020円)

    次号、Coming Soon


      <反省>  今年も残りあと10日です。テレビ番組はほとんど特番ばかりで、放送マンも徐々に休み体制に突入していくようです。とはいえ、番組制作の実務担当の現場はまだまだ。忙しいでしょうけれど体を壊さず頑張ってください。
     と、のんびりしたことを書いていたら、伊丹十三監督の自殺のニュースが飛び込んできました。以前に仕事の関係でインタビューしたこともあり、大変ショックを受けました。若僧相手にも誠実にインタビューに答え、映画の楽しさを生き生きと語ってくださったことを今も忘れません。非常に器用な方で、一時期「モノンクル」という雑誌(あまり売れませんでしたが、特徴ある誌面でした)の編集長をしたりして、例のミンボーやマルサなどの「女」シリーズで多くの人に映画の楽しさを教えてくれました。自殺の背景に、またあの写真週刊誌が存在していることに改めて怒りを感じます。人権ばかりか才能ある監督の命までをも奪ってしまう、この国の写真週刊誌ってなんというおぞましい存在なのでしょうか。まだまだたくさんの楽しい映画をつくってほしかったのに本当に残念です、合掌。
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    <今週の一句>人権も 命もなんでも 飯のタネ(某出版社の皆さんへ)
    ラブジェネも 最終回なんやで〜 はっぴいえんどで始めたら?(めっちゃ字余り。mako-rin詠める) 

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