毎週日曜発行
mako-rin's CD NEWS
更新日時=2001年01月03日午後03時55分
Presented by Makoto Furuta,1991-2004(c)
cdnewsjp@yahoo.co.jp
■01. 一月一日
■02. nonstop to tokyo
■03. 君が代
■04. さくらさくら
■05. 現代人
■06. キモノ
■07. Fashion People
■08. アメリカでは
■09. ポケモン言えるかな?
■10. グランバザール
■11. 12月24日
■12. スキヤキ・ソング
■13. 東京の合唱
■14. さえら
■15. 大東京
■16. 愛餓を
ピチカート・ファイヴが新世紀2001年1月1日リリースを目指して制作していたアルバムがこの「さ・ え・ら・ジャポン」。とにかく音楽界にあってはこの2001年は特別な意味合いがありそうな年です。
このCD NEWSが毎週送り出される、不肖「水の国」をはじめとするナイアガラー公認非公認サイトにとっても新世紀はとてもじゃないけれど興奮して寝られない年となりそうです。そうです、いよいよ“寝たまま(ふり?)だったナイアガラの巨匠”が深い眠りから覚めるのです。
途中、“結末”騒ぎで眠りからちょっと目覚めたように思えましたが、「あれは師匠が寝ぼけていたにすぎない」というのがナイアガラ学会の定説のようです。寝ぼけながらも大ヒットを飛ばすのはさすが、というしかありません。
そのあたりの時代背景をしっかり押さえて作っているのはさすが小西クンなのです。もちろん、反論は多いでしょうが、この「さ・え・ら・ジャポン」は大瀧詠一が1977年にリリースした「ナイアガラ・カレンダー」が原典として意識して作っているように感じます。
実際に並べて聴くと全く違った作品なのですが、「Rock'n'Rollお年玉」のイントロでいきなり始まる大瀧詠一師匠の「みなさん、明けましておめでとうございます」のあいさつは、野宮真貴らによる「あけましておめでとうございます」に受け継がれています。なんだかこういう部分だけでもナイアガラーははらはらと涙しそうになるのです。涙腺が弱くなったか?
「ナイアガラ・カレンダー」が一年を念頭に置いたコンセプチュアルなアルバム(実はこの概念を応用して、後年「ロング・バケーション」という大ロングセラーアルバムが出来あがる)として究極の完成を見せていました。この「さ・ え・ら・ジャポン」では、“外国人への21世紀初頭の日本紹介”というコンセプトに貫かれているのですが、あえて難をいえば、急いで(とにかく1月1日発売に間に合わせることが大命題ですから)作ったのでしょうか、ところどころなんだかいつもの強烈な押さえがちょっと弱いような気がします。
でも改めて曲目を眺めると、全部で16曲あるのですが、これは不思議なことに「ナイアガラ・カレンダー」と同じ一年を軸とした作品になっていると理解できる部分が一部あるではありませんか! うーむ、そこまで深く考えていたのですね、小西クンは。やるならとことんの精神、僕は大好きです。
で、「愛餓を」(作詞・松本隆、作曲大瀧詠一)がこのアルバムのテーマとして最高に良い出来になった楽曲だと思います。このアルバムをじっくり聴くヒマがない人に(そんな人可哀想)一曲だけ聴くのを薦める時に、あるいはもし本当に外国人に日本のことを、あるは日本の言葉の持つ良さをアピールしようとする時、「愛餓を」がまさにお薦めの一曲です。
あるいは、ちょっと歴史を掘り返してしまいますが、日本のミュージックシーンに日本語のロックを吹き込んだはっぴいえんどの素晴らしさを再確認する時、この「愛餓を」をはずすことはできませんね。
ゲスト陣の顔ぶれも話題の一つ。松崎しげる、雪村いづみ、デューク・エイセス、YOU THE ROCK★、永積タカシ(スーパーバター・ドッグ)、横山剣(クレイジーケン バンド)、クレモンティーヌ、ベルトラン・ブルガラ、コーデュロイ、スパークス、ふかわりょう、前田"マエタケ"武彦など多数。
そのほか東宝映画「君も出世ができる」の主題歌「アメリカでは」、全世界でヒットしそうな「ポケモン言えるかな?」(子どもの合唱が可愛い)など話題のカヴァー曲も収録しています。先に発売されているシングル「東京の合唱」、feel-H" CFイメージソング「12月24日」のニュー・ヴァージョンや、PARCO 2001年グランバザールCFソングとして1月2日からTV,RADIO等でO.A.されている「グランバザール」もしっかり収録されています。
(日本コロムビア、COCP-50460、3059円)
■01. 夜の街へレッツゴー
■02. 夜の街へレッツゴー(オリジナル・カラオケ)
関西でこの歌がヒットしているかといえば、残念ながらその気配はちょっとまだ感じられません。でも、僕はこういう忘年会、新年会シーズンにうってつけの宴会ソングが大好き。だから喜んで紹介します。さあ、ともかく「夜の街へレッツゴー」。
だって歌っているシンガーたちが関西にゆかりのある濃い7人ときたら、もう放っておくわけにはいかないじゃないの。そもそも「モーニン○娘。」に対抗して生まれたのが、「イブニング親父。」ですが、モー娘が歌って踊る、その若さはち切れんばかりの賑やかさが売りなら、こちらは踊りこそできないがとにかく渋〜く歌ったり、ひたすら飲んで飲んで親父ギャグと言われても平気な顔で騒ぐ元気さでは負けはしません。
もっとも真剣にモー娘。に対抗したところで負けるのは火を見るよりも明らか。そこでやっぱり大人の魅力でリスナーをひきつけます。
イブニング親父。は、竹村健一、藤本義一、浜村淳、南方英ニ(チャンバラトリオ頭)、川藤幸三(野球評論家)、坂田利夫、クロード・チアリといったいずれ劣らぬ濃いおぢさまたち。年齢だけでみると竹村の70歳を最高齢に、川藤幸三の50歳まで平均年齢61.85歳です。こんなメンバーがズラッと並んでいるようなカウンターには近づきたくないのですが、一緒に歌い出したりしたら、いつの間にか肩組んで騒いでいるような気がする自分が怖い。
(SME Records、SRDL-4698、816円)
■01. ミュージックコンサートのテーマ
■02. タコ焼き大阪
■03. MC 1
■04. ヨーデル食べ放題
■05. MC 2
■06. やぐら行進曲
■07. MC 3
■08. 二人のやぐら
■09. MC 4
■10. やぐら情話
■11. MC 5
■12. ヴィヴァ!正宗屋
■13. MC 6
■14. 今日はカルネの一周年
■15. MC 7
■16. 遠野物語
■17. MC 8
■18. 遠野物語の2ばん
■19. 忘れん坊のサンタ苦労す
■20. MC 9
■21. 君に捧げる愛のネタ
■22. MC 10
■23. それぞれの味
■24. MC 11
■25. 煮えろ!水炊きよ
ヒットしそうでヒットせず、忘れた頃に火が付いた「ヨーデル食べ放題」。なにしろ自主制作盤が出たのは3年半前。歌うは桂雀三郎 with まんぷくブラザーズという中年のおっさんたちです。で、どう考えても関西ベタベタの楽曲なのに、関西人にとっては脳裏をかすめた楽曲としてはあまり記憶にないのです。そう、この楽曲は東京地方を中心にヒット、東京人は関西では爆発的ヒットと信じているようですが、残念ながらそれほどでもないのです。
とはいえ、このシングルヒット曲を収録したライブ(ライブハウス“グラフィティ”2000年9月25日収録)をCD化し、2000年末に「雀肉共食〜雀サマきき放題!〜」としてリリースしたわけです。プロデュースはナイアガラーなら誰でも知っている高田文夫師匠(どこでも出てきます)。これが思いのほか良い出来なのです。
ちなみに桂雀三郎は、1971年桂小米(こよね、後の桂枝雀師匠)に入門、当時は桂米治を名乗る。その後雀枝、1976年先代桂小文枝の前名、雀三郎に改名しています。由緒正しき名前なんですね。
桂雀三郎 with まんぷくブラザーズは、桂雀三郎(ヴォーカル&ギター)、リピート山中(コーラス&ギター)、エルエール田中(コーラス&フラットマンドリン)、リストーラ久留島(コーラス&ウッドベース)がメンバーです。作詞・作曲はリピート山中が担当しています。
「ヨーデル食べ放題」もそうですが、収録されている楽曲のほとんどのテーマは食べ物、そして描かれる世界は雀三郎が行きつけの飲み屋さん、食べ物屋さんが舞台となっています。なんだか聴いているとどんどんお腹が減ってきて、焼き肉やビールが飲みたくなってくるから困ったものです。そうかと思えば「遠野物語」なんて名曲があったり、ちょっとほろりと来る「君に捧げる愛のネタ」のようなラブソングがあって、この振幅の激しさがぐっと来ます。「気で気を養う」心意気が素晴らしい。
結構ミュージシャンとしては真面目な方で、頑張ればクレージー、ドリフも夢じゃない? とはいえ、曲間に挟まれたMCというかほとんど言い訳の世界がとっても楽しい。関西に特に大阪を職場としたり住居にしたりしている人にとっては日常的な飲み屋さんの名前や地名が出てくるので、今度ブラッと店に入ってみると「雀サマたち御一行が大騒ぎしているかもしれない」そんなことを思ってしまう親近感があるアルバムです。
(東芝EMI、TOCT-24481、2400円)
<反省>
◎例年のこととはいえ、今年の正月も大瀧詠一師匠の「ナイアガラ・カレンダー」で始まります。だいたい年に一度のこの元旦に聴くCDを決めているってのも結構楽しいもんですよ。それにしても本文でも書きましたけれど、このCDってリリースされてから23年の月日が経っているのすが、全く古さを感じません。聴けば聴くほど先見の明があって示唆に富み、大変勉強になるんですわ。で、今年もやっぱり五月雨に続く「青空のように」(これ、最高〜〜〜!)がマイ・フェバリットと再確認。5回ほどリピートしてしまった、あはははは。これも例年のことでしたっけ。
◎来週のネタはきっと、「MacExpoのサンフランシスコ」ネタでしょうね、きっと。
◎簡単メールはここ!
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<今週の一句>新年と 新世紀明けて おめでとう(字余りmako-rin詠める)
筆者/copy right=フルタマコト
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